調査レポート

児童福祉施設における感染症マニュアル

本調査研究は、児童福祉施設や児童福祉に関する事業については、新型コロナウイルス感染症に限らず、今後、重大な感染症の拡大に備えて、感染症対策の必要な知識を具備し、感染防止対策を適切に実施できるよう、感染症対策を行う児童福祉施設向けの感染症対策マニュアルを作成しました。

調査研究事業の背景・目的

これまでに、先行研究の中で、国や行政(地方自治体)、関連学会等より感染症マニュアルや手引きが作成され、医療機関や介護施設、保育所等で活用されているところではありますが、「児童福祉施設」向けに特化したものはない現状がありました。

当調査研究事業では、このような背景に鑑み、児童福祉施設の管理者や担当者が活用できることを目的として、「児童福祉施設における感染症対策マニュアル」(以下、マニュアル)を作成し、オンライン研修を通じて普及啓発することになりました。

児童福祉施設における感染症対策マニュアル(1.1MB,PDF)

調査研究事業の内容

当調査研究事業で行った具体的な活動としては、
1.検討委員会の設置・開催
2.児童福祉施設を対象としたアンケート調査およびヒアリング調査
3.児童福祉施設における感染症対策マニュアルの作成
4.児童福祉施設関係者への普及啓発(オンライン研修)
の4つです。

感染症対策については、先行研究も豊富であり、まずは先行研究の全体を整理しました。

感染症対策の基本的知識や感染症対策全般に関する事項については、最低限の引用を行い、児童福祉施設ならではの視点として、施設の特性(入所/通所)、施設利用者の生活場面や障害の有無等に着目し、感染管理として配慮すべき点やゾーニング、関係各所との連携を行うにあたっての基本的事項を整理しました。

ガイドラインは大きく三章の構成とし、第一章は全施設に共通する感染症の基礎知識・基本的事項を最低限の記載と引用を行いました。第二章は児童福祉施設全般に係る事項とし、児童福祉施設全般の感染症対策について記載しました。

第三章は施設別の感染症対策についてポイントを記載しました。

児童福祉施設においては、医療専門職(医師・看護師・保健師等)が常駐しているの施設ばかりではないため、内容面のわかりやすさに留意しつつ、有識者委員の助言や指導を元にとりまとめを行いました。

アンケート調査については、児童福祉施設約3,500に郵送し、30%の回答をいただきました。ヒアリング調査については児童福祉施設の種別ごとに実施し、結果をマニュアルに反映しました。

マニュアルのコンテンツを元に、2022年3月にはオンライン研修を実施し、約200名の参加がありました。

まとめ

本事業で作成したマニュアルが、児童福祉施設関係者への一助となれば幸いです。

なお、このマニュアルについては、同じものが厚生労働省のHPにも掲載される予定です。

広く児童福祉に関わる方や児童福祉に関心を持つ方も是非ご参照ください。

本調査研究事業に関するお問合せ先

お問い合わせフォームよりお願いします。

赤木 匠 |シニアマネジャー

有限責任監査法人 トーマツ
リスクアドバイザリー事業本部 パブリックセクター
E-mail : takumi.akagi@tohmatsu.co.jp

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