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ERMは進化する 不確実性への挑戦
デジタル革命が主導するビジネスチャンスの裏で拡大するサイバー空間上の脅威、気候変動が引起す自然災害の巨大化など、企業経営は未経験の不確実性にさらされています。金融・保険業において定着した統合的リスク管理(ERM)は、サブプライムローン問題に端を発した金融危機を教訓に、規制改革を断行しリスク管理を強化しています。
しかしながら、今大きな壁にぶつかっています。不確実性をマネージできる状態(リスク)にする以上のスピードで不確実性が拡大しているからです。
本書は、このような次世代の課題に対してERMが実効性を発揮するためいかに進化するべきかを検討します。
第1章では、ERMの歴史と今後の強化の方向を整理します。
第2章では不確実性の「リスク化」の意味を整理します。
第3章で、過去の失敗事例を検討し、不確実性のインパクトとそこから学び得る教訓を抽出します。さらに、現在直面しているサイバーの脅威と気候変動がERMに投げかけた挑戦の意味について確認します。
第4章では、不確実性に挑戦するために、現行のERMに導入すべき視点・仕組みを整理するとともに、最新の技術(AI,RPA)の活用による期待についても言及します。
目次
第1章 ERMの発展と強化の方向性
・リスク管理発展の流れ
・戦略的意思決定とリスク管理の関係
・ERM強化の方向性
第2章 不確実性へのアプローチとリスク化
・リスクの変質、不確実性の高まり
・不確実性に対するアプローチ
・不確実性下の意思決定
・不確実性のリスク化の意味
第3章 事例にみる不確実性のインパクト
・事例検討に先立つ着眼点
・事例検討と教訓
(戦略的意思決定と不確実性、システミック・リスクと不確実性、
オペレーショナル・リスクと不確実性、エマージングリスクと不確実性)
・不確実性への対処における留意点
第4章 不確実性をマネージするためのERM
・不確実性に向き合うための視点
・リスクと不確実性の峻別と投資判断基準の設定
・バイアス管理の強化
・想定外のマネジメントの強化
・不確実性に対する戦略的思考
・新技術の応用とERMの進化
・ERMの進化への期待
書名 | ERMは進化する 不確実性への挑戦 |
出版 | 中央経済社 |
著者 | 後藤 茂之 |
価格 | 本体2,800円+税 |
刊行 | 2019年1月 |
ISBN | 978-4502289310 |