グローバルタレントマネジメントシステム導入事例(株式会社商船三井様) ブックマークが追加されました
事例紹介
グローバルタレントマネジメントシステム導入事例(株式会社商船三井様)
~SAP SuccessFactors®を活用したグローバル人財管理強化と適所適材で人財戦略を推進~
本記事では、株式会社商船三井様へのグローバルタレントマネジメントシステム導入およびシステム活用事例を紹介します。
商船三井様は、グローバルで行う人財管理と適所適材を推進するために、当社の支援を受けてSAP SuccessFactorsを導入しました。これにより、これまで実現が難しかった人財情報の一元管理が可能となり、各社員のスキルやキャリア目標に基づいた最適なポジションへの配置の実現への足掛かりとしています。さらに、グループの重要ポジションへの配置を目的としたサクセッションプランニングにも、人財情報を有効に活用しています。この取り組みは、商船三井様の経営計画「BLUE ACTION 2035」を支える人財政策の強化に貢献しています。
1. システム導入の背景と目的
グローバル・グループ全体での「適所適材」を加速させる仕組みづくりを目指す
株式会社商船三井では、グローバル・グループ全体での成長を目指す中で、社内の人財の重要性が非常に高まっています。これまで地域単位や事業部単位での人事政策を実施してきましたが、今後は一層グローバルな視点で全社的な適所適材の実現を目指していく必要がありました。
SAP SuccessFactorsを導入し、グローバルタレントマネジメントを推進
商船三井は、グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」の達成に向けて、人事政策の観点から「Human Capital ビジョン」を制定し、その施策である「HC Action」を推進しています。この「HC Action」では、社員一人ひとりのスキルや経験、キャリア目標を詳細に把握し、適所適材を実現するための人財情報の一元管理を目指しています。また、将来のリーダー候補を早期に特定し、計画的な育成プログラムを実施するサクセッションプランニングや、従業員が自律的にキャリアを形成できるよう支援する学習・教育プラットフォームの提供も含まれています。
これらの施策の一環として、人事戦略の基盤となるグローバルタレントマネジメントシステムであるSAP SuccessFactorsを導入しました。本導入により、グループ全体での適所適材を実現し、グローバルな人財マネジメントおよび人財育成を一層強化することを目指しています。
2.プロジェクト導入アプローチと成果
グローバル・グループ全体での人財情報の一元管理、主要ポジションの要件明確化、グローバルサクセッションプランニングを実現
商船三井はグローバル・グループ従業員のうち約8,000名の情報をSAP SuccessFactorsで一元管理し、主要ポジションで求められるスキルや経験等の要件を明確化したことで、全ての社員が主要ポジションに求められる要件を確認できるようになりました。また、主要ポジションに求められる要件に対するスキルアセスメントもシステム上で実現しました。この取り組みによって後継者候補の社員のスキルと主要ポジションの要件が可視化されグローバルサクセッションプランニングを加速させています。
デロイトの豊富な導入知見・グローバルネットワークを活用し、22ヵ月の予定を9ヵ月で達成
商船三井は、豊富なグローバルタレントマネジメントシステム導入知見を持つデロイト トーマツ コンサルティングと、Deloitte Southeast Asiaとのコラボレーションを活用し、従業員の経験やスキルといった社員情報データベースの構築、およびグローバル・グループ全体での主要ポジションのサクセッションプランニングをわずか9ヵ月で実現しました。当初は22ヵ月の工期を見込んでいましたが、デロイトネットワークの強力なケイパビリティを活用したことで、予定の半分以下の期間で導入を完了させることに成功しました。
デロイト トーマツ コンサルティングは商船三井の本社に対して、またDeloitte Southeast Asiaは商船三井のグローバル各拠点に対して、それぞれオンサイトで対応する体制を構築しました。日本とグローバルの連携を密にし、本社の方針を各拠点に明確に伝えるとともに、各拠点の要望を踏まえながら、全体最適かつ最短での導入アプローチを実現しました。
各国の法律や各社のポリシーに沿った仕様でグローバル・グループでの円滑なシステム活用を実現
グローバル共通で活用可能な人財データベースを構築するためには人財データを各国の法律やポリシーに沿って保持し、利用可能にする必要があります。要件定義フェーズにおいては、グローバル・グループ各社の要件を詳細に収集するだけでなく、各国のデータプライバシー法(EUのGDPRや米国のCCPA等)や文化的な違いに配慮・考慮をしました。
人財データの取り扱いも各国の法規制に従ったデータの匿名化やアクセス権限の設定を行いました。これにより、本社およびグループ各社で共通的に利用可能な要件を満たしたシステム構築、グローバルな視点で共通化された人財情報を一元管理し、各国の法規制やポリシーに対応した運用を実現しました。さらに、システム構築だけでなく、運用ルールも整備し、グローバル共有で問題なく利用できるようになりました。
3.プロジェクトの今後の展望
今後はSAP SuccessFactorsの機能および導入対象会社を中長期的に拡張することで、商船三井が目指す「海を起点とした社会インフラ企業へ」というビジョンを支援します。
まず、従業員のキャリア開発やスキルアップを支援するための学習管理システム(LMS)やパフォーマンスマネジメント機能を強化し、各社員が自律的にキャリアを形成できる環境を整備します。これにより、社員一人ひとりの成長を促進し、企業全体の競争力を高めることを可能にします。
さらに、ダッシュボード機能・データ分析機能を活用し、人財データを可視化することで人財に関する洞察を深め、戦略的な人事意思決定を支援します。これにより、人財の採用・育成・配置の最適化を図り、企業の中長期的な成長を支える基盤を強化します。
デロイトは今後も商船三井のグローバル・グループの人財政策に伴走し、これらの取り組みを通じて、商船三井が目指す新たな成長を支援してまいります。
SAP SuccessFactors 導入事例:株式会社商船三井様
デロイト トーマツ グループはSAPパートナーとして数多くの受賞歴を有しており、製品・市場・業界に関する幅広い専門知識を提供することで、一貫性とシンプルさを両立したシステム体系の構築をサポートすることが可能です。詳細は以下のページをご覧ください。