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マネーロンダリング防止の取組み

統合型リゾート(IR:Integrated Resort)

本稿では、統合型リゾート(IR:Integrated Resort)の設置に際し、社会的関心事として懸念されているマネーロンダリングを防止するための規定の概要ならびにカジノ法案について解説します。

Ⅰ. はじめに 日本でもマネーロンダリングは社会的関心事に

日本においても、マネーロンダリングは社会的関心事として懸念されており、既存の FATF(Financial Action Task Force、金融行動タ スクフォース)勧告に基づく制度の中にゲーミング(カジノ)施設を追加することで、ゲーミング(カジノ)におけるマネーロンダリングを防止することが検討されています。 IR推進法案から引用してご紹介します。

「特定複合観光施設区域整備法案(仮称)~IR 実施法案~に関する基本的な考え方(案)」(2013 年11 月12 日国際観光産業振興議員連盟(IR 議連)公表)より引用

    ・マネーロンダリング(資金洗浄)を防止する。
    カジノ施設は諸外国では国際機関であるFATF 勧告に基づき、擬似金融機関と位置付けられており、一定金額以上の賭け金行動をする個人の本人確認、疑わしい行為等の規制当局に対する報告義務等マネーロンダリングを防止する枠組みが法定されている。わが国もFATF 勧告に基づく制度が存在し、カジノ施設をこの中に追加することにより、先進諸外国と同等の規制によりマネーロンダリングを防止することとする。

 

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Ⅱ. FATF 勧告とは

FATF(Financial Action Task Force)勧告は、1989年に設置されたアンチ・マネーロンダリング(AML)等に関する国際協調を推進する金融活動作業部会が策定した国際基準で、マネーロンダリングを防止する基本的な枠組みとして知られています。各国の金融当局は、この FATF勧告に基づいてマネーロンダリグ対策を行っています。

FATF勧告の構造は「40の勧告」と「9の特別勧告」に分けられ、カジノ事業者は「40の勧告」において「指定非金融業者及び職専門家」とされています。また、「40の勧告」では、カジノ事業・運営に係る項目ついても規定しています。

【参考】「40 の勧告」より、カジノ事業・運営に係る項目

No.22

(前略) 顧客管理義務及び記録保存義務は、以下の状況において、指定非金融業者及び職業専門家(DNFBPs)に適用される。 (a) カジノ:顧客が一定の基準額以上の金融取引に従事する場合

(後略)

No.28

(前略) 指定非金融業者及び職業専門家は、以下に定める規制措置及び監督措置の対象となるべきである。 (a) カジノは、必要な資金洗浄・テロ資金供与対策を効果的に実施していることを確保するための包括的な規制制度及び監督 体制の対象となるべきである。少なくとも、 n カジノは免許制とすべきである n 権限ある当局は、犯罪者又はその関係者が、カジノの所有者又は受益所有者にならないよう、カジノの重要な又は支配的 な資本持分を所有し、カジノの経営機能を所有することのないように、またカジノの運営者とならないように、必要な法律上 又は規制上の措置を講ずるべきである。 n 権限ある当局は、カジノが資金洗浄・テロ資金供与対策の義務を遵守するために効果的に監督されることを確保すべきで ある。

(後略)

 

※出典:財務省 「FATF勧告(仮訳)」よりトーマツグループ IRビジネスグループが作成

Ⅲ. ネバダ州のマーロンリグ防止制度

ゲーミング(カジノ)産業が盛んなネバダ州では、ネバダ州法上にも関連規制はあるのものの、主邦従ったAML対策を講じています。連邦法の中心となるのは、財務省が1970年に施行した銀行秘密法(The Currency and Foreign Transactions Reporting Act of 1970、通称Bank Secrecy Act(1970))で、財務省管轄下の金融犯罪捜査網( FinCEN; Financial Crimes Enforcement Network)が主体となって対策を行います。

1.ネバダ州のゲーミング(カジノ)法規制について

ネバダ州では、1931 年にゲーミング(カジノ)が合法化されてから、ゲーミング(カジノ)産業を主産業としており、ネバダ州議会は、経済及び州民の福利向上のため、州の政策としてゲーミング(カジノ)産業を重視していくことを明示しています。ネバダ州法(Nevada Revised   Statutes)では、ゲーミング(カジノ)産業の継続的成長のために社会的信頼が不可欠であるとしており、ゲーミング(カジノ)産業の透明性を維持するため、ゲーミング(カジノ)に係る法規制を整備し、規制当局による監視・管理の下、その運営を行っています。

長い歴史を持つネバダ州のゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制当局は、日本における法規制の整備や規制当局の設置に際して参考にされることが想定されます。

2. ネバダ州のゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制機関の概要 

ネバダ州では、ネバダ州法とゲーミング規則(Regulations of the Nevada Gaming Commission and State Gaming Control Board)において、カジノに係る諸規制を規定しています。ネバダ州法は州政府、ゲーミング規則はゲーミング委員会(Gaming Commission)によって制定されています。ネバダ州法では、ゲーミング(カジノ)産業全般について規定しており、カジノ事業に関わる民間事業者のライセンス取得や保持、カジノ関連税、カジノ関連不正のほか、競馬や宝くじについても規定しています。ゲーミング規則は、ネバダ州法に規定されている項目をより具体的に規定しており、ゲーミング(カジノ)事業の実施における実際の手続きや運用方法について規定しています。 

出典:各種法規制及び各省庁公開情報よりトーマツグループ IRビジネスグループが作成

連邦法である銀行秘密法( Bank Secrecy Act(1970))に従ったマネーロンダリグ防止制度に基づき、カジノ事業者はNBFIs(銀行以外の金融機関)とされ、金融機関と同様本人確認と、疑わしい取引記録作成・保存届出を行ってます。また、各カジノ事業者にコンプライアスログムの策定及び文書化が義務付けられており、カジノ事業者は、内部統制度の策定や、非日常的又は疑わしい取引を発見するための従業員のトレーニング等を実施しています。

IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは

IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。

また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。

>>IRビジネスグループの紹介<<

IR(統合型リゾート)ビジネスグループの最新活動

下記IR(統合型リゾート、Integrated Resort)についての海外事例のナレッジを提供している、IRビジネスグループの最新の活動をご紹介いたします。

 

【IRビジネスグループの最新活動】

>新規コンテンツ「IR事業におけるファイナンス」追加
日本におけるカジノ事業を含む統合型リゾート(IR: Integrated Resort)の開発に関する投資資金の調達手段について、海外の事例を交えながら解説 

>新規コンテンツ「IR事業におけるMOU締結・JV組成とガバナンス」追加
IR事業におけるコンソーシアム形成とJV組成に関するガバナンスのあり方を解説 

>長崎県・佐世保市IR推進協議会主催「IRって何だろう? ~知ろう!考えよう!特定観光複合施設(IR)セミナー」への登壇
有限責任監査法人トーマツ パートナー、IR(Integrated Resort)ビジネスグループ リーダーである仁木一彦が、長崎県・佐世保市IR推進協議会主催「IRって何だろう? ~知ろう!考えよう!特定観光複合施設(IR)セミナー」に講師として参加

>新規コンテンツ「ギャンブル依存症対策に関する米国ネバダ州における取組み等~統合型リゾート関連記事」追加
IR米国で最大のカジノの市場規模を有するネバダ州において実施されているギャンブル依存症への取組みの一例について説明 

>経済産業省「平成29年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(国際博覧会の開催を契機とした持続可能なシステムの構築に向けた課題整理等の調査)」
一般競争入札の結果、経済産業省より受託 

>長崎県・佐世保市IR(統合型リゾート)推進協議会「IR基本構想策定等に係る支援業務」
長崎県・佐世保市IR(統合型リゾート)推進協議会「IR基本構想策定等に係る支援業務」を受託

>和歌山県におけるIR(統合型リゾート)基本構想策定のアドバイザリー業務委託
和歌山県におけるIR基本構想策定のアドバイザリー業務委託を受託

>大阪IR(統合型リゾート)基本構想(案)策定支援等業務
大阪IR基本構想(案)策定支援等業務を受託

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