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MICEの効果とは~自治体の取り組みを調査【統合型リゾート関連記事】

統合型リゾート(IR:Integrated Resort)

観光庁によると、MICEの主要な効果は、ビジネス・イノベーションの機会の創造、地域への経済効果、国・都市の競争力向上であると考えられます。特に観光庁は、地域への経済効果について、MICEは会議開催、宿泊、飲食、観光等の経済・消費活動の裾野が広く、また滞在期間が比較的長いため、一般的な観光客以上に、周辺地域への経済効果を生み出すとしています。本稿では、MICEに係る自治体の取り組みについてご紹介します。

MICEに係る自治体の取り組み

I. はじめに 

観光庁によると、MICE(※)の主要な効果は、ビジネス・イノベーションの機会の創造、地域への経済効果、国・都市の競争力向上であると考えられます。特に観光庁は、地域への経済効果について、MICEは会議開催、宿泊、飲食、観光(いわゆる、アフターコンベンション)等の経済・消費活動の裾野が広く、また滞在期間が比較的長いため、一般的な観光客以上に、周辺地域への経済効果を生み出すとしています。

海外の統合型リゾート(以降、「IR」)では、複合施設に会議場や展示施設等のMICEに関連する施設が併設される事例が多く見られます。 日本においても、『特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律』にて、特定複合観光施設を「カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設」と定めており、日本のIRでは会議施設、展示施設等のMICE施設をIRに含めることが必要になると考えられています。

(※)MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行、Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention/Conference)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。

 

II. 「グローバルMICE都市」

観光庁は、海外競合国・都市との誘致競争に打ち勝ち日本のMICE誘致競争を牽引することができる都市を育成するため、2013年以降、公募により「グローバルMICE都市」及び「グローバルMICE強化都市」を選定し、外国人専門家によるコンサルティング、海外MICE専門誌の記者招請等による広告宣伝、セミナーの開催、市場/競合都市の調査分析支援、ステークホルダーとの連携支援、マーケティング戦略の高度化支援などを行ってきました。

2018年1月現在、「グローバルMICE都市」及び「グローバルMICE強化都市」の呼称は統一され、「グローバルMICE都市」として札幌市、仙台市、東京都、横浜市、千葉県千葉市、愛知県名古屋市、京都市、大阪府大阪市、神戸市、広島市、北九州市及び福岡市の12自治体が選定されています。そして、観光庁が「グローバルMICE都市・都市力強化対策本部」を設置し、各都市のMICEの誘致・開催の競争力向上を図っています。

 

III. 各自治体の取り組み

2018年1月現在、「グローバルMICE都市」ではMICE振興に係る取り組みを実施しています。(図表参照)

図表:『グローバルMICE都市』の取り組み

『グローバルMICE都市』の取り組み
出典:観光庁、各自治体及びコンベンションビューローの公開情報よりデロイト トーマツIRビジネスグループが作成(クリックで拡大します)

また、「グローバルMICE都市」以外の自治体においても、MICE振興に係る取り組みが行われています。

例えば、長崎県では、JR長崎駅西側を事業計画地とした「(仮称)長崎市交流拠点施設整備・運営事業」を進めており、2021年11月の供用開始に向けて、民間事業者と交渉・協議を行っています。沖縄県では、MICEを誘致するためのプロモーションやMICE開催支援を実施しているほか、与那原町と西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区を事業計画地とした「マリンタウンMICEエリアまちづくりビジョン」を策定し、大型MICE施設の受入環境整備を進めています。

 

IV. MICEの効果

日本政府観光局(JNTO)によると、MICEの誘致・開催には、経済効果、地域の国際化、地域の広報等のさまざまな複合的な効果があり、地域の発展に寄与するといわれていることから、自治体が積極的にMICEの誘致・開催を推進することで、民間事業者において新たな事業機会が創出されることが期待されます。 

また、施設構成の性質上、稼働率の高い時期が休日に偏る傾向があるIRにおいては、MICE施設を併設することで稼働率の低い平日にビジネス客を取り込むことができ、IRの稼働率を平準化する効果が期待されます。

本記事に関して、より詳細な内容や関連資料等をご要望の場合は以下までお問い合わせください。
IR(統合型リゾート)ビジネスグループでは、Deloitteのグローバルネットワークを活用し、海外事例等を踏まえたIRビジネスに関連する幅広い調査・分析を行っています。


IR(統合型リゾート)ビジネスグループ

info-irbg@tohmatsu.co.jp

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

>>IRビジネスグループの紹介<<

IR(統合型リゾート)ビジネスグループの最新活動

下記IR(統合型リゾート、Integrated Resort)についての海外事例のナレッジを提供している、IRビジネスグループの最新の活動をご紹介いたします。

 

【IRビジネスグループの最新活動】

>新規コンテンツ「IR事業におけるファイナンス」追加
日本におけるカジノ事業を含む統合型リゾート(IR: Integrated Resort)の開発に関する投資資金の調達手段について、海外の事例を交えながら解説 

>新規コンテンツ「IR事業におけるMOU締結・JV組成とガバナンス」追加
IR事業におけるコンソーシアム形成とJV組成に関するガバナンスのあり方を解説 

>長崎県・佐世保市IR推進協議会主催「IRって何だろう? ~知ろう!考えよう!特定観光複合施設(IR)セミナー」への登壇
有限責任監査法人トーマツ パートナー、IR(Integrated Resort)ビジネスグループ リーダーである仁木一彦が、長崎県・佐世保市IR推進協議会主催「IRって何だろう? ~知ろう!考えよう!特定観光複合施設(IR)セミナー」に講師として参加

>新規コンテンツ「ギャンブル依存症対策に関する米国ネバダ州における取組み等~統合型リゾート関連記事」追加
IR米国で最大のカジノの市場規模を有するネバダ州において実施されているギャンブル依存症への取組みの一例について説明 

>経済産業省「平成29年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(国際博覧会の開催を契機とした持続可能なシステムの構築に向けた課題整理等の調査)」
一般競争入札の結果、経済産業省より受託 

>長崎県・佐世保市IR(統合型リゾート)推進協議会「IR基本構想策定等に係る支援業務」
長崎県・佐世保市IR(統合型リゾート)推進協議会「IR基本構想策定等に係る支援業務」を受託

>和歌山県におけるIR(統合型リゾート)基本構想策定のアドバイザリー業務委託
和歌山県におけるIR基本構想策定のアドバイザリー業務委託を受託

>大阪IR(統合型リゾート)基本構想(案)策定支援等業務
大阪IR基本構想(案)策定支援等業務を受託

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