調査レポート

Deloitte CFO Signals Japan: 2022Q1

ウクライナ問題で経済環境見通しは悪化

日本における第28回目の実施となったCFO向けの定期サーベイ。本サーベイでは、「経済環境に関する調査項目」で時系列でCFOの意識変化やマクロ的な視点での日本経済及び世界主要国のリスクシナリオに関する意識調査を行い、調査時点での最新の見通しを考察しました。あわせて、日本の独自のホットトピックとして、「時代の転換点におけるCFOの役割」に関する調査に関してお伺いしました。本ページでは、今回のサーベイ結果の中で特徴的な回答結果についてまとめています。(調査期間:2022/5/17~5/27)

Deloitte CFO Signals について

Deloitte CFO Signalsは、デロイトがグローバルレベルで定期的に実施している、企業を取り巻く経済環境に関するCFOの意識調査です。毎回の調査で世界各国CFOの皆様から得られた回答結果を集約し、デロイトの専門家が考察を加え、CFOからの”Signals”として発信しています。日本で行うDeloitte CFO Signals Japanでは、「経済環境に関する調査」において、毎回グローバルで統一の設問を設定しています。それによって日本だけに限らず、グローバルレベルでCFOの動向を考察します。

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2022Q1 CFO Signals Report Highlights

財政的な見通し

設問1. 財政的な見通し

各社の財政的な見通しが3ヶ月前と比べてどのように変化したかを調査した。

今回の2022Q1調査では、財政的な見通しが「やや楽観的でなくなった」または「多いに楽観的でなくなった」との回答割合が57%と、前回調査の31%から急増した。背景は言うまでもなく、2月末に始まったロシアによるウクライナ侵攻であろう。

戦闘開始後、国際安全保障の不透明感が高まったほか、対ロシア制裁にともなう資源・エネルギー価格の高騰やサプライチェーンの寸断が企業CFOの財政見通しを大きく悪化させたと考えられる。

(全文レポートより一部抜粋)

今後1年間の日本経済の注目点

設問4. 今後1年間の日本経済の注目点

今後1年間の事業展開を展望するうえで注目される日本経済の注目点を調査した。

今回調査でも前回調査同様「生産コスト上昇とインフレ」「サプライチェーン停滞」が注目ポイントの1位、2位となった。3位は前回の4位から順位を上げた「日本銀行の金融政策」となった。

ウクライナ問題以前から生産コストやサプライチェーンはCFOの大きな注目点であったが、これに国内の金融政策が加わった形である。日銀の金融政策への関心の高まりは、米国FRBの利上げスタンス明確化で急激な円安が進行していることがその背景の一つとも考えられる。

ウクライナ問題の長期化によるインフレやサプライチェーン同様、為替は当面CFOの注目点であり続ける可能性が高い。

(全文レポートより一部抜粋)

CFOの業務管掌範囲

設問6. CFOの業務管掌範囲

84%の企業において、経営管理がCFOの業務管掌範囲であると回答し、経営企画・経営戦略を管掌している企業も半数を超えていることから、CFOが経営戦略を担う重要なポジションと位置付けられていることがわかる。

また、一定数の企業において総務、人事、IT等、他のコーポレート機能も兼務していることが明らかとなり、CFOの業務管掌範囲が従来よりも拡大していると言える。

(全文レポートより一部抜粋)

CFOの役割変化に影響を与える要因

設問9. CFOの役割変化に影響を与える要因

過去から現在、現在から将来にかけてのいずれにおいても、SDGs・ESGへの取組みがCFOの役割変化に影響を与えているとの回答が1位となった。開示の在り方や、非財務情報をいかに意思決定に組み込んでいくか等、SDGs・ESGへの取組みにおいてCFOが向き合うべき課題は多岐にわたる。

また2位以下では、これまでと今後で異なる結果がでた。

過去から現在にかけては資本効率経営への関心やコーポレートガバナンスの潮流の変化が上位にきているが、これは国の政策や指針の影響を受けた結果と言える。

(全文レポートより一部抜粋)

CFOにとっての“the Trusted Advisor”となるために

デロイト トーマツ グループでは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指したサービスを展開しています。グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供し、CFOにとっての“the Trusted Advisor"となることを目指します。詳しくは、CFOプログラム*をご確認ください。

*CFOプログラムとは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指すデロイト トーマツ グループによる包括的な取り組みです。

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