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ニュースリリース
デロイト トーマツ調査:デジタル地域通貨、地域貢献が高還元と同程度に利用者にとって魅力
他キャッシュレス決済を導入している店舗ほど地域通貨も導入する割合が高く、両者は共存可能
2023年10月30日
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:木村研一)は、デジタル地域通貨が利用者及び店舗にとってどのような効果をもたらすのか、またどのようにあるべきなのかを検討するため、デジタル地域通貨の利用実態に関するアンケート調査を行いました。本調査は日本全国のデジタル地域通貨利用者1,155名、店舗経営者/運営者1,030名を対象に、2023年4月18日から4月21日にかけて、インターネットモニターを通じて行われました。
地域通貨は、特定の限られた地域やコミュニティー内でのみ流通・利用が可能で、2021年12月時点での延べ立ち上げ数が668、稼働しているものは183となっています。※
※ 参考:泉留維、中里裕美「コロナ禍における日本の地域通貨について-2021年稼働調査から見えてきたもの」(専修大学学術機関リポジトリ)
特に近年、スマートフォンを用いたキャッシュレス決済の浸透を背景に、デジタル地域通貨の導入が増加する一方で、自治体のコスト負担など、「長く続けることが難しい」構造的な課題を抱えた取り組みでもあります。本調査では、利用者にとってのデジタル地域通貨は、「地域貢献につながること」が「高還元」と同じ程度魅力となっていることが分かり、本来の地域通貨が目指すべきサステナブルな仕組みが受け入れられる土壌があることが示唆されました。また、キャッシュレス決済については高還元よりも、利用店舗の多さを重視することも判明し、さらに、商工会や商店街組合に参加している店舗ほどデジタル地域通貨を導入していることも分かりました。自治体などデジタル地域通貨を発行する団体は、デジタル地域通貨を地域を巻き込んだ発信や取り組みの起点にするなど、独自の存在としてレベルアップしていくことで地域活性化につなげていくことが重要です。
<主な調査結果>
デジタル地域通貨は高還元であることと同程度に地域貢献につながることが利用者にとっての魅力
利用者に対して「地域通貨を利用する理由(感じているメリット)は何ですか」という質問に対して、最も多い回答が「他のサービスに比較して高還元(22.7%)」となり、お得に使えるという理由をあげる人が多くなりました。また、地域通貨を利用することが地域の発展や貢献につながることをあげた回答も全年代平均21.0%あり、高還元を目的とした利用者と同程度の回答割合になりました。これは、地域通貨ならではのメリットであり、高還元よりも持続性のある着目すべき重要な要素と言えます。
利用者はキャッシュレス決済に、ポイント還元率を抑え、「利用できる店舗の多さ」を最重視
一般にキャッシュレス決済サービスを利用する際、ポイント還元率の高さは利用者の多くが気にかけている部分です。しかし今回の調査で「決済サービス利用において重視することは何ですか」という質問に対して、ポイント還元率や決済・チャージの手軽さを抑え、利用できる店舗の多さが1位という結果となりました。決済サービスにおいては日常的によく利用する場所で使えるか、その利便性がポイントの還元率以上に重視されていることが伺えます。地域通貨においても利用できる店舗をいかに増やしていくのかが成否に大きな影響を与えることが明らかになる一方、全国で利用できる既存の決済手段と比較して、利用を促進するインセンティブをどこに置くのかをより一層明確にすることが必要と解釈することもできます。
利用店舗拡大のためには、商店街組合や商工会への働きかけが極めて重要
アンケートから、地域通貨導入店舗と地域団体の関与の相関も明らかになりました。地域通貨を導入している店舗の内、39.8%の店舗が商工会や商店街組合など地域の団体に参加し、積極的に関与している一方、地域通貨を導入していない店舗で地域団体に積極的に関与している割合は10.5%にとどまりました。地域通貨の利用店舗を拡大するためには、地域の商店街組合や商工会への働きかけが極めて重要です。
デジタル地域通貨は、他キャッシュレス決済と競合するものではなく、むしろ地域で共存するものである
キャッシュレス決済を導入している店舗ほど、地域通貨を導入しやすい傾向にあることが分かりました。またQRコード決済が他決済手段に比べ普及している点から、QRコード決済を用いるデジタル地域通貨にとっては追い風になると考えられます。これらの結果から、店舗においては地域通貨と他キャッシュレス決済は競合するものではなく、親和性の高い決済手段であることが伺えます。
地域通貨を広げるためには、アナログな広報が重要
デジタル地域通貨を知ったきっかけとして、50.4%の回答者が地域でのイベントや各加盟店に掲載されているチラシなどからその存在を認知しています。アナログな広報がデジタル地域通貨の存在を伝える役割を果たす一方、この結果は「地域住民と自治体のデジタル接点がない」ことの裏返しでもあると考えられます。デジタル地域通貨をきっかけに、地域住民と自治体のデジタルによる接点を作り出す役割も今後期待されます。
(「デジタル地域通貨の構造的な課題と持続可能性」では、地域通貨の構造的な課題を見つめ、持続可能な地域通貨の在り方について考察しています)
デロイト トーマツ グループは、各インダストリーが直面する固有の問題を熟知したプロフェッショナルチームが、知見を広く提供すると共に、クライアントに総合的なサービスを提供しています。そのうちの一つが政府・公共向けサービスであり、サービスの受け手である住民に焦点を当てた公共業務の成果最大化を目指しています。地方経済の活性化をはじめとする自治体が抱える多くの複雑な課題に対し、政策提言、技術戦略、社会実装などのアプローチで、持続可能な都市・地域への転換を支援しています。
<報道機関の方からの問い合わせ先>
デロイト トーマツ グループ 広報担当 菊池、伊藤
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp
デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約1万7千名の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。
Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
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Deloitte(デロイト)は、監査・保証業務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリー、税務、法務などに関連する最先端のサービスを、Fortune Global 500®の約9割の企業や多数のプライベート(非公開)企業を含むクライアントに提供しています。デロイトは、資本市場に対する社会的な信頼を高め、クライアントの変革と繁栄を促し、より豊かな経済、公正な社会、持続可能な世界の実現に向けて自ら率先して取り組むことを通じて、計測可能で継続性のある成果をもたらすプロフェッショナルの集団です。デロイトは、創設以来175年余りの歴史を有し、150を超える国・地域にわたって活動を展開しています。 “Making an impact that matters”をパーパス(存在理由)として標榜するデロイトの約415,000名の人材の活動の詳細については、(www.deloitte.com)をご覧ください。
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