ファイナンス・ストラテジー ブックマークが追加されました
サービス
ファイナンス・ストラテジー
デロイト トーマツ グループは、グローバルで蓄積された欧米のエクセレントカンパニーの事例や先進日本企業に関する知見を活用し、競争力あるファイナンス組織となるための構想策定(ビジョニング)から変革実行までをサポートします。また、ファイナンス組織に求められる役割を果たすための人財の要件定義、現状の人財のスキルアセスメント、キャリアパスなどを含めたタレントマネジメントの仕組み整備、リーダーシップやスキルトレーニングを通じた人財育成をサポートします。さらには、M&Aなどの企業変革時におけるファイナンス機能変革、デジタル化やESGの進展に対応したファイナンス機能への変革の構想策定から実現までを支援します。
目次
- CFO及び、ファイナンス組織の役割 『4 Faces of CFO』
- (1) ファイナンス組織改革
- (2) ファイナンス・タレントマネジメント
- (3) M&Aファイナンス
- (4) デジタルファイナンス
(1) ファイナンス組織改革
グローバル化、少子高齢化、サステナビリティへの意識向上、デジタル化の進展など、ファイナンス組織を取り巻く環境は変化を続けています。
変化の激しい環境の中、ファイナンス組織の価値を最大化させるためには、短中長期の観点で将来環境を見据えるとともに、経営・事業サイドからの期待を捉えることが前提となります。そして、会社の戦略目標の達成に向けてファイナンス組織の役割を定義し、それを実現する組織形態を検討し、必要な施策を洗い出して改革を推し進めていかなければなりません。
ファイナンス組織改革は、『構想策定フェーズ』、『改革実行・展開フェーズ』、『定着・改善フェーズ』の3つのフェーズに分けられます。
『構想策定フェーズ』においては、ファイナンス組織の将来像を描き、その実現のための改革テーマを抽出し、中長期的なロードマップと短期的な実行計画を策定します。次の『改革実行・展開フェーズ』では、実行計画に従って、それぞれの改革テーマをより具体化していきます。各種の効率化施策や機能の強化、人材育成施策などを、本社のみならず国内外のグループ会社を巻き込みながら展開していくこととなります。そして、『定着・改善フェーズ』において、改革施策をグループ全体に定着させ、継続的に改善を行っていくのです。
ファイナンス組織改革は中長期にわたる取組みになりますが、その成否は『構想策定フェーズ」にかかっています。中長期にわたる取組みをやり切るには、その実行力はもちろん、説得力のある将来像を描き上げて関係部署を巻き込み、各種施策の関係性を捉えながら、しっかりとした計画を立案することが必須条件となるからです。
(2) ファイナンス・タレントマネジメント
ファイナンス組織の役割実現に向けては、それを実行する人財(タレント)の確保が欠かせません。昨今のデジタル化の進展に適合し、財務・非財務の情報を活用して経営や事業へのインサイトの提供を推進する人財など、高いスキルを持った人財への需要が高まっています。
一方で、外部人財マーケットからスキルの高い人財を獲得するための競争は激しく、また、内部人財の育成にはある程度の時間がかかります。したがって、短期的な取り組みで必要な人財を質、量ともに充実させることは難しく、常に先を見据えたタレントマネジメントの取り組みが求められます。
タレントマネジメントの整備に当たっては、まず、組織の役割を人材の要件へと落とし込むことが必要です。その上で、組織に必要とされる人財(スキル、人数)を明確化し、スキルアセスメントなどを通じて現状の充足度とギャップを明らかにしていかなければなりません。そして、そのギャップを埋め、常に必要な人財を供給する仕組み(キャリアパス、採用、育成など)を構築していきます。
(3) M&Aファイナンス
M&Aの活用が企業戦略の一環として組み込まれることが一般的になった昨今では、ファイナンス組織として、M&A戦略の策定や個別ディールへの参画のみならず、買収以降のPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション:買収後の統合作業)や効果測定においても主導的役割を担うことが求められます。
とりわけ、M&Aの成否を分けるPMIにおいては、買収会社または被買収会社のいずれかの現状を踏襲するのではなく、M&Aを契機としてファイナンス組織全体を戦略的に変革し、被買収会社とのルール・ポリシーの統一、業務プロセス・システムの統合、組織体制の設計等を行うことによって、買収後の価値創出を実現していくことが必要となります。
(4) デジタルファイナンス
デジタル技術の発展は、紙媒体の電子化、ERPによるデータ統合、RPAによる自動化など、ファイナンス業務の効率化を支えてきました。そして今日ではAI/Cognitiveといったデジタル技術により、ヒトが成してきた提供価値を機械が代替、更には超越しつつあります。
ファイナンス組織とCFOに期待される役割はこの先大きく変わると推測します。そのため機械がヒトを代替した先の組織のあり方を問い、デジタル技術とデータを最大限活用して経営・事業に新たな価値を提供するファイナンス組織へ変えていかなければなりません。ファイナンス組織全体におけるデジタル化の現在地を知り、3~5年先の将来像をイメージしたうえで、財務会計、管理会計、資金管理といった機能と、組織・人財など業務を支える仕組みを共に変革(Finance Transformation with Digital)していく必要があります。
(5) 新しい経済・社会潮流に対応したCFO・ファイナンス組織の役割
外部の経済・社会環境等の変化に対応して、CFO・ファイナンス組織の役割の拡張が求められています。
例えば、デジタルテクノロジーの発展や消費者の「所有」から「利用」への価値観の変化など、複数の要因から、継続的なサービス提供を行う”サブスクリプションビジネス”の市場が拡大しています。従来のモノ売り型ビジネスでは、「商品単位」での収益管理が主でありました。サブスクリプションビジネスでは、顧客との接点を持ち続けることができる点が特徴であり収益管理も「顧客単位」が重要となり、また顧客との接点が会計期間を跨ぐことも多く、より中期的な目線でのマネジメントが求められます。今日のファイナンス組織には、このような新しいビジネスモデルに対応した経営管理制度の構築や投資意思決定への関与が求められます。
また脱炭素に代表されるサステナビリティの観点を織り込んだ企業・事業運営への対応も社会的な要請となっています。CFO・ファイナンス組織は自社の中長期の経営・事業戦略達成に向けたマテリアリティ(重要課題)の特定とその課題に向けた具体的な活動への落とし込み、そしてESG観点での非財務KPI設定への関与が求められます。また設定した非財務KPIについて、従来の財務指標中心の業績管理制度に織り込み、達成に向けたPDCAサイクルを機能させることが求められます。
デロイトトーマツが提供するサービス
デロイト トーマツ グループでは『4 Faces of CFO』に代表されるフレームワークを用い、また、プロジェクトなどの様々な活動を通じて分析した欧米企業や先進的な日本企業の動向を踏まえ、ファイナンス組織改革の構想策定や組織設計に関するサービスを提供しています。改革プロジェクトのコアチームを継続的に支援することはもちろん、CFO組織の現状の立ち位置の評価やキーマンの意識合わせのための集中的なワークショップの設計・ファシリテーションなど、様々なご支援が提供可能です。
また、タレント マネジメントにおいては、CFO組織に必要な人材要件の定義、スキル習得度や業務への充足度評価、さらには、CFO人材向けの各種トレーニングの設計や実施をご支援しています。
さらに、デロイトトーマツグループはファイナンシャルアドバイザリーとコンサルティング双方をグループ会社に有するため、M&A戦略の策定から、対象企業の選定、デューデリジェンス、PMIに至るまでワンストップで幅広くサポートすることが可能です。
サービス例
- ファイナンス組織改革の構想策定
- ファイナンス組織診断
- Finance Transformation Lab(FT Lab)
- ファイナンス・タレントマネジメントの構想策定
- ファイナンスタレントのスキルアセスメント
- CFO人材育成プログラム設計・研修実施
- M&Aや企業再編を契機とするファイナンス組織変革
- Digital Finance Maturity Assessment(ファイナンス組織のデジタル化診断)
- サブスクリプションビジネスモデルに対応した経営管理制度設計
- サステナブルファイナンスにおけるESG観点でのKPI設計・モニタリング制度設計
その他の記事
実践CFO経営
これからの経理財務部門における役割と実務