望む未来を創り出せ

前著『ベストプラクティスを吹き飛ばせ（原題：Detonate）』に続き、不確実性の高まる時代を生き抜くためにリーダーが採るべき行動として“Provoke”を提唱。

世界的な感染症拡大の記憶は新しく、地政学的リスクにより世界経済の不確実性がより一層高まっている昨今。そんな厳しい状況下でもリーダーたちは決断し、成長することが求められています。世の中を動かし、自身が望ましいと考える未来への変化を惹き起こしていく必要があります。本書では、産学官民あらゆるリーダーに向けて、豊富な事例とその考察に基づき、必要な行動を起こすための方法を体系化し、解説しています。

前半では、リーダーたちの決断が困難を極める理由を、いくつかの事例を観察し、行動経済学や人間本来の特性から導出しています。ここから、人および組織には避けがたく、常態化している致命的欠陥が存在し、それらが相互に作用しあうことで負の連鎖を生み出しているなど、課題が山積となっていることに気づきます。

後半では、これらを乗り越えるために行動を起こす術を、「想像」「配置」「推進」「適応」「起動」という5つの重要な要素に分けて実例も交えながら提唱しています。加えて、実践者（“Provocateur”）たちのエピソードも詳細に紹介しており、読者の皆様が具体的な行動を取る際の参考になる内容となっております。

逃してはいけないトレンドが眼前に現れた際にどうすれば良いか。シナリオプランニングを活用した動的な将来の予測から、変化が起きた際に取るべき行動やマインドセットまで、本書を読むことで体系的に学ぶことが出来ます。

いざというときに動き、そして柔軟に対応し、望ましい未来を勝ち取るために、本書が読者の皆様の助けとなれば幸いです。

なお、“Provoke”とは「挑発」と訳されることが多い言葉ですが、本書では以下のようなニュアンスで使用しております。
「子供が、お仕置きを受けることなくどこまで欲しいものが得られるか、を試すために周囲に対して行う一連の行為」（本文より）