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Cell & Gene Therapy領域における創薬と上市

今必要とされる新たなビジネスモデルの考察

近年、Cell & Gene Therapy(細胞・遺伝子治療)は新たな治療規範や販売方法の必要性を明らかにしており、製薬企業も製品の上市にあたってビジネスオペレーションの革新を迫られている。本編ではCell & Gene Therapy製品と従来製品の考え方の違いを述べた上で、検討すべき3つのFlow(Patient Flow/Product Flow/Payment Flow)をご紹介するとともに、各Flowの論点の事例、対応のポイントを考察する。

新たな治療選択肢と共に考えるビジネスオペレーション

近年、Cell & Gene Therapy(細胞・遺伝子治療)は新たな治療規範や販売方法の必要性を明らかにしており、サイエンスとヘルスケアのパートナーシップの在り方を変える存在になりつつあります。薬剤の注文から患者への投与まで一貫した治療をサポートするため、製薬企業自らが薬剤注文、保管、運搬のトレーサビリティ確保の方法などを新たに検討し、透明性および秘匿性の高い情報流を構築しなければならない時代が到来していると言えるでしょう。

本稿は、特にビジネスオペレーションの観点から、Cell & Gene Therapy領域の製品上市にあたって、検討すべき事項を考察するシリーズの第一弾です 。Cell & Gene Therapy領域の製品と従来製品の考え方の違いを述べた上で、検討すべき3つのFlow(Patient Flow/Product Flow/Payment Flow)をご紹介するとともに、各Flowの論点の事例、対応のポイントを挙げ、製薬企業の皆様が上市に向けて検討すべき事項の全体像を捉える事を目的としています。

  • 従来製品と異なり、Cell & Gene Therapy領域の製品では、製造、発注、輸送、患者投与のどの段階を見てもその工程が複雑化している。各課題を払拭するために、従来製薬企業の関与が薄かった発注や輸送、患者投与等の工程でも積極的にオペレーションを構築していく必要に迫られている
  • Patient Flow:従来よりも薬剤がパーソナライズされるケースが多く、患者に合わせた治療を組み立てる必要がある。治療施設の選定に始まり、サポートプログラム、個人情報管理等の検討が必要
  • Product Flow: Just in time での製造が必要であることから受注、製造、医療機関への運搬に至るまで、全ての工程で正確な輸送と品質保持を保てるよう、オペレーションの構築が必要
  • Payment Flow:薬剤が高額であるケースが多い事から、返品や支払いなどファイナンシャルなリスクへの対応、収益認識のタイミングを慎重に検討する必要がある。従来製品とは異なる対応となる場合には、社内オペレーションについても検討が必要
Cell & Gene Therapy領域における創薬と上市 (PDF, 1.60MB)
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