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「連結会計」シリーズ(1) 第1回 連結会計の概要
(月刊誌『会計情報』2018年12月号)
連結会計に関連する会計基準等は多岐にわたり、また、連結の範囲、連結決算日、資本連結の手続、連結財務諸表における表示や開示等に関して、実務上、論点となることも多いことから、連結会計に関する基本的な内容について、今号より解説を連載する。
著者:公認会計士 近藤 雅治
1. はじめに
昭和50年6月に企業会計審議会が公表した「連結財務諸表の制度化に関する意見書」に基づき昭和52年4月以後開始する事業年度から導入された連結財務諸表制度は、以後、有価証券報告書の添付書類であった連結財務諸表の有価証券報告書本体への組入れ、セグメント情報の開示の導入及び監査対象化、関連当事者との取引や連結ベースの研究開発活動等の開示項目の充実、連結範囲の拡大等により、随時、充実・見直しが行われてきた。
この間、我が国企業の多角化・国際化の進展等の環境の著しい変化に伴う連結情報に対するニーズの高まりを受けて、企業会計審議会は、平成9年6月に「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」を公表し、従来の個別情報を中心としたディスクロージャーから連結情報を中心とするディスクロージャーへ転換が図られた。また、議決権の所有割合以外の要素も加味した支配力基準を導入して連結の範囲を拡大するとともに、連結財務諸表の作成手続を整備するなど、連結情報充実の観点から「連結財務諸表原則」の改訂が行われた。
その後、日本における新しい会計基準の開発機関として平成13年7月に設立された「企業会計基準委員会」(以下「ASBJ」という。)から、企業会計基準第5号「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」や企業会計基準第6号「株主資本等変動計算書に関する会計基準」を含む会計基準が公表された。この結果、平成9年6月に改訂された「連結財務諸表原則」(以下「平成9年連結原則」という。)については多くの読替えが必要となっていたことに加え、国際的な動向に鑑み、ASBJは平成20年に企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」(以下「企業結合会計基準」という。)を改正したことに伴い、平成9年連結原則についても必要な見直しが行われ、平成20年12月に企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(以下「連結会計基準」という。)が公表された。
※続きは添付ファイルをご覧ください。
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