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コーポレート情報
代表挨拶
監査・保証業務の進化~資本市場のインフラとして健全な経済社会の発展に貢献する~
2025年1月
2024年を振り返ると、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・パレスチナの対立が長期化する中、石破内閣が発足し、米国ではトランプ大統領の再選など国内外で大きな動きがありました。同時に、地球温暖化の深刻さを肌で感じる一年でもあり、気候変動や生物多様性への社会的関心が一段と高まっています。また、生成AIやブロックチェーン技術を利用した情報漏洩やセキュリティ侵害など新たなリスクも顕在化しています。
我々、監査法人の第一の使命は、監査基準等に従って企業の財務諸表を監査し、その適正性に関する意見を表明することにより、投資家、債権者、そして資本市場全体へ信頼と安心を提供することです。また、監査を通じて企業の財務報告能力の向上やガバナンス体制の強化を支援し、ひいては国民経済の発展に貢献することも期待されています。
公益に資するという監査法人の社会的使命は普遍的ですが、社会環境やステークホルダーの期待の変化に伴い、果たすべき役割や保証の範囲は変わり続けています。そして、今まさに不確実性の高まりや人工知能(AI)等の急速な進展を受け、サステナビリティ情報の信頼性確保、人工知能保証など、我々に対する期待が急速に拡大しています。特に、サステナビリティの領域については、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)による開示基準の公開草案の公表を受け、保証制度に関する具体的な議論が大きく進んでいます。
そして、このように社会が大きく変化し、新たな信頼創造のニーズが顕在化している中で、監査を祖業とし、半世紀以上にわたり信頼を積み上げてきたトーマツには、今後も業界をリードし、資本市場のインフラとしての重要な役割を担い続けることへの期待があるものと認識しています。
トーマツは1968年の創立以来、誠実性と独立性を堅持し、幅広く深いインダストリー知見、グローバルネットワーク、そして多様なサービスラインを有し、社会課題の解決に貢献してきました。私たちは「Quality first」を掲げ、高いレベルの品質管理体制の整備や運用によって継続的に業務品質の向上を目指すとともに、グローバル共通のクラウド型業務提供プラットフォーム、AIを利用した不正検知モデル、様々な監査技術を活用した分析ツールなど、品質を高めるためのテクノロジーへの投資を積極的に行っています。また、デロイト トーマツ グループの総合力を業務品質の向上に最大限に活用しています。
このような品質に対する自負と、その品質をもって公益に資するという役割を果たし続けている誇りが、トーマツ社職員一人ひとりの「働きがい」となり、プロフェッショナルとしての成長を促進するという好循環につながっているものと考えています。
私たちはステークホルダーの変化する期待に応えながら、監査・保証業務を進化させ、資本市場のインフラとして、今後も健全な経済社会の発展に貢献するという監査法人としての使命を果たしていく所存です。
有限責任監査法人トーマツ 代表執行役
大久保 孝一