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万博の開催とIR誘致の課題

統合型リゾート(IR、Integrated Resort)

2025年の国際博覧会が大阪・夢洲(ゆめしま)に決定し、夢洲はIR(統合型リゾート、Integrated Resort、以下「IR」とする)誘致の候補地としても想定されています。本稿では、大阪万博の開催とIR誘致に向けた課題と、これに関連してIR事業への参入を検討している企業が留意すべき点に関して解説します。

夢洲まちづくり構想の中でIRの立地と万博の開催が想定されている

2018年11月のBIE総会(博覧会国際事務局)にて、2025年の国際博覧会の開催地が大阪・夢洲に決定しました。大阪万博の候補地である夢洲は、夢洲まちづくり構想検討会(大阪府・大阪市)が2017年8月に公表した「夢洲まちづくり構想」において、IR誘致の候補地としても想定されています。しかしながら夢洲の現状は、一部埋め立て未完了の状態にあり、万博とIRの候補地として利用可能にするためには、引き続き埋め立てを進めていくことが必要です。交通アクセスの手段の整備の必要性等の他にも万博とIRには共通する様々な課題が存在しています。

 

万博の開催とIR誘致には様々な効果と課題が想定される

経済産業省が公表する「2025年国際博覧会検討会報告書」(2017年4月)においても、今後必要な検討課題として「夢洲まちづくり構想」における会場計画および関連基盤整備計画、輸送計画等の具体化について触れています。万博の開催には経済効果が期待される一方で、開催に向けては様々な課題が想定されます。課題の例示は以下の表のとおりです。

<万博の開催とIR誘致に向けて想定される課題の例>

課題 内容
交通アクセス
  • 地下鉄およびJRの延伸による輸送手段の確保
  • 大阪市内主要駅等からの輸送のためのシャトルバスの確保
災害対策
  • 地震による津波被害等への対策
  • 台風による浸水被害等への対策
パンデミック
  • 疫病等(例:新型コロナウイルス)の流行によるイベント実施方法等の検討
  • 疫病拡散抑止のための各種施策の検討
情報テクノロジー
  • Wi-Fi環境の整備、インターネット等の情報基盤の整備
  • インターネット等に対応した予約サービスの提供(電子チケット等)
  • 混雑緩和のための駐車場予約システムの導入
宿泊
  • 訪日外国人の増加による宿泊施設の不足
  • 特定の宿泊施設への集中による宿泊施設の不足
その他
  • 早朝や深夜の開場時間延長や、24時間開催への対応
  • 万博開催のテーマである持続可能な社会への対応(SDGs)の具体化

(出所)各種公表資料に基づきデロイトトーマツにて作成

 

IR事業者はRFP(事業者提案)の中で貢献方法の具体的な記載が求められる

諸外国で実施されたIR事業者選定の例を参考にするとRFPを実施する際、自治体が重視する地域課題への貢献にも一定の配点がなされ、加点方式にて評価されています。日本で実施されるRFPにおいてもIR事業者選定の条件として地域課題への貢献方法の記載が求められることが想定されます。例えば、大阪の場合、地下鉄延伸のためにIR事業者に対し金銭的な負担を求めることや万博開催との連携方法について、RFPへの回答が求められる可能性があります。

今後、IR事業への参入を検討している企業においては、自治体が実施する事業者選定のためのRFP(事業者提案)において、自治体が重視する地域課題への貢献を念頭に対策を検討し、RFPへの回答準備をしておくことが望ましいと考えます。

 

デロイト トーマツ グループでは、RFP対応にあたり以下のアドバイザリーサービスを提供

  • 海外の公募要項、提案書等の調査
  • 想定されるRFPの評価項目への対応準備
  • RFP回答ドラフト作成サポート
  • 自治体との対話、協議等の対応助言

 等

本稿に関して、より詳細な内容や関連資料等をご要望の場合は以下までお問い合わせください。
IR(統合型リゾート)ビジネスグループでは、Deloitteのグローバルネットワークを活用し、海外事例等を踏まえたIRビジネスに関連する幅広い調査・分析を行っています。


IR(統合型リゾート)ビジネスグループ

info-irbg@tohmatsu.co.jp

 

 

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

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