Posted: 14 Jan. 2025 2 min. read

性と生殖に関する健康と権利(SRHR)を推進する公益財団法人ジョイセフへのプロボノ支援

CSRプロボノ支援

デロイト トーマツ コンサルティング(以下、デロイト トーマツ)は2022年4月より約半年間にわたり、SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights:性と生殖に関する健康と権利)を推進する日本生まれの国際協力NGO団体 公益財団法人ジョイセフ様の中長期マネジメント戦略策定に向けたプロボノ支援*1を実施いたしました。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、中長期的な経営の見通しが不透明に

ジョイセフ様はマネジメント体制の変更を予定されていた中、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴い財務状況の見通しも難しく、中長期的な経営計画が不透明になっていました。

デロイト トーマツのプロボノチームは経営体制の強化と財政基盤の安定化に向けて、10名以上の団体職員様にヒアリングを実施し、団体が抱える問題・課題の整理を行いました。そしてその結果を受け、マネジメント体制の見直しと中長期計画(基本戦略、事業別・機能別戦略、財務計画)の策定をご支援しました。

 

「ありたい姿」から逆算するマネジメント体制の検討

本プロジェクトではフレデリック・ラルー氏が提唱する5つの組織モデルを例に、マネジメント体制の「ありたい姿」の言語化・共通認識の形成を進めました。

ラルー氏は組織変革の専門であり、著書『Reinventing Organizations』の中で、組織モデルを圧倒的なリーダーによる独立採算的な組織(レッド)から、権力を集中させたリーダーを持たず組織の目標達成に向かい各メンバーが意志決定をおこなう分散型の組織(ティール)の5つに区分しています。どのような組織モデルが適しているかは、組織の目的や考え方によって異なります。プロジェクト内では他組織の事例や各組織モデルのメリット・デメリットを整理し、議論を重ねながら最適解を追求しました。

 

団体の成熟度に応じたファンドレイズ戦略・財務計画の策定

また中長期計画をより具体的かつ実現可能なものとするために、ファンドレイズ戦略および財務計画の見直しも実施しました。

多くのNPO/NGOにとってファンドレイズに関する課題は避けては通れません。しかしどれくらいの寄付金収益を目指すべきか、そのためにどのような施策が有効かは団体の成熟度によっても異なります。本プロジェクトでは他の非営利団体のファンドレイズ戦略のベストプラクティスを調査し、「クライアントの今」に必要なアクションを提案しました。

そして団体全体として今後目指す収益規模と資金獲得方法のバランスの精査も実施しました。

コロナ禍で先の見通しが不透明な中、足元の財務状況を見直すことは決して簡単な議論ではありません。クライアントのマネジメントメンバーの皆様には週次にてお時間をとっていただき、細かな議論を繰り返し行いました。組織の現状を定量的にも分析することで、共通認識されたビジョンに対する各部署の事業計画との整合性をより高めることにつながりました。

 

【公益財団法人ジョイセフ】

日本の母子保健・家族計画の経験を開発途上国に活かすことを目的に、1968年に設立された国際協力NGO団体。設立以来、すべての人が質の高いセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRHR)の情報とサービスを受けられるよう、アフリカ、アジア、日本を含む40以上の国と地域で支援活動を推進。

*1プロボノ支援とは、専門知識・スキル等を生かして、資金や人材が不足している非営利団体に向けて無償で提供される支援