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〈DTCからの提言 2023〉パワー・オブ・チェンジ――未来を築く変革の新「定石」
競争優位を創り続ける意志ある「再構築」
「変化や変革」は、いつの世でもマネジメントの重要な課題である。しかし近年は「不確実性の高い時代」「VUCAの時代」と言われ、次から次へと対応すべき変化の焦点や変革の軸が移ろっている。そのような中で、経営者は「変革疲れ」「改革疲れ」といった状態に陥ってもいるのではないか。自分たちがどこに導かれようとしているのか、どこに向かうべきなのか、何をすべきなのかを問われている。
そこで本書では、組織が向き合うべき現代の”チェンジ“の様相とそれに立ち向かう方法論を多数の具体例や図表とともに、経営者にとっての「新たな定石」を提示する。
パワー・オブ・チェンジ
社会の成熟とグローバリゼーションはコモディティ化を促し、競争優位の持続はますます難しくなっている。一方、競争優位を創り続ける企業は、みずからが望むような変化を形づくることの重要性を理解し、情報戦を制し、組織や会社が変わるためのケイパビリティを備え、コミュニティを活用することによってチャンスをものにしている。成功体験に身を任せて既存の戦略や組織、プロセスに固執したままでは凋落する。すなわち持続的成長は、構築と脱構築を繰り返しながら、チェンジし続けることで実現されるのである。
デロイト トーマツ コンサルティング
CEO 佐瀬真人
一部書籍の内容をご紹介します。
「思うようにいかない現実」への解決策
「経営に求められる前提」が変化している。だからこそ、その前提と変化を知らなければならない。認識できていないのであれば、「知らないことを知らない」と認めることが出発点になる。「ヒト・モノ・カネ」の経営資源がそろっていても、前提が変わってしまっては元も子もない。私たちが生きているいまは、そういう時代である。経営戦略の前提が変わるかもしれない中、情報戦の重要性が飛躍的に高まっているのだ。(本文より抜粋)
一時的な優位性の連鎖をつくり続ける
既存の企業・組織は、急速な変化の激しい時代にみずから進化を続けながらビジネスの本質を再駆動していかなくてはならない。そのために、私たちは、既存の組織が自己変容(トランスフォーメーション)を繰り返すための「思考の軸」が必要ではないかと考えている。それは、不確実で急速な変化の時代に、既存の企業・組織が長く存在し続けるための要諦といってもよい。自己変容を繰り返す「思考の軸」は、4つの階層でとらえることができる。(本文より抜粋)
事業戦略としてのコミュニティ構築
コミュニティと聞くと、地域コミュニティや従来のマーケティング理論で扱われる「顧客との接点」を想起する方が多いかもしれない。しかし、本章で論じるコミュニティは、個別のステークホルダーとの単一の対話と共創の場としてのそれではなく、複数のステークホルダーを包含したアプローチである。
CSV(共通価値の創造)やステークホルダー資本主義などを挙げるまでもなく、企業経営はもはや一企業のためのものではない。あるステークホルダーと企業との関係は、別のステークホルダーとの関係に影響を与えるといった波及作用があり、従来のような1対1の関係ではなく、全ステークホルダーとの相互関係を深めるために存在する場としてコミュニティをヒト・モノ・カネ・情報に次ぐ第5の経営資源として包括的にとらえるべきである。(本文より抜粋)
取り組みの先駆者を知る ― 実践例・インタビューを多数掲載しています
- サカタのタネの実践知の活用
- ダイフクのダイナミックケイパビリティ
- 三菱地所のイノベーションを創出し続けるコミュニティ(TMIP : 東京丸の内プラットフォーム)
- セールスフォースのイノベーションを支えたコミュニティ
- 徳島県神山町に生まれたイノベーションコミュニティ
- デロイト トーマツ コンサルティングの自社変革
他多数
書籍概要
- 書名
- DTCからの提言2023 パワー・オブ・チェンジ 未来を築く変革の新「定石」
- 著者名
- デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
- 発行
- ダイヤモンド社
- 価格
- 2,200円(税込み)
- ISBN
- 978-4-478-11771-2
目次
- 序章
- 何のために“Change”を問うのか
- 第1章
- “Change”をとらえる力
- 「現実思考」で世界を読み解く情報戦
- 第2章
- “Change”を駆動する力
- ダイナミックケイパビリティの更に深層へ
- 第3章
- “Change” を創る力
- 第5の経営資源「コミュニティ」
- 第4章
- “Change”の要諦
- 変わり続ける企業を導く経営者の役割
主な執筆者(プロフェッショナル)
序章
望月 安迪|Andi Mochizuki
シニアマネジャー
第3章
檀野 正博|Masahiro Danno
ディレクター
第3章
井上 発人|Hatsuto Inoue
シニアマネジャー
第4章
青井 遥|Haruka Aoi
シニアマネジャー