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IASB、IFRS第9号減損要求事項の適用後レビューについて意見を募集する

iGAAP in Focus 財務報告|月刊誌『会計情報』2023年8月号

注:本資料はDeloitteのIFRS Global Officeが作成し、有限責任監査法人トーマツが翻訳したものです。この日本語版は、読者のご理解の参考までに作成したものであり、原文については英語版ニュースレターをご参照下さい。

トーマツIFRSセンター・オブ・エクセレンス

本iGAAP in Focusは、2023年5月に国際会計基準審議会(IASB)によって公表された情報要請「IFRS第9号の適用後レビュー:減損」(RFI)について解説するものである。

  • IASBは、IFRS第9号「金融商品」における減損の要求事項の適用後レビューに関する利害関係者のフィードバックの募集を開始した。
  • 特に、IASBは、IFRS第9号の減損の要求事項の次の分野について質問している。
    –減損
    –予想信用損失を認識する一般的なアプローチ
    –信用リスクの著しい増大の判断
    –予想信用損失の測定
    –営業債権、契約資産及びリース債権についての単純化したアプローチ
    –購入又は組成した信用減損金融資産
    –IFRS第9号の減損の要求事項と他の要求事項の適用
    –経過措置
    –信用リスクの開示
    –その他の事項
  • RFIは2023年9月27日までコメントを募集している
582KB, PDF ※PDFダウンロード時には「本記事に関する留意事項」をご確認ください。

背景

IFRS第9号「金融商品」は2018年1月1日以後開始する事業年度に発効し、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」を置き換えた。IFRS第9号は、金融商品会計に以下の主な改善をもたらした。

  • 企業の事業モデル及び資産のキャッシュ・フロー特性を反映した金融資産の分類及び測定の要求事項
  • 貸倒損失をより適時に認識する予想信用損失モデル
  • リスク管理の経済実態とその会計処理の間をより良く関連づけるヘッジ会計モデル

2021年9月、IASBは、分類及び測定の要求事項から開始することにより、IFRS第9号の適用後レビュー(PIR)を開始した。PIRの第2段階として、IASBは現在、IFRS第9号の減損の要求事項に関するフィードバックを求めている。ヘッジ会計の要求事項に関するPIRは、IFRS第9号のヘッジ会計の要求事項の適用の影響についてより多くの情報が利用可能になったときに行われる。

 

回答者への質問

減損

IFRS第9号を開発するにあたり、IASBは、予想信用損失を反映する将来予測的な減損モデル、「予想信用損失」(ECL)モデルを導入した。ECLモデルは原則ベースのモデルであり、IAS第39号で要求されるよりも適時に信用損失を認識することを企業に要求するように設計されている。このモデルでは、信用損失を認識するための閾値が削除され、信用損失が認識される前に信用事象が発生する必要がなくなった。したがって、予想及び更新された信用損失は、金融商品の存続期間を通じて認識され、減損会計の対象となるIFRS第9号の範囲に含まれるすべての金融商品に同じ減損モデルが適用される。

見解

利害関係者はECLモデルの導入に概ね同意しているが、IFRS第7号「金融商品:開示」の信用リスクの開示要求、及び特定の要求事項に対する識別された適用の問題を含め、減損の要求事項の適用には不統一が見られる。

 

RFIは、IFRS第9号の減損要求の事項がIAS第39号と比較して信用損失をより適時に認識する結果になるかどうか、及び金融商品の複数の減損モデルを持つことによって生じる複雑性に対処しているかどうかを回答者に質問している。IASBはまた、IFRS第9号の減損の要求事項が、将来キャッシュ・フローの金額、時期及び不確実性に対する信用リスクの影響について、財務諸表の利用者に有用な情報を企業が提供することにつながるかどうかについての意見を求めている。

ECLを認識する一般的なアプローチ

ECLモデルは、ECLの当初の見積りの影響と予想損失のその後の変動を区別する。これは、当初認識以降の信用リスクの増大に基づいて、企業に次の認識を要求することにより、その区別を行っている。

  • 金融商品の存続期間を通じた、少なくとも12か月のECLに等しい金額の損失引当金
  • 当初認識以降に信用リスクが著しく増大している場合の全期間のECL

RFIは、ECLを認識する一般的なアプローチについて根本的な問題(致命的な欠陥)があるかどうかを質問している。RFIは、この一般的なアプローチが、企業が信用リスクの変動及びその結果生じる経済的損失に関する有用な情報を提供するというIASBの目的を達成しているかどうかを説明することを、回答者に求めている。

IASBはまた、一般的なアプローチの適用、その適用の監査及び執行に係るコストについても意見を求めている。特に、IASBは、これらのコストが予想よりも著しく大きいかどうか、又は利用者への便益が予想よりも著しく小さいかどうかを知りたいと考えている。特定の金融商品に当てはまる場合、回答者は当該金融商品のコスト便益の評価を説明することが求められる。

信用リスクの著しい増大の判断

IFRS第9号は、信用リスクが当初認識以降著しく増大しているすべての金融商品について全期間のECLを認識することを要求している。IFRS第9号は、「明確な境界線(bright line)」を生み出す可能性のある規範的なルールではなく、信用リスクの著しい増大を評価するために原則ベースのアプローチを使用している。IFRS第9号は、信用リスクの変動を評価するための具体的又は機械的なアプローチを規定していない。

見解

利害関係者はIASBに対し、以下の点において一貫性の欠如が見られると説明した。

  • 企業が、何を信用リスクの著しい増加とみなすか
  • 信用リスクの変動に対する集合的な評価と個別の評価の使用
  • 企業が、「債務不履行」をどのように定義するか

 

RFIは、信用リスクの著しい増大の評価について、根本的な問題があるかどうかを質問している。特に、RFIは、信用リスクの著しい増大を評価する原則ベースのアプローチが、当初認識以降信用リスクが著しく増大したすべての金融商品の全期間のECLを認識するというIASBの目的を達成しているかどうかを説明することを回答者に求めている。

IASBはまた、信用リスクの著しい増大の評価が、IFRS第9号の減損の要求事項の範囲に含まれるすべての金融商品に一貫して適用できるかどうかについての見解を求めている。特定の金融商品又は事実パターンに適用の不統一が存在する場合、RFIは回答者に、その不統一がどのぐらい一般的であるかについての裏付けとなる証拠を説明及び提供し、その原因を説明するよう求めている。回答者はまた、当該不統一が、企業の財務諸表に、及び財務諸表の利用者にとって結果として得られる情報の有用性にどのように影響するかを説明しなければならない。回答者が評価の適用における不統一を識別している場合、当該不統一を解決するための提案を提供することが求められる。

これらの質問に回答するにあたり、回答者は、信用リスクの著しい増大を判定する際に判断を適用することに関する情報を含めることが求められる。

ECLの測定

IFRS第9号は、ECLの測定に以下を反映することを要求している。

  • 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
  • 貨幣の時間価値
  • 過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報

見解

利害関係者は、ECLの測定に関して次の領域を強調している。

  • 将来予測シナリオ—ECLを測定する場合、企業は必ずしもすべての考え得るシナリオを識別する必要はない。しかし、企業は、たとえ信用損失が発生する確率が非常に低い場合であっても、信用損失が発生する可能性と信用損失が発生しない可能性とを反映する。利害関係者は、IASBに対し、企業が識別するシナリオの数、考慮する変数、及び特定のシナリオについてのウェイト付けの不統一が見られると説明した。
  • モデル適用後の調整又はマネジメント・オーバーレイ—利害関係者はIASBに対し、近年における経済の不確実性の高まり、特に過去の情報が必ずしも将来の経済見通しを代表していない経済状況が、モデル適用後の調整(post-model adjustment)又はマネジメント・オーバーレイの使用の増加を引き起こしたと説明している。
  • オフバランス・シート・エクスポージャー—IFRS第9号を適用する際、一般に、ECLを測定する最長の期間は、企業が信用リスクに晒される最長の契約期間(延長オプションを含む)であり、より長い期間ではない。例外は、引出済部分と未引出部分の両方を含む特定の金融商品に適用される。それにもかかわらず、利害関係者は、リボルビング信用枠のような金融商品について考慮する最長の期間を決定すること、及び特定の金融商品が例外に適格であるかどうかを評価することが困難であると報告した。

 

RFIは、ECLを測定するための要求事項について根本的な問題があるかどうかを質問している。特に、RFIは、ECLの測定の要求事項が、財務諸表の利用者に企業の将来のキャッシュ・フローの金額、時期及び不確実性に関する有用な情報を提供するというIASBの目的を達成しているかどうかを説明するよう回答者に求めている。

IASBはまた、IFRS第9号の減損の要求事項の範囲に含まれるすべての金融商品に測定の要求事項を一貫して適用できるかどうかについての見解も求めている。特定の金融商品又は事実パターンに適用の不統一が存在する場合、RFIは回答者に、その不統一がどのぐらい一般的であるのかについての裏付けとなる証拠を説明及び提供し、その原因を説明するよう求めている。回答者はまた、当該不統一が、企業の財務諸表に、及び財務諸表の利用者にとって結果として得られる情報の有用性にどのように影響するかを説明しなければならない。回答者が要求事項の適用における不統一を識別している場合、当該不統一を解決するための提案を提供することが求められる。

これらの質問に回答するにあたり、回答者は、関連性がある場合、将来予測シナリオ、モデル適用後の調整又はマネジメント・オーバーレイ、及びオフバランス・シートのエクスポージャーに関する情報を含めることが求められる。

営業債権、契約資産及びリース債権についての単純化したアプローチ

単純化したアプローチは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の範囲に含まれる取引から生じる営業債権及び契約資産、及びIFRS第16号「リース」の範囲に含まれる取引から生じるリース債権に適用される。単純化したアプローチにより、12か月のECLを計算すること、及びこれらの資産の信用リスクの増大を追跡する必要がなくなる。

金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産の場合、単純化したアプローチは、企業は全期間の予想損失引当金を認識することを要求する。他の営業資産、他の契約資産、オペレーティング・リース債権及びファイナンス・リース債権については、資産の種類ごとに区別して適用できる会計方針の選択である(ただし、その種類の資産すべてに適用される)。RFIは、単純化したアプローチについて根本的な問題があるかどうかを質問している。特に、RFIは、単純化したアプローチが、IFRS第9号の減損の要求事項を営業債権、契約資産及びリース債権に適用する際のコスト及び複雑性を軽減するというIASBの目的を達成しているかどうかを質問している。

IASBはまた、単純化したアプローチの適用、その適用の監査及び執行に係るコストが予想よりも著しく大きいかどうか、又は利用者への便益が予想よりも著しく小さいかどうかについての見解を求めている。その場合、回答者はコスト便益の評価を説明することが求められる。

購入又は組成した信用減損金融資産

IFRS第9号には、IAS第39号から実質的に繰り越された、購入又は組成した信用減損金融資産のECL及び金利収益を認識及び測定するための特定のアプローチが含まれている。購入又は組成した信用減損金融資産について、企業は次のことが要求される。

  • 見積キャッシュ・フローについての当初ECLを考慮して計算した信用調整後の実効金利を、当初認識から当該資産の償却原価に適用する。
  • 当初認識以降の全期間ECLの変動累計額を、損失引当金として認識する。
  • 全期間ECLの変動額を、純損益計算書において減損利得又は損失として認識する。

RFIは、購入又は組成した信用減損金融資産に関するIFRS第9号の要求事項を一貫して適用できるかどうか、及びそれらが当該取引の基礎にある経済的実態を忠実に反映する会計上の結果につながるかどうかを質問している。

これらの要求事項について特定の適用に関する質問がある場合、回答者は、事実パターンを説明し、IFRS第9号要求事項がどのように適用されるか、要求事項を適用した場合の影響、及び事実パターンがどの程度一般的であるかどうかを説明することが求められる。

IFRS第9号の減損の要求事項と他の要求事項の適用

IFRS第9号の減損の要求事項は、IFRS第9号及び他のIFRS会計基準の他の多くの要求事項と交差している。

見解

利害関係者はIASBに対し、減損の要求事項を他の要求事項と合わせて適用する場合、要求事項が十分に明確でない場合があることを説明した。

  • 金融資産の条件変更—企業は、条件変更によって認識が中止されない場合、金融資産の総額での帳簿価額を調整し、純損益計算書において条件変更利得又は損失を認識することが要求される。IASBは、金融資産の条件変更に関する要求事項とECLとの間の境界線に関する適用上の質問(金融資産にこれらの要求事項が適用される順序に関する質問を含む)を、以前に認識していた。
  • 金融資産の直接償却—IFRS第9号は、企業がある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額することを企業に要求している。このような直接償却は認識の中止の事象を構成するため、企業は、直接償却損失を認識することが要求される。しかし、利害関係者は、IFRS第9号は直接償却損失の表示に関する要求事項を提供していないため、企業が純損益計算書において当該損失をどのように表示するかについて不統一をもたらしていると発言した。
  • 営業債権、契約資産及びリース債権に対するECLの認識—利害関係者は、IASBに対し、当該取引に減損の要求事項をどのように適用するかについて、次を含む具体的な質問があることを通知した。
    –財政状態が悪化した顧客からより低い対価を受け入れる企業は、対価の減額を、IFRS第15号を適用する契約変更又はIFRS第9号を適用するECLのどちらとして会計処理しなければならないか。
    –貸手は、IFRS第9号に従ってECLを測定する目的で、IFRS第16号を適用するファイナンス・リースの基礎となる資産の無保証残存価値を除外しなければならないか。

 

RFIは、IFRS第9号の減損要求事項をIFRS第9号の他の要求事項又は他のIFRS会計基準の要求事項を、どのように合わせて適用するかが明確であるかどうかを質問している。どのように減損の要求事項を他の要求事項と一緒に適用するかについて具体的な質問がある場合、回答者は、あいまいさの原因及びそのあいまいさが企業の財務諸表に、及び財務諸表の利用者にとって結果として得られる情報の有用性にどのように影響するかを説明することが求められる。回答者は、事実パターンを説明し、コメントに関連するIFRS第9号又は他のIFRS会計基準の要求事項を示すことが求められる。回答者は、当該要求事項を適用する影響、及び事実パターンがどの程度一般的であるかについても説明しなければならない。

経過措置

IFRS第9号の適用開始時に、企業は減損要求事項を遡及的に適用することが要求された。しかし、当初の信用リスク・データの不足及び事後的判断の使用のような、遡及的な適用から生じる可能性のある潜在的な課題を軽減するために、移行上の救済措置が利用可能であった。例えば、企業は次の処理が認められる。

  • 当初認識以降信用リスクが著しく増大したかどうかを判定するために、実務上の便法及び反証可能な推定を適用する。
  • 当初認識以降に信用リスクが著しく増大したかどうかを判定することに過大なコスト又は労力が必要となる場合には、認識の中止までの各報告日現在の全期間ECLを認識する。

IFRS第9号は、修正再表示した比較情報の表示を要求しなかった。代わりに、企業はIFRS第9号への移行による金融商品の減損への影響を開示することが要求される。

RFIは、経過措置の適用、その適用の監査及び執行に係るコストが予想よりも著しく大きかったかどうか、又は利用者の便益が予想よりも著しく小さかったかどうかを質問している。回答者は、比較情報の修正再表示からの救済と移行開示の要求事項の組み合わせが、財務諸表の作成者のコスト削減と財務諸表の利用者への有用な情報の提供との間の適切なバランスを達成したかどうかを説明することが求められる。IASBはまた、財務諸表の作成者が減損の要求事項を遡及的に適用することに直面した予期せぬ影響又は課題について、それらの課題をどのように克服したかを含め、説明することを回答者に求めている。

信用リスクの開示

IFRS第7号は、信用リスクに関する目的ベースの開示要求を提供し、財務諸表の利用者が理解することを支援する3つの開示目的を識別している。

  • 企業の信用リスク管理実務、及びそれがECLの認識及び測定にどのように関連しているか(企業が使用する方法、仮定及び情報を含む)
  • ECLから生じる財務諸表上の金額(ECLの金額の変動及び当該変動の理由を含む)
  • 企業の信用リスク・エクスポージャー(すなわち、企業の金融資産及び与信を行うコミットメントに固有の信用リスク)(信用リスクの著しい集中を含む)

見解

利害関係者は、IASBに、信用リスクに関して異なる企業によって開示された情報の種類及び粒度、特に以下に関する開示に一貫性がないと説明した。

  • 信用リスクの著しい増大の判定
  • モデル適用後の調整又はマネジメント・オーバーレイ
  • ECLの期首残高から期末残高への調整表
  • 感応度分析

財務諸表の利用者は、この一貫性の欠如は、異なる企業間の比較可能性を著しく損ない、信用リスク分析の質に影響を与えると発言した。

 

RFIは、信用リスクに関するIFRS第7号の開示要求について根本的な問題があるかどうかを質問している。特に、開示目的と信用リスクについての最低限の開示要求の組み合わせが、財務諸表利用者が受け取る以下についての適切なバランスを達成するかどうかを説明することが求められる。

  • 比較可能性のある情報—すなわち、企業が晒されているリスクについて利用者が比較可能性のある情報を受け取るように、すべての企業に同じ要求事項が適用される。
  • 目的適合性のある情報-すなわち、提供される開示は、企業による金融商品の利用の程度及び関連するリスクを引き受ける程度によって異なる。

適切なバランスが達成されていない場合、回答者は、開示要求の中核的な目的又は原則の明確さ及び適合性について致命的な欠陥であると考えるものを説明することが求められる。

RFIはまた、これらの開示要求の適用、その適用の監査及び執行に係るコストが予想よりも著しく大きいかどうか、又は利用者への便益が予想よりも著しく小さいかどうかを質問している。

回答者の見解において、特定の信用リスクの開示を提供するための継続的なコストが予想よりも著しく大きい場合、又は財務諸表の利用者が得られる情報の便益が予想よりも著しく小さい場合、回答者は、それらの開示に対するコスト便益の評価を説明し、識別した問題を解決するための提案を提供することが求められる。

回答者の見解において、IASBが信用リスクに関する特定の開示要求を追加すべきである場合、回答者は、当該要求事項を説明し、財務諸表の利用者に有用な情報をどのように提供するかを説明することが求められる。

回答者はまた、企業の信用リスク開示がデジタル報告と両立するかどうか、特に財務諸表の利用者が信用リスク情報をデジタルで効果的に抽出、比較及び分析できるかどうかを説明することも求められる。

その他の事項

RFIは、回答者がIFRS第9号の減損の要求事項のPIRの一部としてIASBが検討すべきと考える事項が他にあるかどうかを質問している。ある場合、回答者はそれらの問題が何であるか、そしてなぜそれらを検討しなければならないのかを質問される。

RFIはまた、IASBが将来IFRS会計基準を開発する際に検討する可能性のあるIFRS第9号の減損の要求事項の理解可能性及びアクセシビリティについて、回答者が何らかのフィードバックを有しているかどうかを質問している。

 

コメント期間及び次のステップ

RFIは、2023年9月27日までコメントを募集している。

コメント期間終了後、IASBは、公開協議からのコメントを、追加の分析及び他の協議活動から収集した情報とともに検討する。その後、IASBは、その調査結果を要約した報告書及びフィードバック・ステートメントを公表し、もしあれば、次のステップを公表する。次のステップには、教育的資料の提供又は基準設定の可能性の検討が含まれる可能性がある。

以 上

本記事に関する留意事項

本記事は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、その性質上、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません。また、本記事の作成または発行後に、関連する制度その他の適用の前提となる状況について、変動を生じる可能性もあります。個別の事案に適用するためには、当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき、本記事の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。

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