ニュースリリース

デロイト トーマツ、内部監査やJ-SOX評価の効率化に向け生成AI導入支援サービスを開始

大規模言語モデルに企業のデータを接続するRAG技術を活用し、アプリケーションを独自開発。内部監査・J-SOX評価における定型業務を自動化

2024年10月11日

デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、代表執行役:岩村篤、以下「デロイト トーマツ」)は、企業の内部監査や内部統制報告制度(J-SOX)の評価における、生成AI導入支援サービスを開始しました。生成AIおよび独自開発したアプリケーションを活用することで、内部監査の標準的な手続やJ-SOX評価での定型的な業務の効率化を支援します。

企業のリスクが多様化している中で内部監査は従来の業務プロセスの検証のみではなく、様々なリスクやプロセスを評価する必要性が増しています。一方で、内部監査人材の育成、品質維持に課題を持つ企業も多い状況です。内部監査において、生成AIに着目した効率化と、それにより削減された時間を人材育成や業務の高度化に活用することが期待されています。

 

独自開発した内部監査・J-SOX評価アプリケーションの特徴

本アプリケーションは大規模言語モデルに企業のデータベースを接続するRetrieval Augmented Generation(RAG)技術に、デロイト トーマツの内部監査・J-SOXの知見を取り入れ自社開発しました。内部監査・J-SOX評価において、生成AIを有効活用できるように調整されています。アプリケーションは主に以下の三つの技術的特徴を有します。なお、入力されるデータは、外部の生成AIモデルの学習に利用されません。

  • 内部監査の有効性向上のための技術:RAGによるデロイト トーマツが保有する内部監査手続の留意点や不正リスクシナリオの活用
  • 生成AIの回答精度向上のための技術:内部監査で扱うドキュメントの様々なファイル形式に応じたチャンク分割ロジック、テキストに加えて、画像情報や音声ファイルの読取りも可能なマルチモーダル機能、生成AIが判断根拠とした証憑名・証憑ファイルのページ数の出力機能
  • 業務効率化のための技術:内部監査手続書をプロンプトに変換するツール、複数プロンプトを並列に連続実行するバッチ処理機能、生成AIの回答結果を調書に転記するツール

例えば、企業が証憑ファイルと関連する内部監査手続を記述したプロンプトをアプリケーションに入力することで、生成AIが証憑を評価し、結果が自動出力されます。出力された結果には、生成AIが判断根拠とした証憑ファイル名や証憑ファイルのページ数が記載されているため、企業は迅速に結果の確認を行うことができます。また、出力された結果を、調書に自動転記することも可能なため、内部監査・J-SOX評価業務における調書作成を自動化することができます。

 

企業への生成AIおよび内部監査・J-SOX評価アプリケーションの導入支援

まずはJ-SOXや準拠性監査のうち、定型業務について、デロイト トーマツと企業が生成AIの適用範囲を検討します。次に、アプリケーションを実際に導入し、効果の検証、評価をもとに、精度向上に向けたアプリケーションの改善を行います。

導入開始後も、生成AIの技術発展を見据え、テーマ監査におけるリスク評価といった内部監査の非定型業務への活用の可能性を検討し、生成AIの利用領域を拡大させ、更なる業務効率化を進めることが可能です。また、デロイト トーマツが従前より提供している、内部監査・J-SOX評価業務支援サービスと組み合わせることもできます。

 

アプリケーションの利用イメージ(内部監査手続を記述したプロンプトとその回答例)

<報道機関の方からの問い合わせ先>

デロイト トーマツ グループ 広報担当 内山、西原
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp

デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約2万人の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。

Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。

デロイト アジア パシフィック リミテッドはDTTLのメンバーファームであり、保証有限責任会社です。デロイト アジア パシフィック リミテッドのメンバーおよびそれらの関係法人は、それぞれ法的に独立した別個の組織体であり、アジア パシフィックにおける100を超える都市(オークランド、バンコク、北京、ベンガルール、ハノイ、香港、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、メルボルン、ムンバイ、ニューデリー、大阪、ソウル、上海、シンガポール、シドニー、台北、東京を含む)にてサービスを提供しています。

Deloitte(デロイト)は、監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリー、税務・法務などに関連する最先端のサービスを、Fortune Global 500®の約9割の企業や多数のプライベート(非公開)企業を含むクライアントに提供しています。デロイトは、資本市場に対する社会的な信頼を高め、クライアントの変革と繁栄を促し、より豊かな経済、公正な社会、持続可能な世界の実現に向けて自ら率先して取り組むことを通じて、計測可能で継続性のある成果をもたらすプロフェッショナルの集団です。デロイトは、創設以来175年余りの歴史を有し、150を超える国・地域にわたって活動を展開しています。 “Making an impact that matters”をパーパス(存在理由)として標榜するデロイトの45万人超の人材の活動の詳細については、(www.deloitte.com)をご覧ください。