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金融機関向け経理・決算業務DXアドバイザリーサービス

金融機関の複雑な決算業務を抜本的に改革するデジタル決算(決算DX)の導入により、決算業務を効率化、過誤リスクを軽減

金融機関の決算業務デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するにあたって、データのインプットから開示・報告情報作成までをデジタル化して、自動処理を行うことが決算の効率化に効果的です。従来、決算業務は、その複雑性からデジタル化が難しいとされていた領域ですが、デロイト トーマツ グループでは、金融機関の決算業務やシステムの知見をもった各分野のプロフェッショナルが、難易度の高い貴社の決算業務のデジタル化をサポートします。

現状の金融機関の決算業務の課題

金融機関は、財務諸表のほか、ディスクロージャー誌等で求められる財務情報の作成や金融規制当局報告作成など幅広い開示が求められます。金融機関の決算業務では、広範な開示情報を作成するために、部店等から多数の報告を求めたうえで、エクセルを中心としたEUCにより、データを多段階で集計・加工して、決算・開示情報を作成しているのが特徴的です。この結果、決算・開示情報の作成にあたっては、エクセル等のマニュアルによる作業が広範囲に積みあがって複雑なオペレーションとなっているケースが多くみられます。また、その複雑性から、相応の過誤のリスクが課題となっており、過誤のリスクを一定水準以下に軽減するために、照合、検印に時間を要しているというのが現状です。最新の連結システムを導入するなど、決算業務の効率化を図っているケースもみられますが、単体決算には対応していない、広範な開示データ作成に対応しきれていないなど抜本的な改革になっていないケースが少なくないのが現状です。

 

インプットから決算開示資料作成までを自動化するデジタル決算を導入することが効果的

金融機関の決算業務は、クラウドサービス(以下、クラウド)などのシステムを用いて決算プロセスをデジタル化することが、決算の効率化、過誤リスクの軽減に効果的です。データのインプットからレポーティングまでの各種開示・報告資料作成プロセスを総合的に検討した上で、例えば、上流システムからデータを直接システムに連携し、システムにて集計加工ロジックを組み込むことによって決算開示資料の作成までを自動化し、データ間の照合などの検証ロジックを組み込むことにより内部統制をデジタル化します。これは、連結決算プロセスのみならず、単体決算を含めて決算プロセス全体を対象とします。また、リモートワークの恒常化に対応して、タスク管理をデジタル化することにより決算業務をみえる化をする、電子承認のワークフローを構築することも効果的です。

図:決算資料作成・開示プロセスのリモートワーク推進・効率化の事例

ただし、決算プロセスのデジタル化にあたっては、システムのみの導入では抜本的な改革につながりにくく、ビジョン・戦略から制度・システムまで一気通貫で変革し、それぞれの歯車がリンクすることにより、デジタル化による業務改革の効果を最大化することが可能となります。将来的な戦略を踏まえた中長期の計画において、決算業務担当部署を含めた経理組織、ファイナンス組織のあり方を検討し、人材の再配置、リスキリングなどを含めた、ファイナンス組織のトランスフォーメーションの手段として、決算プロセスのデジタル化を位置づけ、変革を行っていくことが重要です。さらには、現状のプロセスをそのままデジタル化するのは業務の置き換えに過ぎず、効果は限定的になってしまいます。決算プロセスを抜本的に見直し、BPRなど業務プロセスの清流化を行ったうえで、デジタル化を行っていく変革構想が有効です。

図:それぞれの要素が噛み合うことで効果の最大化

デジタル化(DX)にむけたクラウドサービス特有のリスク管理体制強化、整備

規模や業種を問わず、クラウドを利用する企業は年々増加しており*1、金融機関においても、決算プロセスのデジタル化に際し、クラウドは、導入を検討することが欠かせないシステム基盤となっています。しかし、一方で、クラウドを活用する際の検討課題として、サイバーセキュリティをはじめとする、クラウドに対するリスク管理が課題となります。多くの金融機関では、システムリスク管理体制として、外部委託先を活用する際のリスク管理手続が整備されていますが、現状のままクラウドの導入時に適用しても、結果としてリスクの所在が見えない結果となってしまうことがあります。

クラウドの導入を検討する場合には、クラウドに求めるリスク管理要件を検討したうえで、要件を満たすクラウドを選定し、要件への充足度合いを継続的にモニタリングすることが重要となります。

*1 総務省「平成30年通信利用動向調査」より

 

金融機関向けデジタル決算のアドバイザリーサービスの内容

金融機関の決算業務は、クラウドサービス(以下、クラウド)などのシステムを用いて決算プロセスをデジタル化することが、決算の効率化、過誤リスクの軽減に効果的です。データのインプットからレポーティングまでの各種開示・報告資料作成プロセスを総合的に検討した上で、例えば、上流システムからデータを直接システムに連携し、システムにて集計加工ロジックを組み込むことによって決算開示資料の作成までを自動化し、データ間の照合などの検証ロジックを組み込むことにより内部統制をデジタル化します。これは、連結決算プロセスのみならず、単体決算を含めて決算プロセス全体を対象とします。また、リモートワークの恒常化に対応して、タスク管理をデジタル化することにより決算業務をみえる化をする、電子承認のワークフローを構築することも効果的です。

プロフェッショナル

村野 裕和/Hirokazu Murano

村野 裕和/Hirokazu Murano

有限責任監査法人トーマツ パートナー

大手金融機関勤務を経て、2004年監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入社。 2010年から2012年までデロイトUKロンドン事務所に駐在し、英・米系大手金融機関の監査、IFRS導入支援業務に従事。 入社以来、グローバルに展開する大手金融機関の監査(日本基準・米国基準・IFRS)、金融機関向けの会計関連のアドバイザリーや日米SOX法に基づくガバナンス・内部統制・プロセス構築支援(DX対... さらに見る

太田 実佐/Misa Ota

太田 実佐/Misa Ota

有限責任監査法人トーマツ マネージングディレクター

現在、大手金融機関の経理決算領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)化推進、会計アドバイザリー業務に従事。2008年から、大手金融機関(主にG-SIFIs、D-SIFIs)、グローバル企業に対するIFRSコンバージェンス等会計アドバイザリーを実施。2012年から2014年に、財務会計基準機構・企業会計基準委員会(ASBJ)に出向、国際的意見発信業務等に従事。... さらに見る