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ニュースリリース
デロイト トーマツ、企業内の暗黙知をデータ化する「AIインタビューエージェント」を開発
AIインタビューエージェントによるリアルな音声対話、自然言語からグラフデータへの自動変換、音声による情報検索などの機能を持つ独自アプリを開発、クライアントサービスで活用
2025年2月13日
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役:神山友佑)は、企業のデータドリブン経営を飛躍的に進展させる方策として様々な人材の中に眠る暗黙知を引き出すAI技術の実装を推進しています。今般、その技術を集約した「AIインタビューエージェント」を開発しました。本アプリは、AIインタビューエージェントによる自然な音声対話から、データの構造化、データ検索までの一連のプロセスを複数のAI技術を用いてプログラム化しています。
昨今の生成AI技術の普及により企業内のデータベースを活用する機会が一層広がる一方で、必要な情報が人の頭の中に眠っておりデータ化されていないケースも多く、データドリブン経営の障壁となっています。そういった暗黙知をデータ化するためには、情報を持つ人自身が文書に書き起こす、第三者によるインタビューで情報を引き出すといった手段が一般的ですが、多忙で時間が確保できない、どのような情報を引き出せばよいかわからない、引き出せる情報の質がインタビュアーの能力に左右されるなどの課題があります。
本アプリは事前に設定されたシナリオに沿ってAIが音声でインタビューを行い、聞き出した情報を構造的に整理するものです。本アプリにより、24時間、場所を選ばず、一定の品質で人とAIの対話を通じた情報取得が多数可能になります。取得した情報は、知識を整理するのに適した「グラフ型データ」と呼ばれるデータ構造でデータベースに格納されます。グラフ型データとは、ノード(頂点)とエッジ(辺)によって構成され、データ間の複雑な関係性を表現するのに適したデータ構造です。情報を検索する際には自然言語で情報を取得することができ、また、データ構造をたどることで検索の精度が高まります。
デロイト トーマツの「AIインタビューエージェント」の主な機能(参照:図1)
AIによる音声インタビューを通じた情報取得および自然言語による情報検索を次の機能で可能にします。
- 音声インタビュー:予め設定されたシナリオに基づいて音声AIがインタビューを行い、自然なかたちで人から情報を聞き出す(テキスト入力との併用も可)
- 会話ログ表示:人とAIの会話内容をリアルタイムにテキストで表示する
- グラフデータ表示:会話内容を大規模言語モデル(LLM)が分析し、グラフデータへ変換し、画面上にビジュアル的に表示
- データ編集:AIに誤認識されてしまった内容を、ユーザが画面上から直接修正する
- データ検索:グラフデータに対して音声で質問を投げかけることで、必要な情報を取得する(テキスト入力との併用も可)
- AIエージェント:ユーザとの対話内容に応じて、インタビューを実施すべきか、グラフデータへの変換を実施すべきか、データ検索を実施すべきかを判断し、複数の処理を自動的に切り替える
図1:AIインタビューエージェント概要
本アプリは、予め設定されたシナリオに応じて音声インタビューを行うため聞き漏らしや話の脱線などを抑えることができ、一定の品質で情報を引き出すことが可能です。また、聞き取った内容を随時整理して会話ログを可視化するため、ユーザが自身の話がきちんと伝わっていることを確認でき、安心感を与えることができます。人に近い声質や人と同等のスピードでの会話でストレスのない対話、時間と場所を選ばないといった利点もあります。さらにグラフRAGという技術により構造化データで情報を管理しているため、情報を検索する際に、断片的な情報だけではなく、関連性のある情報を紐づけて取得することにも特徴があります。
図2:AIインタビューエージェント実行中の様子(例)
(ユーザの業務経験やスキル、資格等の人材情報をインタビューしている様子)
デロイト トーマツでは企業のデジタル変革(DX)に対して戦略策定のアドバイザリーとシステムの開発・導入、保守までの技術サービスを統合的に提供しており、業界や業務の知見を持つコンサルタントとエンジニアが連携しクライアントサービスを行っています。その一環として企業内の暗黙知をデータ化する本アプリをカスタマイズして提供することで、個別クライアントの課題解決やイノベーションの促進を行います。以下のような様々なユースケースが実現可能です。
ユースケース例
- 人材スキル・実績の把握:社員に対して定期的にAIからインタビューを行うことで保有するスキルや経験した業務をデータ化し、適切な人材検索やアサインを可能とする
- 営業ノウハウの共有:優秀な営業社員のテクニックや姿勢等のノウハウを引き出し、ミドルレベルの社員のスキルを向上させる
- ベテランエンジニアの技能伝承:ベテランエンジニアの長年の経験やそれを通じて培った暗黙知を形式知化し、若手エンジニアに伝承することで、後継者を育成する
- 医療診断支援:専門医の診断プロセスや治療方法の選択ノウハウを形式知化し、他の医師の診断スキルを向上させる
デロイト トーマツでは、生成AI領域において全社横断のタスクフォースを組成し、生成AI技術の研究・開発、各プロジェクトへの展開、各プロジェクトからのノウハウの集約・モジュール化を一気通貫で行っており、今回の「AIインタビュー」もその活動の一環として開発しました。他にも、「マルチエージェントアプリ」や「多機能RAGアプリ」、「AIアバター」等の先進技術の開発・研究に日々取り組んでおり、ビジネスへの効果的な生成AI技術の適用を通じて、クライアントのDX化の加速を支援しています。これまで人手で行っていた上記の例を含む様々な業務に対して、人とAIの協働を前提として業務のあり方を見直すことで、人間は人間にしかできないことに注力し、人的資本の価値の最大化を図ります。
<報道機関の方からの問い合わせ先>
デロイト トーマツ グループ 広報担当 内山、菊池
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp
デロイト トーマツ グループは、日本におけるデロイト アジア パシフィック リミテッドおよびデロイトネットワークのメンバーであるデロイト トーマツ合同会社ならびにそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ税理士法人、DT弁護士法人およびデロイト トーマツ グループ合同会社を含む)の総称です。デロイト トーマツ グループは、日本で最大級のプロフェッショナルグループのひとつであり、各法人がそれぞれの適用法令に従い、監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務等を提供しています。また、国内約30都市に約2万人の専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。詳細はデロイト トーマツ グループWebサイト、(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。
Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびそれらの関係法人(総称して“デロイトネットワーク”)のひとつまたは複数を指します。DTTL(または“Deloitte Global”)ならびに各メンバーファームおよび関係法人はそれぞれ法的に独立した別個の組織体であり、第三者に関して相互に義務を課しまたは拘束させることはありません。DTTLおよびDTTLの各メンバーファームならびに関係法人は、自らの作為および不作為についてのみ責任を負い、互いに他のファームまたは関係法人の作為および不作為について責任を負うものではありません。DTTLはクライアントへのサービス提供を行いません。詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。
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