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米国におけるゲーミング(カジノ)トレンド等~統合型リゾート関連記事

統合型リゾート(IR、Integrated Resort) 

Deloitteでは、ゲーミング(カジノ)に係るトレンド等のリサーチを定期的に実施しています。本稿では、そのリサーチ結果のうち、ラスベガスをはじめとするゲーミング先進国である米国のトレンドの概要についてご紹介します。リサーチの詳細内容をご希望の方は、下記、当法人IR(統合型リゾート)ビジネスグループまでお問い合わせください。

米国のゲーミング(カジノ)産業のトレンド 概要版

I. ゲーミング(カジノ)収益

1. 主要カジノオペレータ

米国の主要カジノオペレータ7社とそのカジノ施設数、および米国におけるゲーミング収益シェアの比較です。主要カジノオペレータ7社だけで、米国ゲーミング収益の半分近いシェアを占めています。

  カジノ施設数  ゲーミング(カジノ)収益シェア 
Caesars Entertainment 28  14% 
MGM Resorts  14  9% 
Las Vegas Sands  2% 
Wynn Resorts  2% 
Penn National Gaming  27  6% 
Pinnacle Entertainment  14  5% 
Boyd Gaming  21  5% 
合計  109  43% 

※2017年12月、Penn National GamingがPinnacle Entertainmentの買収を発表。2018年後半に完了予定。

出所:各社アニュアルレポート等の公表情報よりデロイトトーマツ作成

 

2. ゲーミング(カジノ)収益

米国市場全体で4兆円ものゲーミング収益がありますが、新市場(下記、New Markets:フロリダ、カンザス、メイン、メリーランド、オハイオ、オクラホマ、ペンシルベニア)を除いた既存市場(下記、Legacy Markets)だけを見ると収益の伸びは鈍化しています。 

<米国ゲーミング(カジノ)収益>

米国ゲーミング収益
出所:UNLV Center for Gaming Researchの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

3. ゲーミング(カジノ)収益比率

ネバダ州では、ホテル等客室(下記、Rooms)や飲食等、ノンゲーミング部門の収益が伸びており、ゲーミング収益の比率は低下傾向にあります。

<ネバダ州部門別収益比率推移>

ネバダ州部門別収益比率推移
出所:UNLV Center for Gaming Researchの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

4. ゲーミング(カジノ)種別収益

ネバダ州におけるテーブルゲームとスロットゲームの収益比率の推移を見ると、スロットゲーム収益が伸び、テーブルゲーム収益の約2倍にもなっています。

<テーブルゲーム(下記、Game Rev)とスロットゲーム(下記、Slot Rev)収益比較>

テーブルゲームとスロットゲーム収益比較
出所:UNLV Center for Gaming Researchの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

なお、ネバダ州のテーブルゲームについて、ゲーム種別構成に変化が見られています。ブラックジャックのシェアが減少し、代わりにその他(下記、Others)としてポーカー等のゲームが増加傾向にあります。

<テーブルゲームユニットのシェア>

テーブルゲームユニットのシェア
出所:UNLV Center for Gaming Researchの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

また、スロットゲームのトレンドとして、2016年から2017年にかけて、プレイヤーのテクニック次第で勝利機会が増えるスキルベースのスロットマシンの新規導入が見られます。

以下アンケート調査によると、スロットゲームを現在プレイしていないという回答者の約40%が、スキルの要素が加わればプレイをすると回答しています。また、コンピュータゲーム(下記、Video Games)をプレイしている回答者の方が、そうでない回答者よりも多くスキルベースのゲームを好む傾向にあることがうかがえます。

出所:米国ストックトン大学の調査レポートの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

II. 客層と消費行動

1. 来訪客の年齢層

ラスベガスの来訪客年齢層推移を見てみると、平均年齢が最も高かった2008年では若年層(21歳~39歳)が25%程度だったのに対し、2016年は同若年層が約45%を占め、平均年齢は低下傾向にあります。

<ラスベガスの来訪客年齢層推移>

ラスベガスの来訪客年齢層推移
出所:LVCVAデータの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

2. 来訪客世代別消費行動

来訪客の世代別により消費行動に違いが見られます。若年層の多いミレニアル世代については、他の世代と比べてゲーミング消費が低く、宿泊や飲食、エンターテイメントに対する消費が高い傾向にあります。

<来訪客世代別平均消費率(2016年)>

来訪客世代別平均消費率(2016年)
出所:LVCVAデータの公表情報等よりデロイトトーマツ作成(画像クリックで拡大します)

III. まとめ

ゲーミング先進国である米国においては、4兆円ものゲーミング収益がありますが、客層の若年化により、飲食や宿泊施設、エンターテイメント等のノンゲーミング部門の消費が伸び、ゲーミング収益の比率は低下傾向にあり、その構造は大きく変わりつつあります。

米国ストックトン大学の調査レポートによると、ミレニアル世代と呼ばれる若年層は、よりスキルが反映されるゲームを好む傾向にあると考えられており、スロットゲームやテーブルゲームの内容もそのニーズに合わせたものが導入されて来ています。

また近年では、オンラインカジノやスマートフォンの普及によるモバイルスポーツ賭博などが世界中で運営されていますが、最近では、高額賞金を懸けたeSports(複数のプレイヤーで対戦されるコンピュータゲームをスポーツ・競技として捉える際の名称)の大会をカジノオペレータが主催し、eSports専用アリーナの開設も計画するなど、コンピュータゲームを好む多くのミレニアル世代を呼び込む施策が実施されています。 

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IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

 

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