-女性活躍推進対談1-

キャリアを抑えている時期があっても、本人の意志さえあれば継続的にキャリアアップができる組織。

バード ラッセル
― デロイト トーマツ税理士法人のBusiness HR Leader(人事責任者)として、働き方の基盤創りを通じて、多様な人財の活躍の支援を担当

K.K
― FC(Family Consulting)部門 / シニアアソシエイト

H.K
― BTS(Business Tax Services)部門 / シニアアソシエイト

※役職・内容はインタビュー当時のものになります

ラッセル:本日はどうぞよろしくお願いします。まずはお二人の所属部門についてご説明をお願いできますでしょうか。

H.K:私はビジネスタックスサービス(以下、「BTS」)に所属しています。BTSではクライアント企業の法人税や消費税の申告書作成、お客様が作成された申告書のレビューといったコンプライアンス業務がメインです。それに加えて、クライアントから税務相談が来た際に税務上の取り扱いについて回答するコンサルティング業務も提供しています。

ラッセル:法人税のど真ん中の業務ですね。そうなると申告書作成に伴う繁忙期もあるかと思いますがいかがですか。

H.K:1月から6月が繁忙期なのですが、その中でも特に2月と5月がタイトなスケジュールで業務を遂行しなければならないので、少し大変なところですね。ただそれ以外の時期はある程度余裕がありますし、繁忙期も最初から分かっていることなので、できる限り事前に準備して臨むようにしています。

K.K:私はファミリーコンサルティング(以下、「FC」)に所属しています。FCでは上場企業や大きな非上場企業の株の承継のお手伝い、資産税や相続税等の対応を行っています。私はその中でも国際資産税や、外国から日本に来られるお客様への日本の税務のコンサルティング等を提供しています。所得税対応の時期は忙しいですが、相続のコンサルティング等もあるので1年を通して一定の業務がある状況です。

ラッセル:ありがとうございます。お二人とも私生活と業務の兼合いもある中で、繁忙期ではどのように工夫して働かれていらっしゃいますか。

H.K:私は子どもが1歳半になりますが、制度の面ではFWP制度(※1)を利用して、保育園のお迎えや食事などの時間を確保しています。その他にも、上長と相談して業務量を調整していただいたり、チームメンバーにもあらかじめ事情をお伝えした上で業務をサポートしていただいたり、制度と環境の両面で助けられていますね。

※1:FWP(フレキシブル・ワーキングプログラム)制度。育児や介護・その他個別事由を背景に、時短勤務やフレックスタイム等の働き方の調整ができる制度。

K.K:私の場合は5年ほど前にデロイト トーマツに入ったのですが、現在子どもが4人いて1番下は中学三年生になりました。手はかからなくはなってきたのですが、子どものご飯の用意等もあるので、朝は少し早めに仕事を開始して、フレッシュ・ブレイク制度(※2)を利用して業務の合間に買い物や晩ご飯の下ごしらえをして、その後業務に戻るというような働き方をしています。

※2:業務中にプライベートの用事で業務を一時中断する場合に活用できる制度

ラッセル:フレッシュ・ブレイク制度は誰でも使えるのでとても便利ですよね。在宅勤務の状況はいかがですか。

H.K:私は月に1回出社するかしないかで、ほとんど在宅勤務が中心ですね。実は今日は対談のために2,3か月ぶりの出社です!

K.K:私は1週間に1回か多くて2回の出社です。業務の状況に応じて自身で調整しています。

ラッセル:皆さん在宅勤務や会社の制度を利用してうまく家庭とのバランスを取られているようですね。一方で、チーム内のコミュニケーションは在宅になると難しいところもあるとも思います。何か心がけていることはありますか。

H.K:そうですね、私はZoom等のweb会議を使って顔が見えるコミュニケーションを意識しています。web会議で顔を合わせると、相手がどんな方なのかも分かるので距離も近くなるように感じますよね。

K.K:私もweb会議ではカメラをオンにして、相手が話すことに意識して相槌をうつようにしています。自分が話すときに誰も「うんうん」と言ってくれないとすごく喋りづらくて(笑)。若いメンバーも話しやすい雰囲気を作れるように、年長者として率先してリアクションするようにしています。あとはZoomで打ち合わせしても、“ふわっ”としてしまい決めたいことが決まらないことがあるので、ここで数字を固めたい!という時は皆で出社してミーティングすることもありますね。

ラッセル:ありがとうございます。皆さん工夫して対応されていることがよく分かりました。働き方の制度や周囲からの理解促進のために、会社としてもっとこうしてほしいと思うことはありますか。

K.K:子どもを持つ親を体験できるシミュレーションがあれば面白いかもしれないですね。保育園への送り迎えや、突然子どもが熱を出して学校から呼ばれてしまう、というような。私も子どもが2週間おきに次々とオタフク風邪にかかってしまったことがありますが、そういった経験を通じて周囲に頼れるところは頼る、諦めるところは諦める、という決断ができるようになったと思います。 自分一人で抱え込もうとせず、近所の人にお願いしたり、友達にも色々お願いしたり。会社にも自分の事情をお伝えすれば意外となんとかなります。これは無理だからやめよう、ではなく、相談すればなんとかなるという考え方でもいいんだ、と思えるようになりました。子どもが生まれるとたしかに時間の制約は出てきますが、考え方次第で逆に心の余裕ができることを知ってもらえると嬉しいですね。

H.K:それは面白いですね。私は制度自体にはとても満足しているのですが、 FWP制度の利用者はほとんどが女性の印象なので、なぜ女性だけが使っているんだろうというのは純粋な疑問ですね。当然男性でお子さんがいる方も同じように多くいる中で、男性にも率先してこういった制度を使っていただくと、より制度利用者への理解も広がるのかなと思います。

ラッセル:確かに体験を通して制度への理解も変わっていくかもしれないですね。一方で法人全体としては実はパパの育休申請も増えてきています。男性からの認知と制度利用も広がってきています。

H.K:着実に変わってきているんですね。

ラッセル:そう思います。お二人は今後のご自身のキャリアについて、どのような考えをお持ちですか。

K.K:正直なところ子育てで忙しかった時は、なかなか自分のキャリアに向き合えていませんでした。前職では業務も忙しいし子どもに十分な愛情も注げないし、どちらも中途半端で綱渡りのような時期もあったと思います。ただ5年ほど前にデロイト トーマツに転職してきてからは、先ほど申し上げたような制度や環境にも助けられて、かなりバランスが取れるようになりました。途中でキャリアを抑えている時期があっても、継続する意思があれば次につながるという実感もあります。家庭と両立できる環境で、改めて自分のキャリアアップにも打ち込んでいくつもりです。

H.K:私はまだ子どもが小さいので、仕事を頑張ろうと思ったら家庭がおろそかになって、家庭に注力しようと思うと仕事がおろそかになるというジレンマをまさに感じているところでした。育休から復帰した後も、周りの方の頑張りに比べて私はやり切れていないんじゃないかと。ただ、先ほどのお話を聞いて、割り切って考えることも大切だということを学ばせていただきました。家庭も仕事も、無理をし過ぎずに自分なりのベストを尽くして対応していきたいと思います。

K.K:そうですね。私もこの前の繁忙期はなかなか家庭や自分の時間もとりにくい状況でしたが、一段落してからは週に3日は絶対に残業しないと決めて、ずっとほったらかしていた編み物に打ち込んでいます。娘には「いつになったら終わるの」と言われたのですが(笑)、家族との時間に加えて自分の時間も楽しんでいます。

ラッセル:貴重なお話を有難うございました。 最後に、これから私たちデロイト トーマツ税理士法人への応募を検討いただいている女性応募者の方々にメッセージをお願いできますでしょうか。

H.K:男女問わず人生にはさまざまなライフイベントが訪れますが、妊娠・出産は女性にしかできないことですよね。しかも精神的にも肉体的にも、ものすごく負荷が大きい。私もそうだったのですが、働き続けられるんだろうかと不安になることもあると思います。しかしデロイト トーマツでは個人の背景を考慮して会社や上長が業務量を考慮してくれて、復帰後も家庭と業務を両立させやすい制度も環境も風土もあります。とてもお勧めの環境です。

K.K:今はまだない制度でも、誰かが声をあげたら、例えばラッセルさんのような方が真摯に聞いてくれて、「じゃあこういう制度を作ってみよう」と前向きな変化を起こすこともできます。仕事がしたくて、子育てもしたくて、介護等の事情があっても、デロイト トーマツで頑張りたい!いう気持ちがありさえすれば受け止めてくれる、そういう会社だと思っています。ぜひハードルを感じずにご応募いただければ嬉しいです。

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