2024年世界租税政策調査(Tax Policy Survey) ブックマークが追加されました
調査レポート
2024年世界租税政策調査(Tax Policy Survey)
未来に焦点を当てて
5つのグローバルな租税政策テーマという視点から、世界的に注目されている主要なトピックを調査
本調査について
Deloitteは1,000人以上の企業の税務・財務担当幹部を対象に「2024年世界租税政策調査」を実施しました。さまざまな業種、地域、規模の企業を代表する回答者から、5つの主要テーマが世界の税務環境を形成する上でどのような影響を与えているか、またこれらのテーマが業界リーダーの目にどのように映っているかについての見解を調査したものです。
透明性、デジタル化、国際税制改正、仕事の未来、気候変動と持続可能性が世界中の企業に与える影響を明らかにします。以下のレポートをご一読いただき、これらのテーマが世界のビジネスに現在どのような影響を与えているか、また、将来のビジネスにどのような影響を与えると期待されているかをご確認いただく一助になりましたら幸いです。
世界を形成している5つの世界的な租税政策テーマの影響を探る
政策テーマの詳細
■透明性とレポーティング
税に関する公的レポートの増加を期待する回答:Yes 70% No 30%
<主な調査結果>
企業に対して税に関する透明性を高めるよう求める圧力が高まっていることから、これは税務リーダーにとって最大の問題となっている。ほとんどの企業は、国別報告書の開示制度により、税の透明性に関する情報開示が増えると予想しており、多くの企業が、今後、現行ルールで義務付けられている以上の報告が求められるようになると想定している。
■税務のデジタル化
税務コンプライアンスにおけるAIへの期待:期待 66% あまり期待しない 30%
<主な調査結果>
税務プロセスのデジタル化がより広範になるとの一般的な認識があり、また、Tax Administration 3.0(「Tax just happens(税が単に発生する)」ようなデジタル化モデル)に向けて緩やかに進展しているとの感触がある。回答者は、今後3年間の税務コンプライアンスにおけるGenAIの利用については(多くの場合はかなりの人的監視が必要であるものの)概ね楽観的だが、期待されるメリットについてはやや慎重である。
■国際税制改正
第2の柱のもとで、より複雑化すると予想しているか?:Yes 54% No 45%
<主な調査結果>
第2の柱は明らかに勢いを増しており、回答者の多くが、今後3年間のうちに実施されると予想している。これにより税務の複雑さが増すと予想する意見と、既存の措置の「整理」を通じて簡素化が行われると考える意見に分かれている。第2の柱は、表面税率の(引下げ)競争に終止符を打ったかもしれないが、多くの回答者は、第2の柱と整合的な税制優遇措置に関する新たな形態の競争の出現を期待し、歓迎している。
第2の柱に関する詳細についてはこちら(英語)を参照してください。
■仕事の未来
回答によると海外でのリモートワークについて主に次のような懸念が抱かれている:
Corporate Tax 75% ; Employee Taxes 65% ; VAT 48%
<主な調査結果>
国際的なリモートワークは、柔軟性と移動性の向上から生じる税務および法的リスクを管理する組織にとって重要な課題である。全体として、回答者は主に海外でのリモートワークが法人税に及ぼす影響を懸念しており、従業員への課税と社会保障の問題がそれに続いた。
■気候と持続可能性
EUの炭素国境調整措置 (CBAM) の影響を受けるか:Yes 79% No 21%
<主な調査結果>
さまざまな環境税の中で、エネルギー消費税が回答者に最も大きな影響を与えている。この調査により、炭素価格制度に理論的に期待される便益 (気候変動緩和、明確な技術) と、これらの制度の実際の運用に関する課題 (高いコンプライアンス・コスト、複雑な法律、限定的なガイダンス)との間の重要な緊張関係が存在することが明らかになった。