-男性育児休暇対談-

育児を手伝うという意識ではなくて、主体的な育児参加が大切。

福永 光子
― IDT(Indirect Tax)部門 / パートナー
※2024年現在、DEI & Personal Well-Being Leaderとして心身の健康、多様性の歓迎・尊重を育む環境にて個々が公平に活躍できるカルチャーの醸成を担当

M.M
― TP(Transfer Pricing Services)部門 / シニアマネジャー

H.W
― FC(Family Consulting)部門 / シニアアソシエイト

※役職・内容はインタビュー当時のものになります

※2021年実施のインタビューを記事にしています

福永:本日はどうぞよろしくお願いします。お二人の育児休暇を取得されたご経験について是非お聞かせください。

H.W:私の場合は2019年3月に子どもが生まれたのですが、6月に妻が腰を痛めて子どもの抱っこもできなくなってしまい、急遽、私が休みを取らないといけない状況になりました。そのとき上司に男性育休制度のことを教えていただき、周りの協力の元で3カ月の休みをいただけることになりました。大変有難かったですね。

M.M:私は妻が里帰り出産から戻るタイミングに合わせて、こちらでの生活を一緒に立ち上げるという目的で1カ月取得しました。業務的に育休取得は難しい印象を感じていましたが、妻や先輩たちから、育児は最初から関与していなくてはいけないと話も聞いていた中で、上司とも相談をして、制度を利用させてもらいました。

福永:お二人とも奥様のサポートを念頭に置かれていたのですね。私の場合は里帰り出産から戻ってきて、いきなり家で子どもと二人きりのような状況だったので、そのタイミングで夫婦一緒に子どもがいる生活スタイルを作り上げられるのはとても良いことだと思います。社内での反応や業務の引継ぎはどうされましたか。

M.M:私は 1カ月の育休期間だったので、誰かに業務を引き継ぐまでには至りませんでした。もちろん皆さんにはいろいろと調整をしていただいたので本当に感謝しています。所属するTP内の反応も本当にウェルカムで、男性の育休取得もあまり事例が多くない中で、若い男性たちが次に自分たちの番になった時に気持ち的にも取り易くなったという話を聞いたので、副次的な影響があり良かったのかなと思いますね。

H.W:私の場合は、緊急的な対応だったのですが、皆さんに状況を理解していただき、短い時間の中でクライアント訪問や簡単な引継ぎ資料を作成しました。ただ急な調整では不十分となってしまう部分もあったので、育休を取る場合は計画的な準備ができることが望ましいですね。

福永:それぞれ異なる状況のなかで対応されていらっしゃったのですね。育休期間はどのように過ごされていましたか。育休取得で何か得られたことはありますか。

H.W:子どもが生まれた直後は里帰りしていたということもあり、私にとってはここからが育児のスタートでした。おむつを替えるところから、ミルク、散歩、寝かしつけと何でもやって、本当に大変だなという実感です。3カ月の育休は長い期間だと思いますが、あっという間に終わったという印象でした。

M.M:私も同じですね。特に赤ちゃんと呼ばれる小さい時は貴重な時期だと思うので、24時間一緒にいられたことは、本当にかけがえのない時間で、これからの自分のワークライフを考える中で、大きな要素のひとつになるかなと感じました。

福永:なるほど。逆に育休を取得してデメリットと感じたことはありましたか。

M.M:私の場合は、短い期間だったので仕事周りではデメリットは感じなかったです。強いて言えば、思った以上に育児の大変さがわかって、これがデメリットかどうかというのはさておき、非常に貴重な経験をさせてもらった中で、仕事をやることの意味とか、育児に対する本当のしんどさを理解できたのは良かったと思っています。

H.W:私の場合は、仕事面で引継ぎの時間が短かくなってしまったことと、資金計画を十分に考えずに育休に入ってしまったので、育休が長く続くようになってしまう場合は育児休業給付金だけで生活が大丈夫かな、という不安もありました。

福永:確かに生活面も含めて不安もありますね。仕事復帰後のワークライフバランスに変化はありましたか。特にお子さんが小さいとバランスのとり方が難しいかと思いますが。

H.W:まずは子どもの時間に合わせての起床になりました。あと、仕事の考え方も、家族を最優先にすることを第一に考えるようになり、責任感が大きくなったかと思います。それと、実は、育休から復帰した後も妻の体調が良くなくて、これからどうしようかと悩んでいた時期がありました。そのときに、上司に相談したところ、FWP制度(※1)に在宅勤務+フレックスタイムという新たなプランを作っていただきまして、その制度を活用して、うまく家庭と業務を調整することができました。

※1:FWP(フレキシブル・ワーキングプログラム)制度。育児や介護・その他個別事由を背景に、時短勤務やフレックスタイム等の働き方の調整ができる制度。

福永:その時のご経験がきっかけとなって、これまでなかった働き方のプランが作られたのですね!

H.W:はい。当時の上司であったパートナーを中心に働きかけていただいて、幾度の調整の上、複数の要件を設定することで新たな制度を認めていただきました。

福永:それは素晴らしいですね。

M.M:働き方としては在宅勤務が可能であることはとてもいいですよね。今は通勤に往復4時間かかる場所に住んでいるので、在宅勤務がなければ、子どもが起きる前に出て、子どもが寝た後に帰宅する生活に毎日なっていたかと思うと、ワークライフバランスという意味でも良い環境かと思います。また、例えば、夕方6時に一旦仕事を切り上げて子どもをお風呂に入れて、その後、必要に応じて子どもが寝た後に仕事をするといった働き方が許容されていることも、非常にバランスがとりやすい環境かと思います。

福永:お二人とも、育休を取得された後も、うまく制度を活用されながらバランスをとられているのですね。自分の話になるのですが、私の頃は“男性育休”という概念すらありませんでしたが、制度だけでなく皆さんの意識の面でも変わってきているのを感じます。男性が育休を取ることは、奥様のご負担の調和のみならず、ご自身にとっても貴重な体験になると思います。これから育休の取得を考えている方へのメッセージはありますか。

H.W:育休を取得する時は、まず育児を手伝うという意識ではなくて、主体的な育児参加が大切ですね。私も反省を踏まえてですが、育児のために休みを貰っているので、育休期間中の本業は“育児”だと考えることが大事だと思います。仕事面では、チーム内での情報共有や必要な資料の用意等、引継ぎ作業をスムーズにするための準備をしておくことと、配員調整は時間がかかると思うので、早めに事前連絡をしておくことは大事だと思います。また育休期間を想定して資金計画を立てることも大切ですね。

M.M:色々お話をいただきましたが、事前にメンバーに周知さえしていれば、仲間の理解を得ながら積極的に取っていただければと思っています。一生に何回経験できるかわからない大切な時間なので、二の足を踏んでしまっている場合でも、ぜひ一歩踏み出してみてください。

福永:ありがとうございます。最後に、男性だけでなく、仕事と育児を両立されている女性の皆さんへ応援や何かメッセージがあればお願いします。

H.W:私のように家庭の事情がある方もいらっしゃるかと思いますが、FWP制度やシッター費用補助制度(※2)等、デロイト トーマツは働き方の制度が充実していて、気軽に上司に相談できる環境があるかと思います。私も本当にそれで助けられました。ぜひ積極的に制度を活用していただきたいと思います。

※2:一定の年齢までの子どもがいる場合にベビーシッターの利用料金を一部補助する制度

M.M:私は1カ月という短い期間ではありましたが、心の底から育児の大変さがわかり、働きながら子育てをしているお母さん・お父さんって本当にすごいなと感じました。業務面で一定の制約があるかもしれませんが、それを制約と思わず、チームメンバーみんなでサポートしていけるような体制が当然として受け入れられる環境が大切なのだと思います。引け目を感じさせずに、チームメンバーみんなでやっていく気持ちを持つことが大切だと思います。

福永:お二人ともありがとうございます。デロイト トーマツの充実した制度を上手く利用して、育児そのものを夫婦で楽しむという環境が作ることができれば素晴らしいですね。是非、小さいお子さんを抱えていらっしゃる方やこれからお子さんを迎えられる方のみならず、デロイト トーマツで働くということ、また、その中での人生設計という視点で、お二人のお話が女性・男性を問わずにご参考になれば嬉しいです。

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