事例紹介

カーボンクレジットを活用した新サービス開発支援:東京海上日動火災保険株式会社

日本国内初、エコドライブ支援システムを活用したCO2排出量の削減を対象としたJ-クレジットの登録を実現

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、デロイト トーマツ)は、ドライブレコーダーによるエコドライブ効果の実証、および国が認証する「J-クレジット制度」への登録といった、カーボンクレジットを活用した新サービスの開発を支援するコンサルティングサービスを、東京海上日動火災保険株式会社様(以下、東京海上日動)向けに提供しました。

カーボンクレジット創出の背景

昨今、損害保険会社からドライブレコーダー付き自動車保険が発売されています。保険契約者に貸与されるドライブレコーダーには、録画機能・事故時自動発報機能のほか、運転中の車両の危険な挙動を検知し、音声等で注意喚起を行う「事故防止支援機能」が装備されており、安全運転の促進に繋がっています。

デロイト トーマツは、「事故防止支援機能」の一つである、急ブレーキ等の急操作への警告機能が、安全運転に加えて、燃費改善によるエコドライブを促進しているとの仮説のもと、エコドライブ効果の実証、および国が認証する「J-クレジット制度」への登録を通じて、カーボンクレジットを活用した新サービスの開発を支援するコンサルティングサービスを、東京海上日動向けに提供しました。
 

デロイト トーマツのアプローチ

デロイト トーマツでは、J-クレジット制度への登録を実現するために、東京海上日動に対して以下の2つの支援を実施しました。

①エコドライブ効果の実証

デロイト トーマツは、「事故防止支援機能が安全運転を促進するだけでなく、エコドライブも促進している」という仮説を検証するために、必要となる論点を整理し、統計分析を活用した検証手法を設計しました。設計した検証手法に従って、自動車メーカーから購入した自動車4,000台分の1年間の走行データ(約100万データ)を分析した結果、事故防止支援機能によって燃費が向上し、CO2排出量が削減されていることを確認しました。

 

②J-クレジット制度へのプロジェクト登録支援

デロイト トーマツが持つJ-クレジット制度への知見を活用し、J-クレジット制度へのプロジェクト登録を支援しました。プロジェクト登録に際しては、J-クレジット制度事務局と調整の上、方法論*の一部内容を改定しました。

*排出削減・吸収に資する技術ごとに、適用範囲、排出削減・吸収量の算定方法及びモニタリング方法等を規定したもの

 

プロジェクトの成果

東京海上日動が、ドライブレコーダーによるCO2排出量削減効果をクレジット化するプロジェクトを J-クレジット制度事務局に申請し、2024年8月22日に実施された認証委員会で承認・登録されました。エコドライブ支援システムを活用したCO2排出量の削減を対象としたJ-クレジットの登録は、日本国内で初めてとなります。


デロイト トーマツは、日本のカーボンニュートラルの実現に向けて、今後も関連するコンサルティングサービスを提供していきます。

 

参考リンク

東京海上日動のニュースリリース:【国内初】自動車保険のお客様のエコドライブによるCO2削減プロジェクトをJ-クレジット制度に登録(403.5KB)

 

担当者
藤川 大樹
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
保険Unit シニアコンサルタント

※上記の所属・役職は、執筆時点のものとなります。

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