ナレッジ

有形固定資産シリーズ(2)有形固定資産の会計処理の概要 固定資産の取得・減価償却

(月刊誌『会計情報』2016年10月号)

我が国の会計基準では、「企業会計原則」や「連続意見書第三」等において固定資産に関する基本的な定めは示されているものの、固定資産に関する包括的な会計基準は存在しない。一方で、有形固定資産に関する会計基準等は多岐にわたり、実務上、論点となることも多い。前号から引き続き、有形固定資産に関連する会計基準等の概要の解説を連載します。(月刊誌『会計情報』2016年10月号)

著者:公認会計士 加藤 亜紀子

我が国の会計基準では、「企業会計原則」や「連続意見書三」等において固定資産に関する基本的な定めは示されているものの、固定資産に関する包括的な会計基準は存在しない。

例えば、取得原価の範囲については連続意見書三に示されているが、その後見直しはなされていない。また減価償却については、我が国の法人税法では減価償却費について、確定決算主義のもと損金経理要件が定められているため、課税所得の計算に関する法令等に準拠した会計処理、いわゆる「税法基準」による会計処理が会計実務慣行として採用されてきた経緯がある。しかし、会計上求められる減価償却は税法の規定に従うものではなく、一般に公正妥当と認められる減価償却の基準に基づき、合理的に決定された一定の方式に従い、計画的・規則的に行われるべきものである。

本稿では有形固定資産の取得・減価償却について取り上げる。 

なお、文中の意見にわたる部分は、筆者の私見であり、有限責任監査法人トーマツの見解ではないことをあらかじめお断りしておく。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

(600KB, PDF)
お役に立ちましたか?