お知らせ

デロイトアナリティクス毛利が人工知能学会全国大会(第36回)で論文を発表

ニュース記事を用いた脱炭素社会に関するトレンドの特定/GPT-2を活用した質問応答タスクへの適応

2022年6月14日(火)~17日(金)に開催された2022年度 人工知能学会全国大会(第36回)で、有限責任監査法人トーマツ デロイトアナリティクス所属の毛利研が、前年度に続き、金融業界の外部専門家とともに論文発表を行いました。

今回発表が行われたのは、従前よりデロイトアナリティクスが取り組んでいる脱炭素社会に関するトレンドを新聞記事より分析する手法の研究と、質問チャットボットをより高度化するための自然言語処理技術の応用に関する研究です。

以下、発表した内容のアブストラクトをご紹介します。詳細に関しては、人工知能学会全国大会のウェブサイトをご確認いただくか、デロイトアナリティクスまでお問い合わせください。

2022年度 人工知能学会全国大会(第36回)
https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2022/(外部サイト)

  • ニュース記事を用いた脱炭素社会に関するトレンドの特定(株式会社国際協力銀行との共著)

脱炭素に向けての動きが世界全体に大きく拡がっている.脱炭素社会の実現への取り組みは,ビジネス継続の最低条件になりつつある.昨今,世界的に注目が高まっている企業の環境などへの取り組みを評価した投資であるESG投資について,気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや企業の脱炭素社会の実現に向けた新たな収益創出の機会を評価するベンチマークに関する評価手法の研究が活発化している.このESG投資の活発化により,脱炭素に関する情報開示が市場からの信頼につながり,企業価値と直接結びつき始めている.また,企業は融資や保険など金融サービスの審査にもその情報が活用され始めており関心が高い.そのため本研究において,各国の脱炭素トピック毎における相対的な進捗度合いを可視化した.具体的には,過去3年間約4,000万件から脱炭素関連に係る記事を抽出,記事に対するBERT埋め込みベクトルのクラスタリングを行い,それぞれのクラスタに対する特徴的な単語をc-TF-IDFを用いて抽出した.その結果,日本に関しては国際的にも「燃料アンモニア」や「CCS (二酸化炭素回収・貯蔵)」が注目されており両分野の保有技術で先行しているものの,政策・規制面で他国より劣っていることが明白になった.

  • GPT-2を活用した質問応答タスクへの適応(第一生命情報システム株式会社との共著)

深層学習アルゴリズムを用いた自然言語処理技術の発展が,近年目覚ましい.Googleが開発したBERTや,OpenAI財団が開発したGPT-xシリーズがその発展に寄与している.いまや文章のカテゴリ分類といったシンプルなタスクのみならず,文章の作成や要約を行う生成系のタスクについても研究が進められている.この実験では,GPT-2を質問応答チャットボットに応用できるか検証するため,GPT-2の事前学習モデルを生成し,さらに質問応答タスクに適応するようファインチューニングした.ファインチューニングには生命保険会社のFAQデータを使用した.結果として,テストデータの約8割で自然な回答,約6割で理想の回答を得ることができた.この仕組みを活用することで,ルールベースとは異なるアプローチで質問応答システムを構成できると考えている.

デロイトアナリティクスでは、事業戦略立案および新規事業の立ち上げ検討に際して、人工知能技術をはじめアナリティクスの活用のためのアドバイザリーを提供しております。また、Emerging Tech に代表されるような先端的技術研究開発を通し、企業様において新たなビジネス領域を獲得、高付加価値なサービスを提供しつつ、それらを拡大するためのアナリティクス組織立ち上げに際する助言、データサイエンティスト人材育成サービスの提供をおこなっております。

 ご関心のある企業のご担当者様は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

執筆者プロフィール

毛利 研 (もうり けん)
有限責任監査法人トーマツ デロイトアナリティクス
マネジャー

人工知能関連の実装能力、業務経験が豊富なだけでなく、機械学習/深層学習に掛かるアルゴリズムの研究開発、同テクノロジーを活用したビジネスモデルの企画、戦略策定、アナリティクス組織立ち上げを強みとする。特に、自然言語処理およびマーケティングオートメーション領域に関して多くの経験を有し、アナリティクス組織への高度化支援やデータ分析活動の助言、データサイエンスの教育事業に従事。

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