デロイト トーマツ調査、日本経済、日本企業についてビジネスパーソンは「競争力が低い」と認識 ブックマークが追加されました
ニュースリリース
デロイト トーマツ調査、日本経済、日本企業についてビジネスパーソンは「競争力が低い」と認識
成長のために重要度が高い技術として、「AI」と「次世代エネルギー・環境エネルギー」に注目が集まるが、約7割が既存の事業を着実に推進し、新しい技術の採用には慎重な企業風土であると回答
2024年4月25日
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:木村研一、以下「デロイト トーマツ」)は、「日本経済および日本企業の競争力に関する調査」を発表します。本調査では、日本経済の競争力、日本が競争力を向上させるために解決すべき課題、競争力向上に寄与する政策・施策・技術、ビジネスパーソンの勤務先企業の競争力に対する認識などを調査・分析しました。
【調査結果の分析】
バブル全盛期以降の日経平均株価最高値更新、大手企業の賃上げなどが相次いでいます。こうした中、本調査からは、ビジネスパーソンが、日本経済および勤務先企業について「競争力が低い」と認識していることが明らかとなりました。日本経済が競争力を高めるにあたっての課題として、「少子高齢化」、「労働生産性の向上」などの構造的な課題を選択したビジネスパーソンが多く、次いで「技術開発、イノベーションの停滞」という回答になっています。競争力強化に向けてAIや次世代エネルギーなどの新技術の開発や活用などを手段とした変革(DX、GX)を進めることは必須ですが、ビジネスパーソンの7割が勤務先が「新しい技術はリスクなどを見極め慎重に採用する」タイプ、「既存の事業を着実に推進する」タイプと認識しており、課題意識はあるものの対策や行動が後手になり、保守的な企業姿勢が変革の遅れにつながることが懸念されます。
本調査は、2024年2月に、日本国内で年商500億円以上の企業に勤務する課長以上の役職者を対象に、デロイト トーマツでイノベーションなどのテーマに焦点を当てた調査・研究を行うDTFAインスティテュートが調査を実施。有効回答数は483名。
調査結果の詳細は、下記よりご覧ください。
日本経済および日本企業の競争力に関する調査レポート
主な調査結果の概要
日本経済、日本企業についてビジネスパーソンは「競争力が低い」と認識
「今の日本経済に競争力があるか」という問いに対し、「競争力がある」が31.5%、「競争力がない」が40.2%、「どちらともいえない」が28.4%となり、競争力がないという回答が競争力があるという回答を8.7ポイント上回りました。
「勤務先の企業に競争力があるか」という問いに対しては、「競争力がある」47.0%、「競争力がない」19.9%、「どちらともいえない」33.1%という結果で、年商500億円以上の企業の役職者(課長以上)を対象としているにも関わらず、競争力があるという回答率が5割に届きませんでした。
本調査結果から、ビジネスパーソンが、日本経済や企業の競争力を楽観視していないことがわかります。
図1:日本経済および勤務先の企業に競争力について
※「競争力がある」は「とても競争力がある」と「やや競争力がある」の合計、「競争力がない」は「あまり競争力がない」と「全く競争力がない」の合計として集計。(単数回答)
約7割のビジネスパーソンが、勤務先の企業が「保守的」と認識
勤務先の企業が「既存の事業を着実に推進する」タイプか「新事業や新ビジネスモデル創出を積極的に行う」タイプかを尋ねると、前者の回答率が65.6%となりました。また、「新しい技術はリスクなどを見極め慎重に採用する」タイプか「新しい技術は率先していち早く採用する」タイプかを尋ねると、前者の回答率が68.2%となり、約7割の回答者が、勤務先の企業は既存の事業を着実に推進し、新しい技術の採用には慎重な企業風土であると認識しています。
図2:勤務先の企業のタイプ
※Aタイプは「Aにあてはまる」と「どちらかというとAにあてはまる」の合計として集計。(単数回答)
勤務先企業の競争力と企業のタイプの相関関係を見てみると、「とても競争力がある」と回答しているビジネスパーソンは、自社が「新事業や新ビジネスモデル創出を積極的に行う」タイプと回答した人が多い傾向にあります。「とても競争力がある」以外の回答をしている層では自社が「既存の事業を着実に推進する」タイプと回答している人が過半数を占めています。
図3:勤務先企業の競争力とタイプの相関関係
(A 既存の事業を着実に推進する ⇔ B 新事業や新ビジネスモデルの創出を行う)
日本の経済成長にとって重要度が高い技術として、「AI」と「次世代エネルギー・環境エネルギー」に注目が集まる
「日本の経済成長にとって重要度が高い技術は何か」については、「AI」の回答率がトップとなりました。2023年以降、生成AIが注目を浴び、日本でも官民あげて有効に活用するための取り組みが進められており、本調査結果からもビジネスパーソンの関心の高さが窺えます。
第2位は「次世代エネルギー・環境エネルギー」、第3位は「最先端半導体」という結果となりました。
技術を選択した理由を見ると、AIは「社会やビジネスの革新に役立ちそうだから」、次世代エネルギー・環境エネルギーは「社会課題の解決に貢献しそうだから」、最先端半導体は「新産業の創出につながりそうだから」がそれぞれ最多となっています。
図4:日本の経済成長にとって重要度が高い技術
※1位=3、2位=2、3位=1で重み付して集計。(1位から最大3位までの複数回答)
日本経済と勤務先のそれぞれでの重要なテーマは、「人材育成」と「デジタル技術の活用」が双方で上位1位・2位となり、その回答率の差も小さい状況です。その一方で、特定の政策関連テーマでは、「日本の経済成長にとって重要である」と「勤務先企業にとって重要である」のギャップが大きく、最も大きいテーマでの差分は、「インバウンド需要の獲得」で32.1ポイント、「スタートアップの育成・スタートアップとの協業推進」で27.3ポイントとなりました。
図5:日本の経済成長にとって重要なテーマ/勤務先企業にとって重要なテーマ
※「重要である」は「重要である」と「やや重要である」の合計として集計
【調査概要】
調査期間:2024年2月21日~26日
調査方法:Webアンケート調査
調査対象:日本国内の年商500億円以上の企業に勤務する課長以上の役職者
有効回答数:483件
【DTFAインスティテュートについて】
「DTFAインスティテュート」 (所長:グループCGO 前田善宏 https://faportal.deloitte.jp/institute/)は、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA:代表執行役社長 福島和宏)を母体とする専門組織です。DTFAが強みを有するM&A(企業の合併・買収)やクライシスマネジメントへの助言、イノベーションの促進、IT・デジタル領域を起点として、日本経済・産業の成長に向けた調査・研究を進めています。
<報道機関の方からの問い合わせ先>
デロイト トーマツ グループ 広報担当 井村、菊池
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp
デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約2万人の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。
Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
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