コーポレート情報

代表挨拶

卓越した総合力をもって信頼を構築し、社会に貢献し続けるために

2024年1月

1月1日に発生しました「令和6年能登半島地震」により、犠牲となられた多くの方々に深い追悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

改めて2023年を振り返ると、新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行され、国内での流行が始まってから約3年を経てようやく一区切りを迎えることができました。その一方、気候変動や地政学的リスクの高まり、急激な円安の進行等、経済環境の不確実性の高さを実感する一年となりました。また、デジタル化の進展、生成AI等の実務利用への対応も重要な経営課題となっています。資本市場では、サステナビリティ重視の資源配分に向けた取り組みが強化され、財務情報のみならず非財務情報の重要性が高まるとともに、それらの情報の信頼性確保に対する期待も、ますます大きくなっています。

このような環境下において、我々有限責任監査法人トーマツ(以下、「トーマツ」)に期待される役割は、多様なステークホルダーとの対話により、変化し続ける期待を適時的確に捉え、これに応え続けていくことであると考えています。

2023年12月には、デロイト トーマツ グループ内における組織再編を実施し、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社に監査法人内のリスクアドバイザリー事業の一部を集約しました。当該再編は、それまでトーマツ内にあったリスクアドバイザリー事業のさらなる成長と提供する業務の将来的な一層の多様化を念頭に、公認会計士法に則り、高品質な監査・保証業務を遂行する社会的責任を有している監査法人のあり方を慎重に検討したことによるものです。その結果、トーマツは監査・保証業務とその関連業務等により注力する法人とすることが最適と判断しました。
本再編後も、健全な資本市場の発展に貢献し、経済社会からの期待に応えるために、デロイト トーマツ グループ内の専門家とより一層密接に連携し、高品質な監査・保証業務を持続的に遂行するための組織的な基盤整備を強化していく所存です。

我々トーマツは、信頼の基盤である財務諸表監査、財務報告に係る内部統制監査に加え、非財務情報の保証等、ステークホルダーの投資判断等に重要となる情報の信頼性確保に引き続き貢献し続けてまいります。特に、サステナビリティ領域については、開示拡充、内部統制強化、経営管理の高度化等のアドバイザリー、さらには今後の保証ニーズへの対応に向けて、監査法人だけでなく、デロイト トーマツ グループ一体となって社会の期待に応えていきます。

また、経済社会の発展に向けた新たなあり方やルールの策定にも貢献していきます。トーマツでは、過去から継続して基準設定団体や日本公認会計士協会等との交流を積極的に行って参りました。引き続き、これらを通じてわが国の会計・監査その他資本市場を巡る課題解決に継続的に取り組んでいきます。

さらに、多様なステークホルダーからの期待に応えるためには、あるべき将来像を適切に定義した上で、先んじて変革の道筋を描き、確実な実現を促すことが必要です。AIを用いた不正検知モデル等の活用、データ分析手法のさらなる深化、新たなグローバルベースの監査プラットフォームの利用促進によって、監査のさらなる高度化を実現していきます。特に、急速に開発が進む生成AIについては、監査・保証業務の効率化・高度化のため、実務利用を早期に進めていく所存です。

そして、これらを実現するために最も重要となるのは、多様かつ優秀な「人財」です。高い倫理観と誠実性を最重視した上で、インダストリー知見、グローバル対応力といった能力をより高めるとともに、デジタル、AI等の専門家人財の獲得・活用をグループと一体となって進め、さらには、IPO、地方創生等の社会課題対応に特化した人財の育成にも取り組んでまいります。

様々な領域のプロフェッショナルの叡智を結集し、卓越した総合力をもって変化するステークホルダーからの期待に応えることで信頼をより一層高め、激動の資本市場を守るというトーマツの使命・存在意義を今後も果たし続けてまいります。

有限責任監査法人トーマツ 代表執行役
大久保 孝一

(2024年6月1日より包括代表から代表執行役に変更)

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