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IASB、金融商品の分類及び測定に関する修正を提案

IAS Plus 2023.03.21  

IASBは、IFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の要求事項の適用後レビューの間に識別された問題に対処する、公開草案「金融商品の分類及び測定の修正(IFRS第9号及びIFRS第7号の修正案)」を公表した。コメントは、2023年7月19日まで募集されている。

国際会計基準審議会(IASB)は、IFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の要求事項の適用後レビューの間に識別された問題に対処する、公開草案「金融商品の分類及び測定の修正(IFRS第9号及びIFRS第7号の修正案)」を公表した。コメントは、2023年7月19日まで募集されている。

 

背景
2022年に、IASBはIFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の要求事項の適用後レビューを完了した。全般的に、IASBは、作成者が要求事項を一貫して適用できることを見い出した。しかし、IASBは、理解可能性を改善する明確化により便益をもたらすいくつかの要求事項を識別した。IASBは、問題のうちの2つは早急に対処すべきであり、他の問題は、優先順位がより低いものの、対処することに便益をもたらすものと考えた。IASBは、IASBがすべての修正を単一の公開草案において提案するならば、利害関係者にとって最も効率的となるという結論に達した。

 

変更案

公開草案IASB/ED/2023/2「金融商品の分類及び測定(IFRS第9号及びIFRS第7号の修正案)」における修正案は、以下のとおりである。

  • 電子送金を通じて決済される金融負債の認識の中止:
    IASBは、具体的な要件を満たすのであれば、現金が引き渡されていない場合であっても、電子送金システムを使用して決済される金融負債の認識を中止することを認めるようにIFRS第9号の適用指針の修正を提案する。当該認識を中止する選択肢案を適用することを選択する企業は、同じ電子支払システムを通じて行われるすべての決済に適用することが要求される。
  • 金融資産の分類
    ・基本的な融資の取決めと整合的な契約条件
    IASBは、契約上のキャッシュ・フローが基本的な融資の取決めと整合的かどうかについて、どのように企業が評価できるかに関する指針を提供するようにIFRS第9号の適用指針の修正を提案している。適用指針の変更を説明するために、元本及び元本残高に対する利息の支払のみである契約上のキャッシュ・フローを有する、または有していない金融資産の例を追加することを、IASBは提案している。
    ・ノンリコース要素のある資産
    IASBは、「ノンリコース」の用語の記述を拡張するような修正を提案している。本修正では、キャッシュ・フローを受け取る企業の契約上の権利を、金融商品の存続期間にわたって及びデフォルト時の双方について、特定の資産が生み出すキャッシュ・フローに制限する場合、金融資産にはノンリコース要素がある。
    ・契約上リンクされた金融商品
    IASBは、IFRS第9号の範囲に含まれる複数の契約上リンクされた金融商品を含む取引の記述を明確化することを提案している。本修正案は、複数の負債性金融商品の取引が、複数の契約上リンクされた金融商品を有する取引の要件を満たさない場合の例も導入する。さらに、本修正案は、原金融商品プールにおける金融商品への参照は分類の要求事項の範囲に含まれない金融商品を含むことができる明確化する。
  • 開示
    ・その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと指定された資本性金融商品への投資
    IASBは、報告期間の末日現在の各資本性金融商品の公正価値ではなく資本性金融商品公正価値の総額、及び当期中にその他の包括利益に表示された公正価値の変動の開示を要求するように、IFRS第7号の修正を提案する。
    ・契約上のキャッシュ・フローの時期または金額を変化させる可能性のある契約条件
    IASBは、契約上のキャッシュ・フローの時期または金額を変化させる可能性のある契約条件の開示を要求することを提案する。当該要求事項は、償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の各クラス、及び償却原価で測定する金融負債の各クラスに適用する。

本修正案についてのコメントは、2023年7月19日まで募集されている。

 

発行日及び経過措置

IASBは、公開後に、本修正案の発効日を決定する予定である。IASBは、企業が本修正を遡及的に適用することを要求するが、比較情報を修正再表示することは要求しないことを提案している。

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