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【保険ERM】自然災害と気候変動

(2017.11)

自然災害は、古来より、天災(Act of God)と呼ばれ、不可抗力の代名詞として恐れられてきました。中期的な観点から、ERMに影響を及ぼすと考えられる気候変動と自然災害についての最近の動きを追ってみました。

保険と自然災害、気候変動の影響

日本でも毎年様々な災害が発生しているが、2017年8月に発生し、9月に北米大陸を北上し、大きな被害をもたらしたハリケーン「イルマ(Hurricane Irma)」は、保険金支払いなどで(2005年の)カトリーナを超え13兆円台と米史上最大になるとの予想も出されている。

保険会社は、自然災害によって、巨大な集積損害を被ることから、保有リスクを分散するため、再保険を利用してきた。デロイトの再保険にかかわる調査において、再保険購入の戦略的理由について、損害保険では、1位に、生命保険においても6位にランクされている。(2017.8.「資本管理手段としての再保険」参照)

1992年のハリケーン アンドリュー(Hurricane Andrew)による損害がきっかけとなり、再保険キャパシティ不足が生じ資本市場からのキャパシティを確保するといった取り組みが試みられた。現在、大災害債券(CATボンド)などの投資家への販売によって、約780億ドルの残高があるとされている。(2016.7.「保険ERMに関するリスク移転の多様性」参照)

最近一昔前ではあまり見られなかった極端な気象現象(「異常気象」)が増加傾向にあるといわれている。個別の自然災害について気候変動との直接の因果関係は確認されてはいない。統計的有意性を示すまでには、さらにデータの蓄積が必要であると考えられるが、特定の地域で豪雨や雹の発生頻度が増加していることを、気候変動の影響の可能性として指摘する専門家もいる。その関係性が意識されているのは事実である。

地球環境が変化する中、環境に関連する様々なリスクに対する関心はさらに高まるものと考える。環境リスクはこれまでも保険会社にとって挑戦の対象であった。社会的負担システムの一つである保険の意義と機能に対する理解、保険の仕組みに乗せるためのリスク管理の高度化の必要性は、今後の重要なテーマとなっていくものと考える。(「静岡大学での講義」参照)
 

「自然災害と気候変動」について詳しくは、PDFをご覧ください。

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