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調査レポート
児童福祉施設における事業継続ガイドライン
本調査研究では、新型コロナウイルスに限らず感染症や、災害によって児童福祉施設等の運営に重大な影響を及ぼす非常時の対策の在り方や児童福祉施設等におけるBCP(業務継続)の在り方について、手引書を作成しました。
調査研究事業の背景・目的
これまでに、先行研究の中で、国や行政(地方自治体)等より業務継続計画(BCP)作成に関するガイドラインや必要書式が整備され、医療機関や介護施設、障害福祉サービス事業所等で活用されているところではありますが、「児童福祉施設」向けに特化したものはない現状がありました。
当調査研究事業では、このような背景に鑑み、児童福祉施設の管理者や担当者が活用できることを目的として、「児童福祉施設における業務継続ガイドライン」(以下、ガイドライン)を作成し、オンライン研修を通じて普及啓発することになりました。
調査研究事業の内容
当調査研究事業で行った具体的な活動としては、
1.検討委員会の設置・開催
2.児童福祉施設を対象としたアンケート調査およびヒアリング調査
3.児童福祉施設における業務継続ガイドラインの作成
4.児童福祉施設関係者への普及啓発(オンライン研修)
の4つです。
業務継続計画については、先行研究もあり、まずは先行研究の全体を整理しました。また、児童福祉施設関係者へのプレヒアリングからは、「平時の備えと訓練が重要」、「事業継続計画をどのように策定すればよいかのノウハウが施設にない」などの声もあり、事業計画策定担当者に向けて、手順や必要な書式(フォーマット)などを充足させることなどにも留意して調査研究を行いました。
このガイドラインで取り扱うリスクは感染症(新型コロナウィルスを含む)、地震、風水害とし、それぞれの特性に分けてポイントを整理しました。
ガイドランは五章の構成とし、第一章はBCP の基礎知識、第二章は章では、感染症の拡大時や災害の発生に先立って事前に対策すべき事項について記載しました。
第三章では対象とするリスクに応じて、 BCP の発動からタイミング別に対応すべき事項を整理し、第四章ではBCP の策定後、訓練や 検証 を 行う事業継続マネジメントについてまとめ、第五章では児童福祉施設別のポイントを整理しました。
ガイドラインの巻末には参考資料として、業務継続計画策定にあたって利活用できる資料や書式をひな形で添付しています。
アンケート調査については、児童福祉施設約3,500に郵送し、30%の回答をいただきました。ヒアリング調査については児童福祉施設の種別ごとに実施し、結果をガイドラインに反映しました。
ガイドラインのコンテンツを元に、2022年3月にはオンライン研修を実施し、約200名の参加がありました。
まとめ
本事業で作成したガイドラインが、児童福祉施設関係者への一助となれば幸いです。
なお、このガイドラインについては、同じものが厚生労働省のHPにも掲載される予定です。
広く児童福祉に関わる方や児童福祉に関心を持つ方も是非ご参照ください。
本調査研究事業に関するお問合せ先
お問い合わせフォームよりお願いします。
赤木 匠 |シニアマネジャー
有限責任監査法人 トーマツ
リスクアドバイザリー事業本部 パブリックセクター
E-mail : takumi.akagi@tohmatsu.co.jp