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ナレッジ
デロイト トーマツ グループにおける「個人の独立性」
デロイト トーマツ グループの社職員とそのご家族が保持しなければならない「個人の独立性」について分かりやすくまとめておりますので、「個人の独立性」の理解を深め、独立性に関する法令規則等の遵守にご協力をお願いします。
デロイト トーマツ グループに適用される個人の独立性ルール
「独立性」とは
独立性とは、監査クライアントとそのグループ会社など(以下「監査クライアント」という)に対し、独立した第三者としての客観的な立場を精神的にも外観的にも保持している状態をいいます。
誰が「独立性」を保持しなければならないか
デロイト トーマツ グループのパートナーおよびプロフェッショナル・スタッフ、ならびに、それらの家族*1は、独立性の保持が求められます。
デロイト トーマツ グループにおけるプロフェッショナル・スタッフとは、監査業務か否かを問わず、プロフェッショナル業務をクライアントに提供する者を指します。
*1家族とは、具体的に次の方が対象になります:
(1) 配偶者またはそれに準ずる者(同性のパートナーや法的に結婚していないパートナーが含まれる場合があります)
(2) 扶養家族(同居の有無は問いません)
なお、ご家族や近親者*2が個人事業主として会社を経営している場合、当該会社においても独立性の保持が求められます。
*2近親者とは、家族の定義に該当しない両親、子供又は兄弟姉妹をいいます。適用される独立性の法令規則によっては、継父母及び継子が近親者の範囲に含まれます。
金銭的な取引関係
「個人の独立性」が求められる金銭的な取引関係とは
デロイト トーマツ グループでは、「個人の独立性」の法令規則などを遵守するため、金銭的な取引関係について独立性の方針を定めています。
デロイト トーマツ グループの金銭的な取引関係に関する主な独立性の方針は以下の通りです。
- お金を預け入れたり、引き出したり、銀行を通して様々なお金のやり取りをするために開設する口座であり、当座預金口座や普通預金口座などがあります。また、投資信託や債券などの資産運用ができる、投資信託口座や総合口座などがあります。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントの銀行口座については、口座の保有を禁止する、口座の解約を推奨する、預金残高を預金保護制度で保護される金額に制限するなどの場合があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、銀行が監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにて口座に関する独立性の方針を確認できます。銀行口座にて投資信託や債券などの金融商品の取引ができる場合、GIMSに登録することが求められます。
- 証券口座は、株式、投資信託、債券などの金融商品を売買するための証券会社の口座です。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントの証券口座については、口座の保有を禁止する、口座の解約を推奨する、口座残高を投資者保護制度で保護される金額に制限するなどの場合があります。また、投資一任型の口座については、デロイト トーマツ グループの社職員及びそのご家族は、保有が禁止されています。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、証券会社が監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにて口座に関する独立性の方針を確認できます。証券口座はGIMSに登録することが求められます。
- 投資関係の例として、株式、投資信託、債券など、証券会社や銀行などを通じて取引する金融商品があります。少額投資非課税制度(NISA)、個人型確定拠出年金(iDeCo)、企業型確定拠出年金(企業型DC)または従業員持株会制度などを通じて取引される金融商品も含まれます。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントに関する金融商品の取引については、投資が制限される場合があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、証券会社株式、投資信託、債券などが監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにて株式、投資信託、債券などに関する独立性の方針を確認できます。株式、投資信託、債券などはGIMSに登録することが求められます。
- 保険の例として、生命保険、火災保険、自動車保険等があります。保険には、契約の時点で保険金や解約返戻金、満期保険金(「保険金等」)の金額が確定している定額保険と、特別勘定における投資信託等の運用実績によって保険金等の金額が変動する変額保険があります。保険会社と変額保険で運用される金融商品に対しては、独立性の保持が求められます。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントに関する保険契約については、新規の契約を禁止する、契約にあたり一定の条件が設けられる場合があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、保険会社または変額保険で運用される金融商品が監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにて保険に関する独立性の方針を確認できます。変額保険はGIMSに登録することが求められます。
- 様々なブランド(Visa、Mastercard、American Express、JCBなど)のクレジットカードがありますが、カードの発行会社や保証会社(返済滞留の際に、代位弁済する会社)に対して、支払いまでの間に一時的に債務が発生するため、独立性の保持が求められます。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントが発行または保証するクレジットカードについては、保有が禁止される、解約が推奨される、または、使用にあたり一定の条件が設けられる場合があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、クレジットカードの発行会社と保証会社が監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにてクレジットカードに関する独立性の方針を確認できます。
- ローンには、住宅ローンや自動車ローン等のローン契約の他、当座貸越が含まれます。ローンおよびローンの保証契約にあたり、契約を締結する金融機関が「個人の独立性」の対象となります。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントに関するローンまたはローンの保証については、契約が禁止される、契約のにあたり一定の条件が設けられる場合があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、ローンまたはローンの保証に関する金融機関が監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにてローンおよびローンの保証に関する独立性の方針を確認できます。
- スマートフォンにインストールしたアプリで決済を行うキャッシュレス決済(PayPay、楽天ペイ、d払い、au Payなど)であり、当該決済サービスの提供会社に対して入金時に債権が発生するため、独立性の保持が求められます。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアントに関するスマートフォン決済サービスの利用については、利用金額に制限がかかる場合があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、スマートフォン決済サービスを提供する企業などが監査クライアントに該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにてスマートフォン決済サービスに関する独立性の方針を確認できます。
- 暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上でモノやサービスの対価として利用したり、「円」や「ドル」などの法定通貨と取引所を通じて交換したりできるものです。暗号資産の代表的なものとしてビットコイン(BTC・Bitcoin)やイーサリアム(ETH・Ethereum)などがあります。また、ブロックチェーン技術によって株式や債券などの有価証券をデジタル化したセキュリティ・トークンや、証券取引所に登録されているデジタルアセット・トークン等があります。暗号資産の預託に伴い仮想通貨交換業者との間に債権債務関係が生じること、また、セキュリティ・トークンは発行体に対する投資関係となり得ることから、仮想通貨交換業者やセキュリティ・トークン等の発行体が監査クライアント等である場合は取引及び保有について一定の制約があります。
- デロイト トーマツ グループの監査クライアント等が仮想通貨の交換業者である場合またはセキュリティ・トークンやデジタルアセット・トークンの発行体である場合、特定の場合において、仮想通貨交換業者との取引が禁止される、監査クライアント等が発行体であるセキュリティ・トークン等の保有が禁止される可能性があります。
- デロイト トーマツ グループのパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフは、DESCで検索することによって、暗号資産の仮想通貨交換業者およびセキュリティ・トークン等の発行体が監査クライアント等に該当するか確認することができます。また、デロイト トーマツ グループの内部サイトにて暗号資産およびセキュリティ・トークンに関する独立性の方針を確認できます。
雇用またはその他の関係
ご家族および近親者の雇用など
パートナーまたはプロフェッショナル・スタッフのご家族や近親者が監査クライアントにおいて、取締役や執行役などの役員に就任している場合や会計担当や財務報告を監督する役割を担う場合があります。
そのような場合において、パートナーまたはプロフェッショナル・スタッフが家族または近親者が務める監査クライアントなどに業務を提供することは独立性の問題が生じることから当該パートナーまたはプロフェッショナル・スタッフを業務提供チームから外す場合があります。
独立性の法令規則を遵守するためのシステム
デロイト トーマツ グループでは、下記の内部システムを使用し、独立性ルールへの抵触を防止しています。
DESC(Deloitte Entity Search and Compliance System)とは
独立性が求められるデロイト トーマツ グループの監査クライアントを検索するためのツールです。デロイト トーマツ グループのパートナーおよびプロフェッショナル・スタッフは、DESCを利用して、特定の企業などが監査クライアントに該当するか、どのような独立性の方針が適用されるかなどを調べることができます。
GIMS(Global Independence Monitoring System)とは
デロイト トーマツ グループのパートナーとプロフェッショナル・スタッフならびにそれらの家族が保有する口座や金融商品などを登録するためのシステムです。デロイト トーマツ グループのパートナーとプロフェッショナル・スタッフは、GIMSを利用して、口座または金融商品が監査クライアントに関係するものであるか、調べることができます。登録された口座または金融商品の保有が禁止される場合、アラートが自動で配信されます。
ご家族の皆様へ
デロイト トーマツ グループが独立性の法令規則などを遵守するためには、パートナーとプロフェッショナル・スタッフのご家族の協力が不可欠です。
口座の開設や金融商品の取引などの際は、事前にパートナーまたはプロフェッショナル・スタッフにご連絡いただき、デロイト トーマツ グループの独立性の方針において認められていることをご確認ください。
また、口座の開設、および、株式、投資信託、債券等の金融商品の取得後、速やかにGIMSに登録することが求められます。パートナーまたはプロフェッショナル・スタッフに適宜情報共有いただき、GIMSの登録情報が常に正確かつ網羅的になるようご協力をお願いします。
その他の金銭的な関係や雇用またはその他の関係についても同様に、パートナーまたはプロフェッショナル・スタッフに適宜情報共有をお願いします。
ご提供いただいた情報は、デロイト トーマツ グループの個人情報保護に関する規程及び管理ルールに基づき厳重に管理されます。
また、パートナー及びプロフェッショナル・スタッフは社内の独立性相談窓口に問い合わせることが可能です。
独立性のルールや手続に不明点がある場合は、パートナーまたはプロフェッショナル・スタッフを通じて独立性相談窓口にお問い合わせください。
参考
「個人の独立性」のうち金銭的な関係についてデロイト トーマツ グループの独立性の方針を動画で説明しています。