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中国における日系企業への支援策

APリスクアドバイザリー メールマガジン

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の問題の顕在化から、間もなく1年を迎えようとしています。日本では、第3波が本格化してきている環境下と認識されていますが、中国の状況、中国の経済環境、日系企業の対応について、本稿で概要をお伝え出来ればと考えています。まずは、直近の特徴的な中国における各指標を簡単にご紹介します。

  • IMFが2020年の中国GDP成長率を1.9%に上方修正。修正要因として、経済活動が予想よりも早く正常化している点としています(10月13日公表)
  • 10月の新車販売台数は、前年同月比12.5%増の257万台、7か月連続のプラス成長となっており、5月から2桁成長を維持しています(中国自動車工業協会)
  • 1月~10月の不動産開発投資は、前年比6.3%増の11兆6,556億元(約185兆円)、不動産販売額は前年比5.8%増の13兆1,665億元(約210兆円)と、投資の回復基調が続いています(中国国家統計局)
  • 1月~10月の宅配便取扱量は、前年比29.6%増の643億7,798万件、2019年の通年取扱量を既に上回っており、オンラインサービス活況に貢献しています(中国国家郵政局) 
  • 11月17日現在で、中国元が対ドルベースで2年5か月ぶりの高値を更新しています(1USドル=6.5519元)

業種によって回復状況はまだら模様であるものの、経済環境は総じて上向きトレンドにあると感じます。今回は、内部管理体制強化(ガバナンス強化)を中心に、日系企業の取り組みをご紹介出来ればと思います。

そもそも、中国は日本の約25倍の国土面積があり、地域ごとの多様性受容、遠隔対応・管理を前提とした仕組み作りが重要であることは過去から重要な経営課題でしたが、今回のCOVID-19対応を受けて、更に優先度が高まっていると感じます。

内部管理体制強化にあたっては、品質管理同様に「PDCAサイクル」が重要であると考えています。PDCAを明確に定義しているわけではありませんが、以下、プロジェクトで使用している場合の分類例示です。

 P: 管理ルール策定・再定義、社内周知
 D: 実務運用・定着
 C: 客観的な実務確認・論点識別
 A: 改善活動

現在のように不確実性が高い環境下では、「P:自社管理ルールの再定義が必要ではないか、経営目標の達成に向けたルール修正が必要なのではないか」と考えられる経営者が増えて来ていると感じられます。以下は、製造業を例とした標準的なビジネスプロセスであり、各プロセスに係るご相談の多いルールを例示しています。

中国日系企業は、日本と比較して管理人員が限定的となるケースが多いため、仕組みで図の①~⑤の実務運用 を担保する事が重要となります。各プロセスの実務運用上のインプット情報が適切でなければ、後工程情報・アウトプット情報の誤りを招き、ひいては経営判断を誤る事になりかねません。インプット情報の適切さ・確からしさを担保するのは、良好な内部管理体制にあると感じます。加えて、中国法規制や取引商習慣、インダストリーごとの特性を踏まえたルール再定義が必要になることから、日本親会社・中国統括会社の関与、全中国拠点の関与を取り仕切る強固なリーダーシップも必要不可欠となります。

デロイト トーマツ グループでは、デロイト中国が擁する自動車業界、金融業界、医薬業界をはじめとしたインダストリーごとの専門チームと連携し、ITセキュリティなどの特定領域に経験豊富なプロフェッショナルメンバーとともに、更なる成長を図る多数の日系企業をサポートしています。私たちは、「PDCAサイクル」を通じ、優先順位を付けつつ、それぞれの企業の実務実態に適した継続的なビジネスプロセス高度化活動をこれからも支援していきます。

著者:石井雅規

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