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ISO14001

環境マネジメントに関する国際規格

ISO14001とは組織が自らの活動、製品及びサービスが環境に及ぼす影響をマネジメントし、環境保全及び汚染の予防を行い、継続的に改善するための環境マネジメントに関する国際規格である。ISO14001 規格には要求事項が18 個あり、その相関図を参考にしながら審査登録の動向等を含めて説明する。

ISO14001とは

ISO14001とは環境マネジメントに関する国際規格で、組織が自らの活動、製品及びサービスが環境に及ぼす影響をマネジメントし、環境保全及び汚染の予防を行い、継続的に改善するための規格である。
(2004年11月に1996年版から2004年版へ改訂された。)

 言い換えると、図のような「環境に関する目標を達成するための仕組み」と言える。
 ISO14001規格には要求事項が18個あり、それを図に表した。以下にその解説を加える。

(1) トップの役割

• 環境方針を定める。
• 環境管理責任者を任命するとともに、環境マネジメントシステ ムを構築及び運用するにあたって必要な経営資源を投入する。
• 環境マネジメントシステムを定期的に見直す。

(2) 現状分析

• 自社の活動と環境との関わりを調査し、重点的に管理すべき項目(以下重点管理項目という)を特定する。
• 環境法規制調査を実施し、自社に適用される環境法規制を特定する。

(3) PLAN

• 特定された重点管理項目をもとに環境目標及び実施計画を設定する。

(4) DO

• 環境目標達成に向け、実施計画通りに活動する。

(5) CHECK

• 実績と環境目標を定期的に対比し評価する。
• 環境法規制やルール遵守状況などのチェックを実施する。

(6) ACT

• 問題点について対応策を策定・実行し、環境目標達成を目指す。

(7) その他

• 教育やコミュニケーション、内部監査、文書・記録管理など、PDCA を実現するための補完的なルールを導入し、実施する。

上記のような要求事項を持つ ISO14001を導入することにより、 PDCA サイクル(Plan、Do、Check、 Act)による継続的改善のしくみが導入され、結果として環境負荷の低減や環境事故の未然防止、社員の意識改革、コストの削減、売上アップなどが実現できる。

 

ISO14001 に関する審査登録制度と審査登録の動向

ISO14001 の要求事項に適合していることを審査登録機関が審査し、適合していればその事業者を登録し、公表する制度を環境マネジメントシステム審査登録制度という。

ISO14001 の審査登録件数は、2008年12月末日現在、20,777 件であり、取得件数は右肩上がりになっている(参考;1998年末日現在1,216件、2003年末日現在11,789件)。

また、ISO14001 認証取得企業の業種別構成比は、各種製造業をはじめ、建設業、サービス業など、さまざまな業種にまたがっているのが特徴であり、大手製造業から中堅・中小企業へ取引先からの要望に対応することを目的に取得するケースが増えている

ISO14001 を認証取得するためには?

ISO14001 の認証取得を目指す企業は、18 個の規格の要求事項を実現しなければならない。要求事項の基本要件を大別すると、次の4つになる。

• 環境に関する現状分析の実施
• 環境目標管理の仕組みの導入
• ルールの確立・運用
• 記録の作成

ISO14001認証は3年間有効である。認証を継続したい企業は3 年ごとに更新審査を受審して合格しなければならない。また、毎年(もしくは半年に1 度)維持審査も受審する必要がある。

ISO14001のファミリー規格

(1)ISO14001:2004環境マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引

認証用の規格で、環境保全及び汚染の予防を実現するための環境マネジメントシステムの規格である。

(2)ISO14001:2004 環境マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引(附属書A)

ISO14001 の規格の誤った解釈を避けるために、ISO14001 の利用指針を述べている。

(3)ISO14004:2004 環境マネジメントシステム-原則,システム及び支援技法の一般指針

環境マネジメントシステム構築のポイントを述べたもので、認証用の規格ではない。

 

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