Posted: 08 Nov. 2022 3 min. read

研究で得た知見を社会実装し、世の中のためになるような活動を目指して

シリーズ:「早稲田大学 サイバーセキュリティ寄附講座を振り返って」第3回

デロイト トーマツ サイバーでは、早稲田大学に対してサイバーセキュリティの専門家による寄附講座を提供しています。本シリーズ(全3回)では、本寄附講座の意義について早稲田大学のご担当者へのインタビューと、受講者であり、現在はデロイト トーマツ サイバーでサイバーセキュリティの専門家として働くメンバーへのインタビューの模様をお届けします。

——サイバーセキュリティの寄附講座に参加されていますが、参加しようと思ったきっかけや受講した感想について教えて下さい。

大学の研究室でサイバーセキュリティ関連の講座が開かれることを教えてもらったのがきっかけです。

子どもの頃からインターネットを当たり前のように使っていましたが、自分自身がネットワークの仕組みをきちんと理解していなかったため、安心して使うことができませんでした。

もっとネットワークのことを知りたいと考え、大学では情報工学を専攻しサイバーセキュリティの研究室に入りました。そして授業や研究活動を通じて、コンピュータやネットワークの仕組み、セキュリティの技術について理解しました。しかし、それが実社会でどのように活用されているのかは分かっていませんでした。

講座を受講してみて、サイバーセキュリティに関して学んでいた各技術が実社会でどのように使われているのかを知りました。また、攻撃者のインフラの話や個人情報が取引される裏のビジネス、法整備の現状など、サイバーセキュリティの全体を捉えることができました。

実社会におけるサイバーセキュリティの重要性を再認識し、セキュリティの技術が活用される場面を知ったことで、サイバーセキュリティの領域で働くイメージをより具体的に持つことができました。そして、サイバーセキュリティに関する研究者を将来の仕事にしたいと考え、就職活動を行いました。

森 啓華/Keika Mori
大学院ではユーザのパスワード生成に関する研究に従事。入社後は企業のプライバシー対応、主にプライバシーポリシーの公表に焦点を当てた研究を行っている。

 

——現在、デロイト トーマツ サイバーで働かれていますが、デロイト トーマツを選んだポイントを教えて下さい。

私は、ビジネスで活かせるサイバーセキュリティの研究に携わりたいと考えていました。デロイト トーマツはプロフェッショナルファームとして知られていますが、サイバーセキュリティ先端研究所も持っており、その研究成果を使って社会に貢献もしています。そこにとても共感し、こういった環境で働きたいと思いました。

研究所では、企業のプライバシー対応に関する研究と、衛星のサイバーセキュリティに関する研究の2つのテーマに取り組んでいます。

企業のプライバシー対応に関する研究では、プライバシーポリシーの公表に焦点を当て、各企業がどのようにプライバシーポリシーを運用しているのか分析・評価しています。衛星のサイバーセキュリティに関する研究では、衛星の通信において必要になるサイバーセキュリティの知見を調査・検討しています。民間企業がロケットを開発している時代において、衛星はこれまで以上に注目されると思います。現在、衛星をどのように活用するのか、どうやって軌道に乗せるのかといった部分が着目されていますが、今後は衛星との通信の安全性がより重要になってくるでしょう。私たちの研究は、そういった時代にとても重要になると考えています。

現在は研究成果を国内学会や国際会議で発表していますが、将来的にはそれらを社会実装し、実社会の課題を解決するような活動も行っていきたいです。また、社会に必要なテーマについても自身で見つけられるようになれたら良いと思っています。

サイバーセキュリティはネットワークやIoTといった技術に加えて、法規制や組織体制まで幅広い領域に関係します。それらを体験できていることが、とても楽しいですね。

 

——デロイト トーマツ グループの特徴について教えていただけますか。

特定分野に特化している企業の場合、どの領域を専門にするのか、あらかじめ決断しなければいけませんが、デロイト トーマツ グループではさまざまな領域にチャレンジできる環境があります。

デロイト トーマツ サイバーにはアドバイザリーサービスやコンサルティングサービスを提供するユニットだけでなく、技術面に特化した研究所、レッドチームサービスやサイバーインテリジェンスサービスを提供するチームなどがあり、サイバーに関するキャリアの選択肢が幅広く用意されています。入社後の異動も可能で、その点は非常にメリットがあると思っています。それぞれのチームで挑戦・成長できる環境が整っており、研究所では社会人博士として大学院博士後期課程に進学するチャンスがあります。現在私も博士後期課程に在学しており、仕事と博士課程の両立にチャレンジしています。

また、いろいろな業界や企業のお客様と交流できるのも特徴だと思います。そういった点でも面白く、やりがいがある会社だと思います。

—ありがとうございました。