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ネバダ州のゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制当局の概要
統合型リゾート(IR:Integrated Resort)
本稿では、統合型リゾート(IR:Integrated Resort)ビジネスの理解を深めていただくため、ゲーミング(カジノ)市場の中でも、特に長い歴史を持つ米国ネバダ州のゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制当局の概要についてご説明いたします。
Ⅰ. はじめに
ネバダ州では、1931年にゲーミング(カジノ)が合法化されてから、ゲーミング(カジノ)産業を主産業としており、ネバダ州議会は、経済及び州民の福利向上のため、州の政策としてゲーミング(カジノ)産業を重視していくことを明示しています。ネバダ州法(Nevada Revised Statutes)では、ゲーミング(カジノ)産業の継続的成長のために社会的信頼が不可欠であるとしており、ゲーミング(カジノ)産業の透明性を維持するため、ゲーミング(カジノ)に係る法規制を整備し、規制当局による監視・管理の下、その運営を行っています。
長い歴史を持つネバダ州のゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制当局は、日本における法規制の整備や規制当局の設置に際して参考にされることが想定されます。
Ⅱ. ネバダ州のゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制機関の概要
ネバダ州では、ネバダ州法とゲーミング規則(Regulations of the Nevada Gaming Commission and State Gaming Control Board)において、カジノに係る諸規制を規定しています。ネバダ州法は州政府、ゲーミング規則はゲーミング委員会(Gaming Commission)によって制定されています。ネバダ州法では、ゲーミング(カジノ)産業全般について規定しており、カジノ事業に関わる民間事業者のライセンス取得や保持、カジノ関連税、カジノ関連不正のほか、競馬や宝くじについても規定しています。ゲーミング規則は、ネバダ州法に規定されている項目をより具体的に規定しており、ゲーミング(カジノ)事業の実施における実際の手続きや運用方法について規定しています。
ネバダ州には、ゲーミングポリシー委員会(Gaming Policy Committee)、ゲーミング委員会、ゲーミングコントロールボード(Gaming Control Board)があり、連携してゲーミング(カジノ)産業の監督・監視を行っています。ゲーミングポリシー委員会は、ネバダ州知事・ゲーミング委員会・ゲーミングコントロールボードの諮問機関として役割を担い、ゲーミング委員会は、ネバダ州法の施行、ゲーミング規則の制定及びライセンス付与に係る最終承認等を行い、ゲーミングコントロールボードは、ネバダ州法およびゲーミング規則の施行、ライセンス付与に係る調査等を実施しています(図表1参照)。
ネバダ州では、カジノ事業に携わる法人・個人はライセンスの取得が義務付けられており、主にカジノ運営者、ゲーミング機器の製造事業者・販売事業者がライセンス取得の対象となっています。ライセンスには無制限ライセンスと制限ありライセンスの2種類があり、カジノ施設の規模に応じて、ライセンス種別が決定されます。ゲーミング委員会およびゲーミングコントロールボードは、申請書類をもとに厳格な調査・審査を実施し、ライセンス付与の最終判断を行います。
ネバダ州では、カジノ運営者に対してカジノ税が課税されます。カジノの売上高に対して毎月一定の税率で課税がされるほか、ゲームの種類やスロットマシンの台数に応じて、年間および四半期毎でライセンス料が徴収されます。
※図表につきましてはPDFをご確認ください
IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは
IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。
また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。
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