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「収益認識に関する会計基準等」インダストリー別解説シリーズ(1)第1回 メディア・コンテンツ業界─ライセンスの供与
(月刊誌『会計情報』2018年8月号)
本稿では、収益認識会計基準等のうちメディア・コンテンツ業界における映像・音楽コンテンツや著作権を利用した事業に関連する「ライセンスの供与」について解説を行う。
著者:公認会計士 倉林 洋介
2018年3月30日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」という。)、会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下「収益認識適用指針」といい、これらを合わせて「収益認識会計基準等」という。)が公表されている。本稿では、収益認識会計基準等のうちメディア・コンテンツ業界における映像・音楽コンテンツや著作権を利用した事業に関連する「ライセンスの供与」について解説を行う。
なお、企業会計基準委員会(ASBJ)は、収益認識会計基準等の開発にあたっての基本的な方針として、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という。)と整合性を図る便益の1つである国内外の企業間における財務諸表の比較可能性の観点から、IFRS第15号の基本的な原則を取り入れることを出発点として会計基準を定めることとし、我が国で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわない範囲で代替的な取扱いを追加することとしている(収益認識会計基準97項)。このため、本稿においては、収益認識会計基準等の解説として、必要に応じてIFRS第15号の規定を紹介している。
1.「ライセンスの供与」に関する解説
(1) ライセンスの内容
ライセンスとは、「企業の知的財産に対する顧客の権利を定めるもの」とされている(収益認識適用指針61項)。具体的なライセンスの例示としては以下のものがあるとされている(収益認識適用指針143項)。
- ソフトウェア及び技術
- 動画、音楽及び他の形態のメディア・エンタテインメント
- フランチャイズ
- 特許権、商標権及び著作権
※続きは添付ファイルをご覧ください。