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改訂5版 M&A実務のすべて

自らを変革する挑戦として、従来の延長線上で計画するフォアキャストから、自ら思い描く未来からのバックキャストで価値創造ストーリー、そして戦略に落とし込み行動のプロセスへと軸足を移そうとする企業が増えています。そこには、①これまでとは異なる形での日本経済の再生が望まれており、それに応えたいとの想い、そして②不確実(「パーフェクトストーム」とも表現されます)な状況に囲まれ、現状の延長線上の思考を捨て、創造と行動という変革に挑まなければならないとの危機感から、自らがどうしたら「残り続けられるか」「選ばれ続けられるのか」との根源的な自問から湧き出た意志と行動が示されているのだと考えます。未来を読み切れないときに多くの経営者がイノベーションを犠牲に、足元を優先するようになったことが明らかになっています。これは不確実性へのヒトの本能的反応であり、これに抗うのが容易でないことは明らかです。だからこそリーダーシップに「私たちは誰か、なぜ、どこに向かおうとしているか」を社会の期待も意識し、示し続ける覚悟が求められていると考えます。

今後の未来思考投資では社会課題への取り組みを前向きに捉え、社会への貢献を通じ、更なる先へとつなぐ稼ぐ力を持続させることがこれまで以上に問われます。そのため、これまでと異なるであろう時間軸でのリスクの取り方にも対処していく必要があるでしょう。そこで、企業は自社の枠を乗り越え、より大きなリスクテイクを可能にする枠組みにおいて戦略を構築し得る能力を強化しようとしています。そのために1つの提携やM&Aに留まることなく、戦略を継続的に推進するために「他力」を活かす種々の手法を編み出していくことが重要になっています。機会をつかみそこに焦点を当てるには足すだけでなく引くことが大切で、それなしに経営のダイナミズムは確保できないでしょう。

当初からそのような視点を意識して本書を編集してきましたので、本改訂でその点について大幅な修正を加えたわけではありませんが、改めて目指すゴールへと向かう戦略推進の選択肢として、中長期の視点からよりホーリスティックな視野でM&A、そして切り離しを意味するD(Divestiture)等を見つめ直し、企業価値の向上に邁進するために、本書が一助となることを願っています。

書名 改訂5版 M&A実務のすべて
出版 日本実業出版社
編著者 北地 達明、北爪 雅彦松下 欣親、伊藤 憲次
価格 本体3,740円(税込)
刊行 2022年3月
ISBN 978-4-534-05913-0
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