-女性活躍推進対談2-

働き方の制度やカルチャーにおいて、先を行くデロイト トーマツ。

バード ラッセル
― デロイト トーマツ税理士法人のBusiness HR Leader(人事責任者)として、働き方の基盤創りを通じて、多様な人財の活躍の支援を担当

K.S
― GES(Global Employer Services)部門 / マネジャー

Y.H
― TP(Transfer Pricing Services)部門 / マネジャー

※役職・内容はインタビュー当時のものになります

ラッセル:本日はどうぞよろしくお願いします。まずはお二人の所属部門についてご説明をお願いできますでしょうか。

Y.H:私は移転価格サービス部門(以下、「TP」)に所属しています。TPでは多国籍に展開されている企業を対象に、グループ内の取引価格に関係する様々な課題の相談に対応しています。クライアントは多国籍企業なので、アウトバウンドだけでなくインバウンド案件もあり、業務の内容も書類の作成から国同士の相互協議の対応まで非常に幅広いです。私自身は2007年にTPに入り、2011年から2013年頃まで他社で戦略コンサルタントを経験した後に復職して今に至っています。

K.S:私の所属はグローバルエンプロイヤーサービス(以下、「GES」)部門です。デロイト トーマツには2017年に中途入社してきました。GESもクライアントは多国籍企業になりますが、海外の支社等に国際間異動される職員の方に対する所得税周りのサービスやアドバイスがメイン業務です。

ラッセル:ありがとうございます。お二人ともマネジャーという立場ですが、女性としてキャリアとプライベートの両立ではどのような課題を感じていらっしゃいますか。

Y.H:今年小学校に入学した娘と夫と3人暮らしなのですが、やはり時間の制約は大きいですね。家事育児に時間を取られる分、出産前のような働き方はできないので、業務の効率化を徹底することが重要だと感じています。

K.S:私は夫と、13歳と9歳の子ども2人と暮らしています。特に大変なのは、夫の転勤や子どもの進学や受験といった行事がある時ですね。家庭と業務のバランスが崩れることもあり、臨機応変な対応に苦労していました。ただ、子どもも少し大きくなって彼ら自身で生活できるようになってきたので、今ではスケジュール共有のアプリを使って家族の予定を一元管理しています。突発的なトラブルはかなり減ったと思います。

ラッセル:なるほど、今は便利なツールが色々ありますからね。働き方に関する会社の制度も利用されていますか?

Y.H:そうですね。FWP制度(※1)を利用して勤務時間を前倒しして仕事をしたり、フレッシュブレイク制度(※2)を利用して業務の途中で少し抜けて、子どもを学童から習い事に送り届けたりしています。週末に習い事が集中してしまうと家族の時間がとりにくくなってしまうので、制度を利用して選択肢が広がったのは嬉しいですね。業務時間を調整して時差のある海外のチームとリアルタイムでやり取りをすることもできるので、こういった制度は仕事上でも役に立っています。また、在宅勤務を中心に仕事ができるので働く場所の自由度も高いです。特に私は夫の仕事の関係で栃木県に住んでおり、以前は新幹線で毎日通勤していたのですが、今は在宅勤務を中心に必要に応じて週に1~2日出社するという形にしています。子どもは田舎でのびのびと育ち、私は自己実現の機会をいただける。とてもありがたい環境ですね。

※1:FWP(フレキシブル・ワーキングプログラム)制度。育児や介護・その他個別事由を背景に、時短勤務やフレックスタイム等の働き方の調整ができる制度。
※2:業務中にプライベートの用事で業務を一時中断する場合に活用できる制度。

K.S:私も会社の制度はフル活用しています。入社時にアメリカから日本に引っ越してきたのですが、当初から個人的な状況を考慮していただいて、在宅で勤務させてもらいました。子どもがまだ小さかったのでフレックス勤務やシッター補助制度(※3)も利用しましたね。コロナが始まった時は子どもの授業も私の仕事も家でやっていたのでカオスな状況だったのですが、そのタイミングで補助制度も拡充されて、固定のベビーシッターさんにお手伝いしてもらうことでうまく調整することができました。その3つの制度は本当にありがたいなと思っています。また最近思ったのですが、子どもがいなくてもその人が大事にしているもの、例えばペットとか趣味とか、色々な状況に合わせて働きやすい環境や制度がより充実すれば良いかなと思いますね。

※3:一定の年齢までの子どもがいる場合にベビーシッターの利用料金を一部補助する制度

ラッセル:実はFWP制度も、子育てや介護以外にも個別事情に応じて利用できる制度になっています。ビジネスとのバランスが取れることが重要なので承認制ではありますが、それぞれ異なるバックグラウンドがある中で、一人一人の働き方に寄り添える制度になってきているんですよね。制度面でのフォローに加えて、組織の上長やチームメンバーからのサポートという観点ではいかがでしょうか。

Y.H:TPでは部門リーダーの澤田さんが“pay it forward”という言葉をよく使われています。日本語では恩返し、恩送りという意味ですが、自分が優しくしてもらったら他の人にも優しくしてあげよう、という考え方がチーム内でも浸透しています。私も何年か前までは子どもの発熱等でお休みを取る際に、メンバーに代わりに対応をお願いすることも多くありましたが、最近は子どもも落ち着いてきて比較的時間も確保できるようになってきたので、今度はこちらから、サポートが必要なメンバーの力になれるように努めています。育児以外にもお互いの体調面のケア等色々な状況がある中で、困ったことがあれば手を挙げて、余裕ができたら自分も周りに返していこうという、優しさが循環する文化が醸成されていると感じます。

K.S:私も周りの皆さんのサポートには感謝しています。一番印象深いのは、入社した時に当時の上司からかけてもらった言葉です。それまで育児に専念していたので、プロフェッショナルとしてはブランクがある状態でした。しかし「年齢や子どもが何人いるかは関係ない、少しお休みしていたというのも関係ない、あなたがやりたいことを見つけて活躍できる場がここにあるから」と言ってくださって、それが今でもずっと私の糧になっています。異なるフィールドから来た方でも、プロフェッショナルとしてやっていくんだという想いがあれば、それが合い言葉になって皆で助け合える、そういうカルチャーがある会社だと思っています。

ラッセル:自分だけをサポートするのではなくて、全体をどう見るか、支え合い、今できないことでも別のことで貢献できる。そういう考えが上長やチームメンバーの間でも根付いているのですね。

K.S:そう思います。私自身が気を付けているのは、新しいメンバーが入った際にはできるだけ対面でコミュニケーションを取ること。初めのうちは業務で不安になることも多いと思うので、普段の仕事の様子やクライアントへの電話や打ち合わせの様子など、臨場感を持って伝えられるようにしています。特に今はリモート以外の環境に慣れていない新入職員の方もいますから、先輩たちの仕事への向き合い方を肌で感じてもらう機会を増やしていきたいですね。

ラッセル:学びを持つ場面では臨場感がある状況が適していますよね。また先ほどプロフェッショナルという言葉も出ましたが、お二人はご自身のキャリアについてどのような考えをお持ちですか。

Y.H:今は子どもが小学校に上がりましたので、幼児のうちはやや仕事をセーブしていましたが徐々にアクセルを踏んでいきたいと思っています。この辺りは気軽に上長と考えを共有できる機会もあって、今はこれを頑張りたいとか、いつ頃を目標に昇格を目指したいとか、個人の思いや事情を聞いてもらえるのでありがたいですね。UP or OUTだけではない選択肢もあるというのは、働く女性にとって大きな安心感につながるのではないでしょうか。私自身は、これからは少しずつアクセルを踏んで仕事の量と質を高めていき、その結果として昇格が見えてくるといいなと思っています。

K.S:私も子どもが大きくなってきたので、今はプロフェッショナルとしてお客さんに頼りにされる“自分ならではの税理士像”を目指していくことが第一目標です。そのために経験を積んでいくことで、昇格もついてくるかもしれないとは思います。今までは夫の転勤のたびに事務所を転々としていましたが、今後、もし国内転居が必要であったとしても、キャリアが分断されることなく邁進できるのはとても嬉しいです。自分が目指したい税理士像、プロフェッショナル像を、この場所で安心して目指していこうと思っています。

ラッセル:ありがとうございます。最後に、私たちデロイト トーマツ税理士法人への応募を考えている女性の方々に対するメッセージをお願いできますでしょうか。

Y.H:男性女性関係なくですが、育児等でアクセルを弱めるタイミングがあってもそれを認めてくれる風土があります。プライベートの充実とプロフェッショナルとしてのキャリア。そのバランスをうまくとれる環境があり、長く活躍できるプロフェッショナルファームだと思うので、ぜひご応募いただきたいと思います。

K.S:私もプロフェッショナルファームや会計事務所を何社か経験していますが、その中でもデロイト トーマツは制度やカルチャーに関して何歩も先に行っていると感じます。またそれもここで終わりではなく、自分の意見やアイデアを基にさらに働き方を進化させられる土壌もあります。これからご入社いただける皆さまとも、ぜひ一緒に考えていくことができれば嬉しいです。

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