ひきこもり支援における支援者支援の手法に関する調査研究事業報告書

調査研究の概要

本事業は、ひきこもり支援現場の充実・強化を後押しすることを目指し、既に一部の自治体、ひきこもり地域支援センター等において実施されている支援者支援の取組例について調査し、その結果を踏まえて、「支援者を支援するための有効な手法や具体的な手順等」についてとりまとめたガイドブックを作成するものです。

その目的のもと、①検討委員会の設置・開催、②情報収集（文献調査）、③アンケート調査、④ヒアリング調査、⑤ガイドブックの作成、⑥報告書の作成といった６つの活動を行いました。

「①検討委員会の設置・開催」では、ひきこもり支援や対人援助者支援についての知見を有する医学・福祉・看護領域の学識経験者や自治体職員等の有識者６名で構成した検討委員会を設置しました。検討委員会は計４回開催し、アンケート調査の調査項目や集計結果、ヒアリング調査のための候補先の選定や調査項目、ガイドブックの構成・内容、報告書の内容等について議論・検討を行いました。

「②情報収集（文献調査）」では、インターネットを用いて、対人援助を行う他分野（高齢福祉、災害支援、社会福祉、看護等）における支援者支援に関する先行研究についての情報収集・整理を行いました。

「③アンケート調査」では、ひきこもり支援担当者に対してアンケートを実施し、これまでに実施（企画や運営）した支援者支援に資する取組について情報を収集しました。

「④ヒアリング調査」では、本事業で作成するガイドブックに収載する内容を検討する際に参考にするため、支援者支援の取組事例(企画立案や実施、取組のポイント等)について聴取しました。

「⑤ガイドブックの作成」では、ひきこもり地域支援センター(及び、都道府県や政令指定都市のひきこもり地域支援センター所管部門) において相談員を管理したり、支援施策を立案・実行したりする立場の方が、支援者支援に資する取組を行う際に必要な事項等を知るための資料になることを目指して「ひきこもり相談における支援者サポートガイド」を作成しました。

「ひきこもり相談における支援者サポートガイド」では、ひきこもり相談における支援者支援に資する取組の進め方をステップで示しつつ、最初の段階において行う３つのこと（＜１＞解消したい困難さはどのようなものかを知り、＜２＞取組の目標を定め、＜３＞実施できる手法を選択する）について説明しています。また、支援者支援について、管理者と相談員が互いに理解を深めることに活用できるツールも収載しています。