Posted: 28 Jun. 2024 4 min. read

未来創造に挑む人の勇気に寄り添い、その行動をプロボノで支える

Just Do It‼地域イニシアチブ(JDI)の活動紹介 Vol.1

私たちは、デロイト トーマツ グループ横断の「プロボノチーム」 です。 

2011年の東日本大震災をきっかけに、社会課題や地域課題に向き合っている個人の取り組みや団体の活動に対して、「何か力になれないか?」という想いを持った社内外の仲間たちが集まり、それぞれが持つ専門性やアイディア、ネットワークを掛け合わせ、解決に向けた具体的なアクションを起こしてきました。

そこで今回より、我々JDIの活動をご紹介するコラムを配信します。

JDI活動紹介動画はこちらから:https://youtu.be/WLH3dc28H1M

 

まずは、2024年元旦に発災した能登半島支援に対する活動支援を軸にシリーズでご紹介します。

発災2週間後より現地に入り、以降可及的速やかに且つ持続的にできる活動を石川県七尾市の皆さまと毎週協議を重ねてきました。

現場の課題を一次情報で知り、何ができるかを地域と一緒に考える支援活動の一つとして、石川県七尾市にある矢田郷地区まちづくり協議会主催の「YATAGOUビレッジセカンド大学」(生活に根付いた地域課題の解決策を共創する場)の企画・運営サポートを開始しました。

 

今回は、2024年5月14日に開講した本大学のセッションの様子をお伝えします。「兆しが見える拠点づくり」 を目指し、避難所運営をされている皆さまとの対話から感じたレポートです。

 

第1回目のセッションテーマは「YATAGOUビレッジセカンド大学から始まる復興のステップ」とし、矢田郷まちづくり協議会会長の飯田伸一さん、同じく事務局長の関軒明宏さんにご登壇頂き、デロイト トーマツ コンサルティング福島復興チームの小池英之がインタビュワーを務めました。

 

(左から、関軒さん、飯田さん、デロイト トーマツ コンサルティング小池)

矢田郷避難所のこれまでの運営経緯、生じた課題

令和6年能登半島地震発生時、石川県七尾市の矢田郷避難所では、発災直後は800人の被災者が避難所に押し寄せ、現在も自宅の全壊・半壊の被害を受けた約40名の避難者が残っていること、発災からの5日間が特に大変で、電気・暖房は使用できたがトイレの問題が大変深刻であったこと、地方からの応援職員や支援に来てくれた人が輪を広げてサポートに入ってくれたことなど、当時のリアルな避難所運営や生じた課題等についてお話くださいました。行政の支援もままならない中での避難所運営は相当大変であったことを改めて思い知らされました。

 

「コミュニティ拠点」としての避難所運営

1月から3月は避難所運営で精一杯であった中で、単なる避難所管理・運営ではなく、避難者のケアも重要視してきたとのことです。一方で、避難所への避難者だけでなく在宅避難者へのケアも本当はできたのではないか?という課題もあるようです。

興味深かったのは、外部からの支援者が七尾よりさらに先の奥能登へ行こうにも道路が寸断されて行けない分の物資を矢田郷避難所が受け入れるということを経験し、「能登半島全体の支援物資を矢田郷避難所が集積地となり受け取っている」という使命感にも似た意識に変化したとのことです。

大規模災害時は、行政は民間への支援等は手が回らない・機能しないことを前提に、行政ができないからこそ民間でサポートし被災者と向き合うべきだと話すその姿勢に、大変感銘を受けました。

 

これから矢田郷地区が必要な取り組みや求めるプレイヤー、YATAGOUビレッジセカンド大学の在り方

今後矢田郷まちづくり協議会としては、七尾・矢田郷地区を応援し続けてくれる外部の支援者のファンや一緒に楽しんでくれる仲間を増やしたい、また七尾の若者に対して自らが前向いて頑張っている姿を見せることで「一緒に頑張ろう」という働きかけとなり、そのきっかけの1つとして、YATAGOUビレッジセカンド大学という有意義な場所を活かしたいという想いをお話しくださいました。

そのためには、矢田郷を良くしたいという想いがあれば老若男女誰でも構わない、それぞれの特性や考え方の中で、それぞれが持つ異なる課題を共有し合うことも大切であること、また決して地域の課題を解決できる人でなくても、「こんなことに困っている」と声を挙げることだけでも十分に意義があるとの言葉には、「それなら自分も何か復興に携われるのではないか?」と思えた方もいたかもしれません。また、「復興」は人や組織によって考え方が違い、その違いを受け入れながら進めていく必要があるのだと気づかされました。

 

総括

これまでYATAGOUビレッジセカンド大学や矢田郷まちづくり協議会は、行政が地域や住民への支援になかなか手が回らない中で民間だからこそできる取り組みを続けきましたが、今後も積極的に外部の人を巻き込みながら、地域を応援してくれる人を増やしていく必要があります。そのためには、YATAGOUビレッジセカンド大学はじめ能登復興に携わるメンバーがエンジンとなり、「復興とは何か?」「何ができるのか?」「誰の笑顔のためなのか?」を考えてほしいというメッセージを伝え、本イベントは閉幕しました。

 

(能登半島を表すポーズで記念写真)

執筆者

Just Do It‼地域イニシアチブ

代表 百瀬 旬(デロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社)
メンバー 平井 美那子(デロイト トーマツ グループ合同会社)

※ 執筆者の社名・肩書は執筆時のものです。

 

JDI活動に関するお問い合わせはこちらから:info_jdi@tohmatsu.co.jp

 

関連ブログ:東日本大震災後に三陸沿岸で体験した「ことばの力」

JDI活動紹介動画:https://youtu.be/WLH3dc28H1M

デロイト トーマツ グループのWell-being(ウェルビーイング)