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IASBは、超インフレ表示通貨への換算に関する修正を提案

IAS Plus 2024.07.25  

IASBは、公開草案IASB/ED/2024/4「超インフレ表示通貨への換算」(IAS第21号の修正案)を公表した。コメントは、2024年11月22日まで募集されている。

国際会計基準審議会(IASB)は、公開草案IASB/ED/2024/4「超インフレ表示通貨への換算」(IAS第21号の修正案)を公表した。コメントは、2024年11月22日まで募集されている。

 

背景

2022年6月、IFRS解釈指針委員会(IFRS IC)は、機能通貨が超インフレ経済でない通貨である子会社を、表示通貨が超インフレ経済である通貨である親会社が連結する場合の、親会社による会計処理に関する要望書について議論した。この事項についてのリサーチを通じて、委員会は関連する事項、すなわち、超インフレでない機能通貨を有する企業が、超インフレ表示通貨において財務諸表を表示する場合についても、知ることとなった。

委員会は、委員会に尋ねられた当初の質問及び関連する事項に対処するために、適用される関連性のある換算方法を提供する狭い範囲の修正を開発することをIASBに提案することによって、当該事項をIASBに委ねることを決定した。IASBは、当該事項に対処するために、修正を提案する。

 

変更案

公開草案IASB/ED/2024/4「超インフレ表示通貨への換算」(IAS第21号の修正案)における修正案は、以下のとおりである。

  • 企業が超インフレ経済ではない通貨である機能通貨から超インフレ経済の通貨である表示通貨に金額を換算する場合、企業は、比較金額を含め、直近の財政状態計算書の日における決算日レートを使用して、当該金額を換算する。
  • 企業は、換算方法案を適用して換算した在外営業活動体に関する要約財務情報を含む、適用している方法を開示しなければならない。また企業は、関連する経済が超インフレではなくなった場合にも、開示しなければならない。

公開草案は、IFRS第19号「公的説明責任のない子会社:開示」を適用する企業に対して、開示の免除があるべきではないことも提案している。

変更案に対するコメントは、2024年11月22日まで募集される。

 

発効日及び経過措置

公開草案では、本修正の発効日は特定されていない。発効日は、IASBが本提案を再審議する際に決定される。しかし、公開草案は、企業が本修正を遡及的に適用することが要求され、発効日より前に適用することが認められることに言及している。

 

さらなる情報

IASBのプレスリリースの日本語訳(ASBJのWebサイト)
》IFRS財団のウェブサイト上の公開草案へのアクセス (PDF:202.06KB-IASBのWebサイト-英語)
》IAS Plusのプロジェクトページの超インフレでない企業による超インフレ表示通貨の使用(IAS Plus-英語版)
iGAAP in Focus 財務報告「IASB は、超インフレ表示通貨への換算に関するIAS第21号の修正を提案」(デロイトトーマツのWebサイト)

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