お知らせ

「ダイバーシティをエコノミカルサイドから考える」ワークショップを開催

開催レポート:SheXO Club第3回ワークショップ

デロイト トーマツ グループ SheXO Clubでは、2021年8月に第3回ワークショップをオンラインにて開催しました。

今回は「ダイバーシティをエコノミカルサイドから考える」をテーマとし、様々な業界・企業から約20名のエグゼクティブにご参加いただきました。当日は、女性活躍推進の基本目的から、多様性が職場やビジネスに与える影響など経済的な指標や効果まで幅広く議論しました。

サマリー

- 女性の活躍推進はなぜ必要か? -

冒頭、「女性の活躍推進はなぜ必要か?」という、根本的かつ本質的な問いからスタートしました。改めて聞かれると答えに迷う方もいるかと思いますが、ご参加の皆様からは積極的にお考えを共有いただき活発な意見交換を行いました。

「人口比で言うと男女は50:50だから」「そもそも性別で活躍する場が制限されることがおかしい」といった、“女性活躍推進は必然的”というご意見のほか、「企業の意思決定に多様な視点を取り入れるため」「多様性ある価値観を生かした組織風土と業績への寄与」といった、“企業にとってのメリット”という観点でのご意見も挙げられました。

皆様からいただいたご意見を下に掲載しています。

女性活躍推進はなぜ必要か?
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- 日本国内企業の女性活躍推進に関する取り組み事例 -

講義のパートでは、先進的でユニークな取り組みであるキリンホールディングス株式会社の「なりキリン ママ・パパ研修」について、同社 人事総務部 多様性推進室 関根優様をお迎えし、研修の導入背景や組織に与えた効果などのお話をいただきました。参加者からは「継続するにあたりどのように社内で動機付けを行なっているか」 など複数の質問をいただき、同社の取り組みについて参加者からの関心度が高いことが伺えました。

【「なりキリン ママ・パパ研修」導入効果(一部抜粋)

  • 研修開始4年で約550名が参加(2018年~2021年7月 *2018年はトライアル期間)
  • 組織内で多様性確保の重要性が浸透したことにより様々な価値創出にも寄与
    • 男性の育児参画:男性育休取得率54.7%
    •  社外評価:なでしこ銘柄、PRIDE指標GOLD/ホワイト500 等
    • 自治体やお客様への貢献:社会課題解決(CSV)や健康経営に関するノウハウ提供 等
  • 時間外勤務時間を前年同月比で平均52.2%削減

*「なりキリン ママ・パパ研修」とは
育児・介護等で勤務時間に制約がある社員も活躍できる組織風土を作ることを目的としたキリンホールディングス株式会社独自の研修。若手営業女性社員5名が発案し、営業女性従業員の活躍推進を目指す「新世代エイジョカレッジ」にて大賞を受賞。研修では、時間に制約がある働き方を1か月疑似体験し、研修参加者の周囲のメンバーもサポート体制を実際に構築されています。

- ダイバーシティをエコノミカルサイドから考える -

後半のセッションでは、ダイバーシティを考えるうえで、必要不可欠な「アンコンシャスバイアス」のメカニズムについて認識合わせを行った後、4つのグループにわかれて少人数でディスカッションを実施しました。

最初のテーマでは、以下3つの特性を持つチーム毎のメリット・デメリット、およびチームパフォーマンスの推移を考えていきました。
A:同質性の高いチーム
B:多様性はあるがインクルーシブな環境が整っていないチーム
C:多様性がありインクルーシブな環境も整っているチーム

Aチームは同質性が高いゆえに「阿吽の呼吸で意見がまとまりやすく、意思決定が早い」というメリットがある一方、「ヒエラルキーが形成される、異質な論点については意見が出てこない、イノベーションが生まれない」というデメリットが多く挙げられ、短期的にはパフォーマンス向上は期待できるものの、長期的には継続することは難しいという意見が全てのグループから挙がりました。

長期的なパフォーマンスが最も期待できるという意見が多かったのはCチーム。「多様な意見が出るため決定に時間がかかる」というデメリットはありつつも、「多様なアイデアが活かされる環境で組織へのエンゲージメントも高く、個人のパフォーマンス向上も見込まれる」という前向きなコメントが多くありました。

Bチームについては、「多様なアイデアが生まれつつも活かされることがなく、まとまらずに分裂してしまう」というデメリットが、メリットよりも多く挙げられ、改めてインクルーシブな環境整備の重要性を認識する機会になりました。

 

2つ目のディスカッションテーマとして「組織の多様性が確保されることで、会社環境やビジネス指標にどのような変化があるか」という点について議論しました。

ディスカッショングループ毎に①会社、②従業員、③顧客の3つの視点に分かれて意見交換を行いましたが、どの視点においても、「中・長期的にパフォーマンスが高くなる」「変化に強くなれる(会社の大きな変革のタイミングにおいても、多様性メンバーで取り組むと、臆せず発言ができる)」「新サービスの開発(新しい顧客のニーズを反映しやすい)」など、会社・個人双方にとって良い効果をもたらす変化が多く挙げられたことが印象的でした。

ご参加者の声

ご参加の皆様のコメントを以下に掲載しております。今回も非常に満足度の高いワークショップとなり、次回以降のワークショップを楽しみにされているというお声を多くいただきました。

最近のサーベイや他社の取り組み事例など非常に参考になる情報をご提供いただきました。同様の課題意識をもつ他企業の方のご意見を伺うことができて大変参考になりました。

本日のトピックに関心のある社外の方と意見交換ができてとても有意義な時間でした。同質性の高いチーム、多様性の高いチーム、多様性&インクルージョンのあるチームと3つに分けて改めて認識を共有し、ビジネスのパフォーマンスに言及し、ダイバーシティ活動推進の意味について議論できたのは私自身の頭の整理にもなり良かったです。

他社のご担当者とワークショップで意見交換ができ、各社の状況を知ることができてよかったです。全体的にスムーズで、内容もよく考えられ、楽しく参加できました。

本会合、いつも楽しく、そして有意義に参加させていただいております。ありがとうございます。女性活躍、D&Iについてのインプット・他社事例(本日のキリンさんの事例)はとても参考になります。

”エコノミカルサイドから考える”という点を経営陣が肚落ちすることが最も重要であると考えておりますので、今後も継続的に議論していけたらと感じました。

ご参加者の属性

SheXO Clubのワークショップは、多様な業種のエグゼクティブ、および、女性のみならず男性にも参画いただいております。

*Diversity&Inclusion推進のため、「SheXO Club」の活動は女性の参加率60%以上での催行を基本としております。

※クリックまたはタップして拡大表示できます

開催概要

日時:2021年8月26日(木)8:00 a.m.~10:00 a.m.

形態:オンラインワークショップ

言語:日本語

アジェンダ:

  1. 「Why Diversity & Inclusion matters?」 ―なぜ女性の活躍推進が必要なのか?
  2. 日本の女性活躍推進状況、企業の取り組み事例など
  3. アンコンシャス・バイアス
  4. ダイバーシティをエコノミカルサイドから考える
     

本ワークショップに関するご質問等がございましたら、SheXO Club事務局(shexo_club@tohmatsu.co.jp)までお問い合わせください。

SheXO Clubとは

SheXO Clubは、企業における女性エグゼクティブや次世代リーダーの方々の活躍支援を目的とし、日本において2020年1月に開始したプログラムです。

女性リーダーが高い視座でリーダーシップを発揮できるよう、ともに高めあえるネットワークの機会を提供し、女性のエンパワーメント活動に取り組んでいます。なお、様々な異なる意見を共有できるよう、アクティビティへの参加は女性に限定せず、女性の活躍を推進する企業のエグゼクティブの方々にもご参加いただけます。

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