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AIによる進行基準適用プロジェクトの異常検知
AI画像認識モデルを活用した進行基準適用プロジェクトの異常検知
プロジェクト管理における不正リスクは複雑化し、従来の方法では対処が難しくなっています。特に、プロジェクト間の原価付替や繰延リスクなど、勘と経験では識別困難な兆候を捉えることが重要です。この課題に対応するため、専門家の知見と最新のAI画像認識モデルを組み合わせた進行基準に基づくリスクアナリティクスサービスを提供します。
進行基準適用プロジェクトにおけるリスク識別の課題とAI画像認識モデルを活用した解決策
進行基準適用プロジェクトにおいては、プロジェクト原価の付替や繰延リスクが重大な課題として存在します。これらのリスクを適切に識別することは、正確な財務報告とプロジェクト管理にとって非常に重要です。
この課題を解決するために、最新のAI技術を活用したリスクアナリティクスサービスを提供します。具体的には、AIの画像認識モデルを用いて、進捗中プロジェクトの異常性を過去の完成プロジェクトデータに基づいて識別します。このモデルにより、進捗具合が異常なプロジェクトを早期に発見し、異常サンプルの取りこぼしを防ぐことが可能です。また、異常性が高いと判断されたプロジェクトについては、過去データの傾向と比較し、どの部分の進捗具合が異常であるかを可視化します。
このようにAIの画像認識モデルを用いることで、過去のプロジェクト進捗傾向から外れた部分を定量評価し、異常な進捗状況にあるプロジェクトを抽出します。リスクスコアとプロジェクト規模を基に優先順位をつけてリスク対応を行うことで、リスク管理の高度化を実現することが可能です。
AI技術を活用した進行基準適用プロジェクトのリスクアナリティクスサービスの概要
デロイト トーマツは企業が管理する進行基準適用プロジェクトに関する課題に対応するため、豊富な経験に基づく専門家の知見と最新のAI画像認識モデルを活用した進行基準適用プロジェクトのリスクアナリティクスサービスを開発いたしました。この新しいサービスは、①リスクフォーカスエリアの特定、②全体に対する進捗状況の評価、③原因箇所推定と全体での位置づけから個別工事の異常な時期までドリルダウンしながら一貫してリスク評価を行い、リスクの高いプロジェクトへの対応を可能にします。これにより、マクロなリスク評価から個別具体的なミクロなリスク評価まで包括的にカバーし、プロジェクト全体のリスクを詳細に把握して効果的に管理できます。
1.リスクフォーカスエリアの特定
過年度データの傾向と比較して算出された当期の各プロジェクトの異常度とそのプロジェクト規模から散布図を作成します。異常度と金額の両方が高い=散布図右上のリスク領域に該当しているプロジェクトを把握します。
- AI画像認識モデルとしているのは「CNN-VAE」という画像に特化したディープラーニングモデルです。このAIモデルに過去の一般的な進捗傾向を学習させ、デリバリー時にて過年度の傾向から外れたものを検出します。
- 進捗中のプロジェクトを進捗率ごとに適切な異なるAIモデルによって異常度を算出します。また、どこまで進捗が進んでいるかに限らず同一の物差しで異常度を評価でき、外れ値に頑健なrobust_z_scoreにて正規化しています。
2.全体に対する進捗状況の評価
プロジェクト進捗は異常度によって色分けされた折れ線グラフで確認します。(青色は過去データに基づく通常の進捗を表し、赤色は異常な進捗を表します)
当該分析を通じて、進捗状況の異常と通常の傾向を視覚的かつ定量的に把握します。高リスクと識別されたプロジェクトに対しては、3にてさらに詳細な検討を行います。
3.原因箇所推定
個別プロジェクトについて、ヒートマップを用いて過去の完成済みプロジェクトの傾向と比較します。進捗段階のどの時点が原因となり異常として識別されているのか(異常なほど黄色)を可視化します。
本サービスは、専門家の知見とAIの力を掛け合わせ、進行基準適用プロジェクトにおけるリスクを早期に識別し、適正なリスク管理プロセスを実現するものです。
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社は、技術革新を通じてリスクアナリティクスの新たなスタンダードを築き、変化するステークホルダーの期待を適時的確に捉え、それらに応え続けていきます。