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治験のデジタル変革がもたらす価値

国内の分散型臨床試験発展に向けて

COVID-19がもたらしたデジタルシフトの波はヘルスケアの領域にも押し寄せている。海外ではパンデミックの危機を契機に外来のオンライン診療が急速に普及した。オンライン診療以外にも、遠隔画像診断、ICUの遠隔化などヘルスケアのデジタル化進展事例は枚挙にいとまがない。一方、医療製品に必要となる臨床研究の現行のプロセスは労働集約的であり、より効果的・効率的な方法が模索されている。

医薬品・医療機器の効果的・効率的な研究開発に不可避な分散型臨床試験(DCT)

COVID-19がもたらしたデジタルシフトの波はヘルスケアの領域にも押し寄せている。海外ではパンデミックの危機を契機に外来のオンライン診療が急速に普及した。オンライン診療以外にも、遠隔画像診断、ICUの遠隔化などヘルスケアのデジタル化進展事例は枚挙にいとまがない。

ヘルスケアにおいてデジタル技術の活用が期待されている領域の一つが「医療機関への来院に依存しない、患者中心-Patient Centricity」起点の治験の在り方、つまり分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trial、またはDCT)である。分散型臨床試験は被験者、治験実施者たる医療機関・ライフサイエンス企業(製薬企業、医療機器メーカー、ヘルスケアスタートアップ企業、CRO等)の双方に恩恵をもたらす次世代型の治験である。

米国ではすでに分散型臨床試験の普及が進んでおり、今後も拡大してくことが予想される一方で、日本の分散型臨床試験の普及速度は遅い。しかし、我々はCOVID-19の感染拡大によって様々な場面でデジタルテクノロジーの普及の恩恵を受けることとなり、変化を当たり前のものとして受け入れる力が備わった。まさに今が、日本のヘルスケア・ライフサイエンス産業に従事する我々が分散型臨床試験について思索し、普及に向けた舵を取る最適なタイミングであろう。

本書では、まず第二章でヘルスケアにおける地殻変動を取り上げ、ヘルスケアのデジタル化と治験の変化に焦点をあてる。第三章では分散型臨床試験の定義を述べ、分散型臨床試験がもたらす定性的・定量的な価値に言及する。第四章では、先行的に分散型臨床試験が普及している米国を取り上げ、普及の成功要因を考察する。第五章では日本における分散型臨床試験の現状を踏まえ、普及に向けた課題と解決策を考察する。最後に、第六章では分散型臨床試験の普及に向け、各プレイヤー(規制当局・ライフサイエンス企業・医療機関・テック企業)に対する提言をまとめている。

今となってはパンデミック以前の働き方の想像がつかないように、治験においても分散型臨床試験が一般的となる時代がくると筆者らは確信している。本書が本邦の分散型臨床試験の普及の一助になれば幸いである。

 

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治験のデジタル変革がもたらす価値 〜国内の分散型臨床試験発展に向けて〜
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