データ分析監査サービス

内部監査へのアナリティクス手法の活用

内部監査の高度化に向けて

内部監査部門は監査の対象が複雑化する中で、限られた人員とコストでより効率的かつ有効性の高い内部監査を実施することが求められています。最近の金融商品取引法による内部統制報告制度の要請、また企業内での不正行為の発生防止の観点から、内部統制の構築および強化が求められており、内部監査に対する期待も高まっています。一方、企業の事業活動や財務報告プロセスを支援する内部統制は情報システムを基盤としており、内部監査の対象として、より複雑で、大容量のデータを検討する局面が拡大しつつあります。このような環境にあってデータ分析を活用した内部監査の実施による効果が注目を集めています。

データ分析監査とは

データ分析監査は、コンピュータツールを利用し、情報システムに蓄積された、大容量で複雑なデータを直接計算、集計、分析等をする監査手法です。近年ではアナリティクス手法を活用し、効果の高い監査が注目されています。例えば、以下のような検証が可能です。

・不正リスク対応において、勘定科目ごとの起票者を分析し異常なものを抽出。
・IT業務処理統制において、検収遅延リストの検証。
・実証検証において、営業循環から外れた棚卸資産の評価に用いる滞留表の検証。

データ分析監査のメリット

データ分析監査導入には、以下のようなメリットがあります。

・事業活動の実態が投影された情報システムのデータを直接分析することにより、網羅的かつ正確に全件の検証を実施することが期待できます。
・検証方法等の監査機能を定型化、自動化することにより、効率的な監査手続を継続して実施することが期待できます。

デロイト トーマツ グループの実績

デロイト トーマツ グループでは、各種の監査、評価、診断業務においてデータ分析監査ライフサイクルにもとづいた手続を実施し、豊富な経験・ノウ八ウを有しています。そのため、情報システムにおけるデータ保持状況等から、最適なデータ分析監査の活用方法を提案し、リスクアプローチに則った、内部統制の改善に繋がる継続的な監査の実施を支援することが可能です。

データ分析監査ライフサイクル

計画フェーズ

企業全体のプロセスを把握した上で、内部統制上のリスクの高い業務プロセスを識別します。監査対象となるデータを特定するため、関係者へのヒアリングや資料の閲覧等により関連するデータフローを把握し、検証範囲を特定します。併せて、入手するべきデータおよび検証手続となる分析要件を確定していきます。

データ分析検証フェーズ

分析要件に基づき、分析ロジックをツール(監査用ソフトウェア)にプログラミングします。また、検証対象となるデータを入手し、ツールへの取り込みを行うと共にデータが網羅的に入手できているか等、品質評価の上でデータ分析を実施します。分析した結果、識別した異例事項(差異等)について原因分析や影響評価を実施し、内部監査調書を作成します。

評価フェーズ

分析結果について、検証目的を達成できたかについて評価を行います。また、識別された異例事項について合理的な調査結果が得られているかの評価を行います。各監査調書から結果を取りまとめた監査報告書を作成します。報告内容が第三者へ明示的なものとなっているかについて、監査報告書自体の成果物としての評価も実施します。

改善フェーズ

監査報告書に基づいて、業務プロセスや内部統制に大きな影響がないか、改善するべき点について、より効率的な業務プロセス、強固な内部統制を構築するための改善活勤状況のフォローを実施します。また、フォローアップ結果に基づき、内部監査の計画に反映します。