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IR事業におけるクライシスマネジメント

RFP及び区域整備計画の作成における感染症や地震等に対するクライシスマネジメントの必要性と進め方

日本経済のみならず、海外のIR(カジノ)施設に甚大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症の影響等により、「クライシスマネジメント」についてはRFP及び区域整備計画の作成において特に重要な検討ポイントの一つとなることが想定されます。

本稿ではIR事業におけるクライシスマネジメントの必要性とRFPにおける検討の進め方等を解説します。

諸外国の多くのIR施設が新型コロナウイルス感染症の影響でIR施設の縮小や閉鎖を余儀なくされています

新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るっており、イベント業、ホテル業、飲食業、観光業等へ大きな影響を与えています。

IR施設は、カジノ施設のみならず、イベントを開催するMICE施設やホテル等の閉鎖的なハード施設を数多く有する施設であることから、このような感染症が発生した場合には、直接的に甚大な影響を受ける可能性が高い産業の一つです。

以下は、諸外国(及び代表的な施設)における新型コロナウイルス感染症による対応状況です。

国/地域 状況

米国

アメリカゲーミング協会(AGA)は、2020/3/25に、新型肺炎の対策として、米国の商業カジノ施設の全て営業を停止したと発表

シンガポール

シンガポールの代表的なIR施設であるマリーナベイサンズは、2020/4/7~6/1の約2か月、施設オペレーションを全面停止すると発表

マカオ

マカオ当局は、2020/2/5から2/19までの15日間、マカオ内の全カジノ施設の営業中止を発表

出所:The American Gaming Associationホームページ(2020年3月25日)、マリーナベイサンズ公式SNSサイト(2020年4月3日)、マカオ政府の公式発表(2020年2月4日)

IR事業においては、感染症のみならず地震等の災害に対するクライシスマネジメントも必要となります

上記の通り、感染症系のクライシスが発生した場合にIR施設の営業活動に甚大な影響を与えるため、事前にその影響を最小化するためのリスク対策を講じることが必要です。

また、感染症のみならず、地震や津波等の日本特有のクライシスについては、諸外国のIR施設ではその発生頻度が低いことから十分な対策が講じられていないと考えられる一方、日本でのリスク発現の可能性の観点からは、十分な検討が必要です。

その他、企業のレピュテーションに重大な影響を与える可能性の高い事故、事件、不祥事等についても事前の検討を行うことで、事前にクライシスに対する十分なリスク対策を講じることが重要となります。

<企業が直面するクライシスの例示>

種類 リスクの例示

自然災害

地震、風水害、異常気象、伝染病など

事故

火災・爆発、設備事故など

事件

対企業犯罪(脅迫・嫌がらせ、盗難など)、風評被害など

不祥事

企業内トラブル(役職員の事故・犯罪、ハラスメントなど)、製造物責任、情報漏えいなど

出所)『リスクマネジメントのプロセスと実務』(第一法規)

 

デロイト トーマツはIR事業におけるクライシスマネジメントの取り組みを支援します

今後実施されるRFPにおいては、クライシスマネジメント(リスクマネジメント)については、重要な検討項目の一つとなると考えられます。

特に、クライシスマネジメントについては、以下のようなアプローチに基づいた提案と実行が求められます。

Step1:リスク識別

地震や感染症等の過去のクライシス事例等を踏まえたリスクの網羅的な洗出し

Step2:リスク分類

抽出したリスクを整理、一覧化

Step3:リスク評価

被害範囲や被害規模を予測することで、重要リスクを特定

Step4:リスク対策

国内外の事例等を参考に、一次被害及び二次被害への対応策を検討し、BCP(事業継続計画)の観点から、組織への被害を最小限とするための行動指針を決定

  • 体制、役割等の指揮命令系統の構築
  • クライシス発生時の対策マニュアル策定 等

Step5:維持・改善

社会情勢や過去のクライシス発生時の教訓に基づくリスク再評価、是正・見直し

 

デロイト トーマツでは、Deloitteの海外ネットワークにより、海外のクライシスマネジメントに関する取り組みや成功事例およびその要因等の知見を数多く有しています。

また、日本国内においても、IR事業に精通した専門家が多数のプロジェクト支援をしてきた実績等を背景に、国内外のベストプラクティスを提供可能です。

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