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SECの画期的な気候開示規則の包括的分析

2024年3月6日、SECは最終規則を発表し、気候関連の開示を義務化

2024年3月6日、SECは最終規則を発表し、暦年末の大規模早期提出会社に対し、2025年12月31日に終了する年度の年次報告書から、IPOの年次報告書を含め、登録企業が年次報告書および登録届出書に気候関連の開示を行うことを義務付けました。

SECの画期的な気候開示規則の包括的分析(2024年4月8日更新)

本Heads Upは、SECが司法審査待ちの最終規則の発効日を延期したことに関連して、2024年4月8日に更新されました。導入検討事項セクションの説明をご参照ください。

2024年3月6日、SECは最終規則を発表し、暦年末の大規模早期提出企業に対し、2025年12月31日に終了する年度の年次報告書から、新規株式公開 (IPO) の年次報告書を含め、登録企業が年次報告書および登録届出書に気候関連の開示を行うことを義務付けました。最終規則は、規則案の要求事項からいくつかの主要な違いを反映しています。例えば、企業はスコープ3の温室効果ガス (GHG) 排出量の開示(すなわち、企業のバリューチェーン排出量の開示)を提供する必要がなくなり、財務諸表における開示要求事項が緩和され、開示および関連する保証要求事項を実施するための時間的余裕が生まれます。

財務諸表注記において、登録企業は次の情報を提供しなければなりません。(1)異常気象現象(sever weather events)およびその他の自然条件(other natural conditions)にかかる財務諸表上の特定の影響、(2)特定のカーボンオフセットおよび再生可能エネルギー証書 (RECs) 、(3)異常気象現象やその他の自然条件、または開示された気候関連目標や移行計画に起因する、財務諸表上の見積りおよび仮定への重要な影響。これらの開示は、既存の財務諸表監査の対象となります。

財務諸表以外で要求される開示には、次のものが含まれます。

  •  大規模早期提出企業および早期提出企業は、段階的に導入される保証要求事項に従うことを条件とした、重要なスコープ1およびスコープ2のGHG排出量
  • 重要な気候関連リスクのガバナンスと監視
  • 企業の戦略、ビジネスモデル、および見通しに対する気候リスクの重要な影響
  • 重要な気候関連リスクのリスク管理プロセス
  • 重要な気候ターゲットおよびゴール

SECのGary Gensler委員長は、最終規則に関する声明の中で、最終規則は「投資家に一貫性があり、比較可能で、意思決定に有用な情報を提供し、発行体には明確な報告要求事項を提供する」と述べています。

全文はPDF(日本語仮訳)を参照ください。また、原文(英語)は“Heads Up - Comprehensive Analysis of the SEC2019s Landmark Climate Disclosure Rule March 15- 2024 - Updated April 8- 2024”をご覧ください。

(PDF, 1.89MB)
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