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まちづくりの一環としてのMICE施設の活用

競争力のある新たなまちづくりの形態の一つとしてのMICE施設の活用

近年、国際的な都市間MICE誘致競争が激しさを増す中、日本では新たな取り組みとしてMICEを中核としたまちづくりが注目されています。

会議施設、ホテル、商業施設、観光スポット等が連携・協力してまちぐるみでMICE機能を提供しようとするもので、多種多様な都市機能を活用した都市サービスを提供できる点に特色があり、競争力のある新たなMICE運営形態として注目されています。

まちづくりの一環としてのMICE施設の整備が、特色のある新たなまちづくりの形態の一つとして注目を浴びています

観光庁は、地域への経済効果について、MICE(※)は会議開催、宿泊、飲食、観光(いわゆる、アフターコンベンション)等の経済・消費活動の裾野が広く、また滞在期間が比較的長いため、一般的な観光客以上に、周辺地域への経済効果を生み出すとしています。

近年、国際的な都市間MICE誘致競争が激しさを増す中、日本では新たな取り組みとしてMICEを中核としたまちづくりが注目されています。会議施設、ホテル、商業施設、観光スポット等が連携・協力して地域ぐるみでMICE機能を提供しようとするもので、多種多様な都市機能を活用した都市サービスを提供できる点に特色があり、競争力のある新たなMICE運営形態として注目されています。

(※)MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行、Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention/Conference)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。

 

都心部のみならず、地方都市においてもMICEを中核としたまちづくりが進められています

従来の再開発事業では、オフィス、商業、住宅、ホテルのようなアセットが整備されることが一般的でしたが、昨今の再開発エリアには、これに加えてMICE施設の整備・計画も行われるようになっています。

例えば、国家戦略特別区域として指定されている虎ノ門エリアでは、ビジネス・生活環境や多様な機能が集積する大型都市開発の一環としてMICE施設である「虎ノ門ヒルズフォーラム」が整備されています。

オフィス、商業、ホテル、住宅を有する地上52階、地下5階の超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ」の4・5階にMICE施設が組み込まれており、国際会議・シンポジウムなど多様なイベント開催に理想的な空間が提供されています。

また、地方においては長崎駅を中心とした約20haの広大な土地を活用し再開発を行う計画の一部として、MICE施設を中核とした交流拠点施設を整備する計画があり、交流人口の増加のみならず地域経済の更なる活性化を目標としています。開発エリアには、コンベンションやイベント、展示会、各種会議が開催できるMICE施設の他、宿泊施設としてヒルトン長崎が整備される予定です。

 

まちづくりの一環としてMICE施設を取り入れることで、直接的、間接的な高い経済効果を実現することが可能です

観光庁は、MICEの主要な効果として、「地域への経済効果」、「ビジネス・イノベーションの機会の創造」、「国・都市の競争力向上」を掲げており、観光庁の調査結果によると、平成28年には、MICEの経済波及効果として1兆円以上の効果が創出されたと公表されています。

観光庁『MICE誘致・開催における先進的テクノロジー海外活用事例等調査事業』より抜粋
出所:観光庁『MICE誘致・開催における先進的テクノロジー海外活用事例等調査事業』(2019年3月)

このように、MICE開催を通じた国際・国内相互の人や情報の流通、周辺地域への送客などは、エリア内のみならず周辺地域の産業発展への起爆剤となり、国や都市の競争力強化へとつながり、結果として、まちづくりの一環としてMICE施設を取り入れることは、直接的、間接的に高い経済効果をもたらすこととなります。

 

MICEを中核としたまちづくりを成功させるため、まずは現状分析を行うと共に、運営段階まで見据えた仕組みづくりが必要です

MICEを中核としたまちづくりの一般的な計画として、以下のような流れが考えられます。

1

目的の整理

整備計画の背景や目的の整理

2

現状・課題

整備区域や国内外のMICE施設の立地状況、MICE開催状況等の現状分析及び課題の導出

3

MICE施策の全体像の整理

MICE市場の動向を見据えた全体的な全体戦略の整理

4

施設コンセプト等の検討

施設コンセプトや機能、その他施設整備方針の策定

5

施設計画

施設配置・動線・施設機能等の計画の整理

6

事業計画

整備手法や運営方法の選定、事業費や需要予測等の試算

 

また、上記のような開発計画を、「自治体」、「民間企業」、「地域住民」が適切に連携しながら遂行することも重要です。

例えば、どのようなMICE分野の誘致を推進していくか明確にならないまま計画のみが進むケースや、地域住民の意向が十分に反映されていないで計画が進むケースも散見されます。

よって、日本各地で新たなMICE施設の建設が進む中、いかに地域として特色あるMICE施設を整備し差別化するかがポイントであり、そのために、各当事者が建設的な議論を行いながら計画を遂行することが重要です。

 

デロイト トーマツは、MICE産業の振興と、企業のビジネス参入を支援します

デロイト トーマツでは、Deloitteの海外ネットワークによる海外都市におけるMICE産業に関するサービス提供のみならず、日本国内においても民間企業及び自治体に対する多数のサービス提供実績を有しています。

  • 国内、海外のMICE施設の調査業務
  • MICE事業戦略の策定
  • MICE整備に向けたコンセプト策定、機能整理等
  • 事業性の検証
  • MICE産業におけるテクノロジー活用支援
  • プロジェクト全体取りまとめ支援 等

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