ナレッジ

Lead the Way Forum「スマートファクトリーの未来」

Lead the Way Forum「スマートファクトリーの未来」

登壇各社のスマートファクトリーに対する取り組み:書き起こし内容 (*1)

モデレーター:皆さま、こんにちは。Lead the Way Forum「スマートファクトリーの未来」のセッションをはじめさせていただきます。モデレーターを担当させていただきます、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の水野梨津子と申します。よろしくお願いいたします。それでは早速、本セッションのスピーカーのみなさんをご紹介させていただきます。まずはご参加いただいた各社の皆さんに、自己紹介、会社紹介と、これまで各社それぞれの立場から、日本製造業のDX、スマートファクトリーを支援してきた取り組みに関して、簡単にご紹介をいただきます。まずはデロイト トーマツ コンサルティング鈴木さんから、よろしくお願いいたします。

 

鈴木:デロイト トーマツ コンサルティング(以下デロイト)の鈴木と申します。私は製造業のクライアント様に対するコンサルティングを通じて長年この業界に携わってきました。デロイトでは製造業の中でも産業機械・建設セクターのリーダーを務めております。

また、スマートファクトリーイニシアティブの責任者でもあります。スマートファクトリーの取り組みはデロイトグローバルで行われておりまして、スタートはドイツになります。ドイツ、アメリカ、そして日本では昨年に京都、今年東京にThe Smart Factoryをオープンします。それに続いて、カナダや世界各地に順次オープンしていくことを予定しています。製造業の取り組みとしては、従来はサプライチェーンの改革や、基幹システムの再構築のような取り組みが行われてきました。

今後はスマートファクトリーというテーマの中で、デジタル化の新しい世界という中で製造業の機能や、サプライチェーン全体をどういうふうに一歩進化させていくかということがテーマになります。デロイトのThe Smart Factoryでは、そのような新しい世界をデモで見ていただきながら、お客様自身のデジタルトランスフォーメーションの方向性や、もしくは実行の支援をしていく形で取り組んでいくことを目的としています。

 

モデレーター:ありがとうございます。続きましてSAPジャパン株式会社、高橋さんよろしくお願いいたします。

 

高橋:皆さん、こんにちは。SAPジャパン(以下SAP)にてデジタルサプライチェーン事業を担当しております高橋正直と申します。よろしくお願いいたします。

日頃SAPという会社は、企業様における基幹システム、ERPを中心とした形で、そこに関わるサプライチェーンであったり、CRM、あるいは人事管理であったり、いわゆるITテクノロジーをクラウドのサービスとして提供させていただいている会社になります。私はサプライチェーンという領域を担当させていただいております。

サプライチェーンと一言で言っても非常に広い領域でして、SAPが定義するサプライチェーンというのは、Design to Operateというものをコンセプトとして、デザインなどの設計、サプライチェーンにおける計画、製造、物流、保守、保全といったところを対象にした領域のソフトウェアを提供させていただいております。スマートファクトリーという領域の支援については、どうしてもSAPというとERP、会計システム、販売システムというイメージが強いのですが、実はもう15年以上前から工場の現場で使っていただけるようなMES(Manufacturing Execution System)と言われる製造実行システムを含めて、提供させていただいておりまして、いま現在1,000社を超えるお客様にご採用いただいています。

そういったところを近年のスマート化といったものにあわせて、IoT、機械学習、AI、ブロックチェーン、という最新の技術を盛り込んでいき、ソフトウェアを進化させてお客様のスマート化や、スマートファクトリーに貢献させていただいているところです。本日、よろしくお願いいたします。

 

モデレーター:ありがとうございます。続きまして、株式会社キカガクの大崎さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

大崎:あらためまして、株式会社キカガクの大崎です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。我々キカガクはDX人材育成の領域でサービスを提供しております。皆さんがイメージされるような1日から3日間の研修だけではなく、e-learningを活用した全社員のリテラシー向上や、クライアント様の実データを活用したPBL(Project-based Learning)研修なども提供しております。その他、中長期的に、3か年でどのような人材を育成していくかといったところからコンサルティングに入らせていただきまして、数千人規模での人材育成も提供させていただいております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

モデレーター:ありがとうございます。続きまして、シスコシステムズ合同会社の中川さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

中川:シスコシステムズ合同会社(以下シスコシステムズ)の中川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。シスコシステムズは、米国シスコの日本法人として1992年に設立されておりまして、ちょうど昨年、30周年記念を迎えた会社です。従業員は大体1,300名ほどおりまして、日本全国に支社があります。私はその中でIoT事業部に所属しておりまして、日本のIoT事業の責任者をさせていただいております。

私は、シスコシステムズに入社して7年になります。それまでもずっと製造業のお客様のデジタル化を支援させていただいております。特に米国の製造業のお客様を担当しておりました経験から、日本の製造業のお客様のスマートファクトリー化をご支援できないかと思いまして、3年前からIoT事業部に所属しております。本日どうぞよろしくお願いいたします。

 

モデレーター:皆さん、ありがとうございました。モデレーターを担当させていただきます私、水野は、デロイトで産業機械・建設ユニットに所属しており、長年製造業のクライアントの皆様のご支援をさせていただいております。あらためまして、よろしくお願いいたします。

日本の製造業におけるスマートファクトリーの未来をどう考えるか:書き起こし内容 (*1)

モデレーター:では、ここから本題のディスカッションに移りたいと思います。1つ目のテーマは、日本の製造業におけるスマートファクトリーの未来をどう考えるかについてです。まず、デロイトの鈴木さんにお話をお伺いしたいと思います。デロイトではスマートファクトリー2.0を提唱しております。こちらについてお聞かせいただけますでしょうか。

 

鈴木:まず、スマートファクトリー2.0の話を始める前に、スマートファクトリーの目指す姿がどういう方向で行くのかということからお話をさせていただきます。2つの軸があると思っております。

1つ目の軸は工程やオペレーションそのものをロボット化する、自動化するという軸です。その取り組み自身はいわゆる人件費の部分を削減する、原価構造そのものを変えていくという取り組みであり、比較的直接的な効果の分かりやすい世界だと思います。

2つ目の軸がいわゆるデジタルの軸と言われているものです。これは10年ほど前にGE様が提唱したおかげでかなり業界では加速されたものであり、いわゆるIoTという取り組みです。工程やそのオペレーションの例えば指示や実績のデータ、および工程の中のいろんなマシンから上がってくるセンサーデータを用いながら、デジタルツインを作るという形です。工程やオペレーションそのものの姿をサイバー空間上に写像するという形での取り組みになります。この取り組みをすることによって、基本的に一体何ができてくるのか、という問いが、このデジタルの世界にあります。

当然、物理的な工程の制御がありますので、サイバーフィジカルという世界の中でデジタルを使いながら、いかに製造業の機能の中の効率化や最適化や、もしくは付加価値を上げていけるかということが議論になってきます。

 

鈴木:スライドの図にありますようにスマートファクトリー1.0の世界はその取り組みを始めた世界です。一部の自動化や一部IoTを使って自立的に運営をするという姿になってきました。しかし、基本的にIoTが進んできてデータは取れるようになりました、デジタルツインはできるようになりました、大体そこで終わってしまう、というところが、大半の例ではないかと思います。データが見えたので工場が稼働しているのはよく分かる、という状況です。ただし、これを使ってそもそも狙っていた効率化や最適化がどうやって進むのか、というところで立ち止まってしまっているというのが、いまいま多くの企業様が抱えている所かと考えています。

スマートファクトリー2.0の世界は、そこから一歩踏み出そうという形です。データそのものの意味を問い質しながら再定義し、スライドにある製造業の4M(Man、Machine、Material、Method)のデータ、そういったものの意味づけを変えながら、活用可能な形に変えていく、それによって意思決定の仕組みの仕方も変えながら、サプライチェーン全体の最適化など、そういうものを変えていこうという形です。

また、単に物を作るというだけではなくして、データを使いながら新しい付加価値も考えていく形です。スライドにありますように例えばCO2です。製造の間でどういうCO2が生み出されてきているのか、もしくはサプライチェーンの中での人権の問題、もしくは食品や製薬といった中では安心感、安全感という観点では、いわゆる設計通りに物が本当に作られているかどうかっていうようなアシュアランス、そういった付加価値を加えていくような世界です。そのようなことができてくる事がスマートファクトリー2.0の世界と思います。

スライドについて説明します。いわゆる物理的な工程、オペレーションのところからはデータが上がってきて、そこからデータをベースにしながらいろいろな意思決定が行われていく層として最上階があります。これまで人間の経験や勘で行われてきた部分を、実はデータをベースにしながらいろいろな知見を高度化していくという世界になります。

データを用いながら、新しい経験値を生み出しながら、それを組織として共有し、グローバルの中でも各ノードで起こったことを共有しながら、新しいサプライチェーンの構造や、もしくは物の作り方そのものを変えていく、そういった組織知や集合知と私たちデロイトは呼んでいます。そのような世界を作っていこうというのが、スマートファクトリー2.0のコンセプトになります。

 

モデレーター:ありがとうございます。デロイトが考える製造業のDX、スマートファクトリーに重要なのは、人や組織の側面、そしてデータを活用した現場系の意思決定をどう迅速化、高度化していくかというところがポイントになるのかということですね。では、キカガクの大崎さん、キカガクでは製造業に特化したデータサイエンティストを養成する教育プログラムや、製造業向けに次世代リーダー育成研修を提供されております。人材育成に関する取り組みからこちらスマートファクトリー2.0について、ご意見をいただけますでしょうか。

 

大崎:ありがとうございます。鈴木さんのほうからも話がありましたけれども、我々キカガクは、組織内共有であったり、ナレッジ化して活用というところを進めていく上で、組織をどうトランスフォーメーションしていくかが一番大事になってくるのではないかと考えております。

最近、生成系AIなど台頭してきましたけれども、この技術革新が今まで以上のスピードで進んでいく中で、新しいツールであったり、求められているビジネスモデルといったところも、日々変わってくるものだと考えております。その中で、その変化に対応する組織をどう築きあげることができるかが、非常に重要になってくると考えております。組織をトランスフォーメーションしていくためには、経営陣や、このスマートファクトリー化を進めていく意思決定者が、組織トランスフォーメーションの必要性を認識していくことが一番重要になると思っております。

我々キカガクは、様々な会社様に研修を提供させていただいています。しかし、DXというバズワードに乗って研修や、e-learningを取り入れた会社様は、どうしても2年、3年経つと効果が出ないというところで中止になったり、内容を再検討せざるを得ないような状況になっています。

一方で、経営戦略のところから立ち返ってそれに紐づく形での組織戦略、DX人材育成を立てられている会社様は、ビジネス成果に直結するような育成といったところにも繋がってきています。加えて、ただただ人材を育成するだけではなくて、その育成した人材をどう評価していくのか。評価するだけではなくて、そこで上がってきた新たなアイデアをどのようにビジネスに転換していくのか、というところがうまくできていると思います。

なので、私はこのスマートファクトリー化を進めていく上では、組織をどうトランスフォーメーションしていくかというところが、重要になると考えています。

 

モデレーター:大崎さん、ありがとうございます。続きましてSAPの高橋さん、SAPではリスクレジリエントなサプライチェーンの実現をキーワードに、デジタルサプライチェーンに関する課題解決に取り組まれていらっしゃいます。そのようなサプライチェーン全体の文脈について同じくご意見を伺えますでしょうか。

 

高橋:そうですね、私たちSAPではリスクレジリエントというのを1つのキーワードにして、お客様にご提供するクラウドのソフトウェアとかを開発しています。これはもう耳にタコができている話なのかもしれないですが、コロナであるとか、異常気象であったり、地政学リスクであったり、こういうことに端を発して日本の製造業の皆様も、いわゆるビジネスにおける異常というのが出てきているのではないかと感じていらっしゃいます。

最近ですと、異常が起きることが恒常になっているようなところも皆さん感じていらっしゃるのではないかと思います。しかし、やはり異常を先読みするというのはなかなかできないことではないかと思います。であれば、異常が起こったときにどれだけビジネスを変化して、適合して、回復していくかといったところをテーマにおいてアプローチしていくのがいいのではないかということから、リスクレジリエントというキーワードをやらせていただいています。

 

高橋:私たちSAPでは、スライドの左側は、今日ご説明を割愛させていただきますが、スライド右側のカラフルな方見ていただきたいのです。いわゆるSAPが提供するERPと言われているのが、薄いブルーで書かれた部分です。いわゆるスマートファクトリーに代表されるような、工場のショップフロアに適用していただくようなMESのシステムなど、黄色の網掛けをしてあるところです。このようなところが、リアルタイムに、シームレスに連携するような基盤を提供させていただいております。

スライドのグリーンをつぶつぶでちょっと分かりにくいのですけれども、これらがそういったERPに溜まっている情報およびMESから吸い上げてくる工程の実績とか、品質の情報とか、そういったものを組み合わせて最終的にそれをデータ活用していくのが、この緑色の領域になってくるわけです。

結局、ここに溜まってきた情報をどれだけ活用するかというところが、リスクレジリエントに必要な部分になってくると我々は認識しています。何か異常が起きた際に、その影響範囲をデータから察知して、じゃあ何を、どのような打ち手を打てばいいのかシミュレーションをしていただいて、実際に実行計画を立てて、それを今度ERPおよびその実行システムの方に伝播させていく、実際にプロセスとして落とし込んでいく、ということをすることによって、異常に対しての打ち手を、そのサイクルを回していくということをご提供したいと考えています。

先ほど鈴木さんの方からご説明いただいたスマートファクトリー2.0の考え方に、非常に近しいところがあります。この中にはもちろんIoTの技術であったり、いろんな技術要素を組み込んでいきつつも、やはりそれを、溜まったデータを活用してビジネスに活かしていくところをご提供したいというのを考えています。それが、我々SAPが今ご提供させていただいているリスクレジリエントなサプライチェーンソリューションです。

 

モデレーター:ありがとうございました。続きましてシスコシステムズの中川さん、シスコシステムズでは生産現場からデータをいかに取得するか、経営と生産現場とのデータ、情報のネットワーク化に取り組まれていらっしゃいます。それらの取り組みに絡めまして、同じくご意見をお聞かせいただけますでしょうか。

 

中川:ありがとうございます。シスコシステムズという会社は、もともとネットワークスイッチであるとか、無線LANアクセスポイントであるとか、そういったネットワーク関連の製品を作っているメーカーです。その中でも、私が所属しているIoT事業部は、インフォメーションテクノロジーであるITと、オペレーショナルテクノロジーであるOTを結びつけるような技術を提供している部署です。

具体的に申し上げますと、通常データセンターであるとか、オフィスの中で使っていただくようなネットワークスイッチ、無線アクセスポイントではなく、工場の現場で使って頂けるような、非常に高耐久なスイッチであるとか、工場の現場で使うための業界認定を取っている無線のアクセスポイントというものをご提供しています。先ほど鈴木さんから工程ごと、オペレーションごとのデータを吸い上げてきて、デジタルツインを作るというお話がありました。SAPさんからも、MESでデータを集めてくるというお話がありました。データを集めるためには、そこにはネットワークが必要になってくるため、そのネットワークをどのように作るかというところが、スマートファクトリーにおいては非常に重要になってくると思っております。

今、お出しさせていただいているスライドが、シスコのインダストリアルオートメーション、シスコ検証済デザイン、英語ではValidated Designと言っていますが、そのデザイン図になります。シスコが長年培ってきた経験をもとに、工場のネットワークはこのようにデザインをすれば問題なく稼働することを検証したデザインガイドになります。さらに言うと、デジタル化と背反する側面であるセキュリティのインシデントというものにも、このネットワークを通じて守ることができます、と言うことを示しております。

こちらのスライドは公開しているデザインガイドでして、100ページ以上にわたるようなものになります。そちらから一番わかりやすいような絵を示させていただいております。一番下がまさにショップ、工程ごとのネットワークになっています。そこからデータを吸い上げてきてERPであるとか、さらに言うとクラウドの所までつないでいく、このようなネットワークを準備していくっていうところが、スマートファクトリー化においては非常に重要になってくるのではないかと考えております。

日本製造業のスマート化を支えるプレイヤーとして、顧客たる製造業とどのような取り組みをしていきたいか?また、ソリューションプロバイダーとしてお互いどのように連携していくか?:書き起こし内容 (*1)

モデレーター:皆さん、ありがとうございました。それでは2つ目のテーマに移りたいと思います。テーマは日本製造業のスマート化を支えるプレイヤーとして、顧客たる製造業とどのような取り組みをしていきたいか。また、ソリューションプロバイダーとしてお互いどのように連携していくか、です。先ほど皆さんのディスカッションの中で集合知、組織知というキーワードが挙げられました。製造業のお客様のDXやスマートファクトリービジネスを進めていく中で非常に重要となる人、組織といったソフトイシューに対して、今後どのような取り組みを強化して行きたいか、行くべきか。皆さんからご意見を伺えればと思っております。まずはSAPの高橋さん、ご意見いかがでしょうか。

 

高橋:鈴木さんからはシーメンス様のお話がありました。SAPもシーメンス様と同じドイツの会社ですので、ドイツで起きているインダストリー4.0、これを1つの考え方に基づいて、お客様にアプローチさせていただいております。インダストリー4.0が起こったのが、2015年あたりからだと認識しております。当時はどちらかというと単一の、個社での、その工場でのスマート化、デジタル技術の活用というところに閉じていました。

その後、インダストリー4.0の考え方そのものも進化しています。自社だけではなくて、自社から見たときのお客様や、あるいはサプライヤーさん、このような所を巻き込んだ形でビジネスネットワークと我々SAPは呼んでいます。ビジネスネットワークを形成して、そこからデータをさらに連携させた上で、ビジネスの生産性を向上させていくであるとか、自動化の促進というところを提供していくようにインダストリー4.0も変ってきています。

また、単純にビジネスの成果だけを追い求めるのではなくて、環境対応や、あるいはサーキュラーエコノミー、循環型経済、そのような企業様が向き合わなければいけない社会課題を解決していくところも、インダストリー4.0には込められています。

 

高橋:集合知、組織知というお話に戻したいと思います。やはり、企業様の内外からデータが集まってきて、それをいかに活用していくかというところが、1つキーワードになってくるのではないかというのが、我々SAPも考えているところです。それらを使って既存のビジネスをどう良くしていくか、あるいはサービタイゼーションに代表されるような、新しいビジネスへの転換といったところに活用していくかも大事なところと思います。よく我々SAPも、ITツールを売っているベンダーではあるものの、そこで効率化が起きた時に組織はどう変えなきゃいけないのか、人はどうならなきゃいけないのか、という話をよくお問い合わせいただくことがあります。

特に工場現場で言うと、日本のお客様の現場では、技術と技能、この2つを持ち合わせており、非常に優秀な方々が多いと感じております。新しいスマートファクトリーみたいなことを始めると、特に技能のところが効率化されて、自動化も伴ってきます。これからの組織のあり方というところをお客様とお話していくと、今まで技術と技能、その両方を有した方々を二軸に分け方を考えて、技能側、技術側というように考えています。技能側は当然効率化されていきながら、ワークロードが段々下がっていくので、技術側に転換をしていく。

一方、技術側の人間も今までやっていたことを繰り返すのではなくて、先ほどお話があったように、デジタルであるとか新しいもののスキルトランスファーをしていくということが重要ではないかと思います。そのような技術の方々が、現場におけるデジタルの活用みたいなものを促進していくことによって、更なる効率化であったり、新しいビジネスの転換というのに進んでいけるのではないかと考えています。そうすることによって、我々SAPが提供するようなソフトウェアやデジタルの技術がさらに有効活用されてきますし、お客様のビジネスも発展していくということを考えています。

 

モデレーター:高橋さん、ありがとうございました。続きましてシスコシステムズの中川さん、同じくご意見をお聞かせ願えますでしょうか。

 

中川:ありがとうございます。組織知というところで考えますと、今まで工場の生産現場というのはデータ取得のためのネットワークがそもそも存在していなかったりとか、データの共有が組織内でされていなかったりします。

ラインごとに最適化、効率化を図っている文化があったため、そこでのデータをそれぞれ別のラインと、もしくは工場全体で共有していくということが、これまであまりされてこなかったというところがあるかと思います。スマートファクトリーにおいて、我々シスコシステムズはスライドのデザインガイドにあるように、工場内の各工程内のデータに対して、ネットワークを通じて1つの場所に集めることを可能にしています。

それの1つがMESであったり、クラウドであったりします。そういったところに集めることで組織ごとにバラバラだったデータ、知識を共有することで組織知を深化させていきます。もう一点言うと、この取り組みを実現させるには、ITの方だけではなく、生産技術部の方であるとか、製造部、工務部のようなOT部門の方々との連携というのが非常に大事になってくると思います。

上流のネットワークと下流・現場のネットワークをどのようにデザインするかを考えるにはIT部門とOT部門の方の連携が大事です。ITネットワークへの接続やクラウドへの接続はIT部門様が主体的に、そしてPLCであるとかHMIであるとか、ロボット等が繋がるところに関しては制御通信が流れているところなので、ここは生産技術部の方が主体的に考える部分です。

なので、この上位のネットワークと下のネットワークというところをいかに融合させていくかという意味で言うと、IT部門の方と生産技術の方が定期的に打ち合わせみたいなものをして知識を共有化していく、さらに言うと、生産技術部の方の中でこういったデジタル技術に詳しい方、デジタルチャンピオンみたいな呼び方をしたりしますが、そういった技能のある方を育てていくということも非常に大事かと思っております。また、スライドの下のところにロックウェルオートメーション様であるとか、シーメンス様、シュナイダーエレクトリック様のお名前があります。

我々はこういった機械メーカーの方々とも協力してこのようなネットワークデザインガイドを作らせていただいております。日本でも例えばヤマザキマザック様であるとか、ファナック様であるとか、THK様といった会社様と提携させていただいて、このスマートファクトリー化を進めさせていただいています。そのため、企業の枠を超えた連携というのが大事になってくると思っております。

本日一緒に登壇させていただいているSAPさんであるとか、デロイトさんであるとか、キカガクさんとも一緒に協業しながら、こういった分野に取り組ませていただければと思っております。もう1つ追加でお話しすると、このエリアは実は機械商社の方々、我々シスコシステムズはラインビルダーという呼び方を海外ではしますが、そういった機械商社の方々とも実は連携を進めてきております。

ITベンダーとITのシステムインテグレーター様と、いわゆるOTのパートナー様、機械商社様の方々、こういったパートナーシップ、エコシステムみたいなものを結んで、スマートファクトリー化に貢献させていただければと考えております。

 

モデレーター:中川さん、ありがとうございました。続きましてキカガクの大崎さん、同じくご意見をお聞かせ願えますでしょうか。

 

大崎:ありがとうございます。集合知、組織知というような話がありました。集合知というのは知識がいっぱい集まって誰かが知っているというような状態ではなく、ある共通の目標や、ある共通の課題解決のためにその知識を活用して、新たなビジネス価値を生み出していくっていったところになるかと思っております。そこで、昨今、生成系AIの話を先ほどさせていただきましたけれども、課題解決の方法だけではなくて、どのような問いを立てるかというところも重要になってくると我々キカガクは考えております。

そのような中で、我々キカガクが製造業の方々とどのような取り組みをしたいかと言いますと、スライドに記載させていただいているように、経営戦略から逆算した形での人材定義をさせていただきたいと思っております。

中長期的にどのような人材を、どのスキルレベルまで育成する必要があるのか。そして、そのスキルを獲得させる為にはどのような体系だった研修ロードマップが必要なのかというところから入れればならないと思っております。

その後、e-learningを用いたり、リテラシー教育というものがあります。このリテラシー教育は新たなイノベーションだったり、スマートファクトリーを進めていくっていうふうになった時に、新しいITだったりAIについて知見がない人がいるとスピードが遅れてしまいます。

リテラシー教育で会社ごとに求めるようなリテラシーの向上を図っていくところが、何よりも重要と思っております。その後に、カスタマイズ研修というものがあります。パッケージの研修だけではなくて会社ごとに必要な研修スキルというのはそれぞれだと思っております。そのため、製造業であれば、製造業に特化したような形での研修も提供していきたいと思っております。

さらにその次のステップとして、実データPBL研修というものがあります。これは研修だけではなくて、成功体験を現場の方々にどう持っていただくかというところが非常に重要になると思っております。我々キカガクは研修するだけではなく、実際に実データを活用しながらどうDXを進めていくのかというところを、コンサルタントが伴走しながらサービスを提供しております。

そういったところまでいくと、会社の中で1つの成功体験が出来上がり、それがいわゆるアーリーイノベーター層になり、ほかのアーリーマジョリティ層に、この成功体験をもとにやっていこうという形で、組織内で意思決定が進んでいくというところにつながっていくと思っております。

最後に、中長期的にDX人材育成を内製化したいというような企業様もいらっしゃいます。そのような企業様には我々キカガクは講師内の内製化支援といったところまで携わらせていただいております。

そういった形で、我々キカガクは研修や、e-learningを用いたテクニカルスキルの可視化というところをベースに、企業様の組織トランスフォーメーションをどうしていくかというところに、取り組んでいきたいと思っております。

様々なITツールはありますけれども、どうしてもそのツールの使い方であったり、ツールを使った後にどうビジネス戦略に活用していくかというところには、人材育成というのは必ず必要になってくると思っております。そのため、そういったところでここに居る皆様と協力して進めていければと思っております。

 

モデレーター:大崎さん、ありがとうございました。それではデロイトの鈴木さん、今までのご登壇者のお話を聞かれた上でデロイトとしての今後の取り組み、あとパートナー各社さんとの協業、日本の製造業に対する思いをお聞かせいただけますでしょうか。

 

鈴木:皆さん、どうも貴重な情報、ご発言ありがとうございました。いくつかあります。まず1つは、データを活用するということを考えるまず前提条件として、シスコシステムズさんやSAPさんがおっしゃったようなネットワークを用いて情報上がってくる状態、もしくはある種の構造化されたデータがちゃんと整備されているということが前提になってくると思っております。その中で、1ついいお話だったと思うのが、SAPさんからお話があったリスクレジリエンスの話です。

実は工場の運営やサプライチェーンの運営というのは、リスクレジデンスそのもの、という話です。いわゆるテクノロジーの話をするとMRP(Material Requirements Planning)やTOC(Theory Of Constraint)や、そういったものが流行った時代に計画、経営、きれいに最適化しましょうという話は過去にもありました。ただ、実際に起こっている現場というものは、そのような計画が立てられても次の日、実は機械が故障してチョコ停しました、品質問題が起きました、ものが届かないので手待ちになりました、例えば台風があったため、このサプライヤーさんから物が届きません、というようなことがずっと日々起こるわけです。

そういったものをマネジメントしている世界が実際のファクトリーであり、サプライチェーンの構造です。そのリスクレジデンスそのものが工場運営、そしてサプライチェーン運営の本質的な話です。そこに対してデジタルが貢献できる世界ができつつあるというのが、今のこのスマートファクトリー化の取り組みだと思っています。その時に、工場から上がってくるデータそのものを活用できる形の意味づけ、それをするのが非常に重要だという話をさせていただきます。私たちデロイトは、FOA、Flow Oriented Approachという言い方をしています。

いわゆる工場で起きてくるいろいろなインシデント、品質問題をベースにそれが起きていく背景の生産環境、要因のデータや、説明パラメータをどのように体系化して見えるようにするかというアプローチをしています。そのような活用できる形にまずデータを変えていくということです。これが、高橋さんから話があった集合知という中でもある種のゴールが必要だという中の、1つの例ではないかと思っています。

 

鈴木:よく私は、人の体に例えています。人の体、手足があって、神経が流れて脳があるという3つのモデルです。いわゆる工程の工場やオペレーションをしている世界、IoTでデータを引っ張ってくる世界というのは、人間では手と足になるわけです。そこから神経でデータ、いわゆる情報が脳に上がってくるという構造なります。

皆さんお気づきのように、いっぱいいろいろな神経からデータが上がってくると脳は判断できなくなります。いっぱいいろいろな神経から上がってくるデータの中でも、優先順位が高いもの、緊急性のあるものを識別しているわけです。脳は、それで判断しています。そのような意味で、データが上がってくる意味づけをきちんとしていくというのが、神経の世界なのです。それがものすごく重要だということが、私たちデロイトも気づいた世界です。それができて初めてAIのような応用技術が活躍できる世界になってくると思っています。

次に、その脳の世界、サイバーブレインと私たちデロイトは呼んでいます。その世界の中でどのように考えていくかという世界の中では、いわゆる神経から上がってきた情報をベースにして、いろいろな判断をします。スライドにあるようなOODAループ、OODAループというのはObservation(観察)から始まって、いろんなインサイトを以ってしてDecision(決定)してAction(行動)を決めていくっていうループです。通常のPDCAとは若干違うループです。そのようなループを回していくということが非常に重要だと思っています。

気づきを持って、次の進化への架け橋になる活動になる、そのような活動をどんどん作り上げていく、それがいわゆるサイバー空間上で行えます。それはデータ、それから人間の経験値、知恵をベースしながらOODAループを回して、いろいろな解決策を見出していく世界になっていくと思います。

それが組織知や集合知という世界に変わってゆきます。その時にキカガクさんからも話がありましたように、人材というものも従来の製造業でいうと生産技術者、それから現場の知恵とか、生産管理者というような形のスキルセットがあります。

私たちデロイトはその4つ目と言いますか、5つ目と言いますか、1つの新しいスキルが必要だと思っています。シスコシステムズさんからはデジタルチャンピオンという話もありました。

そのデジタルOODA人材、そのようなデータを使って判断していくことを推進するスキル、これがやっぱり新しい人材像だと思っています。そのような人間が生まれてくることが製造業のレベルをアップしてく世界になると思っています。

 

鈴木:日本製造業の話を最後に少しさせていただきます。かつて私の先輩たち、高度成長時代の人間たちは、理系の卒業生はみんな生産現場に行っていました。非常に優秀な人間たちが私たちの先輩も含めて生産現場にいました。

非常にグローバルの中でも日本の製造業が競争力を持ったというのは、そういう人材の関係もあります。加えて、非常にものづくりに対する能力があっただけではなく、管理に関しても例えばトヨタに代表されるように、JIT (Just In Time)だとカンバンという手法があります。あれは表面上見えている世界で、裏側にはどうやって工程を組めばいいのか、やはりタクトを合わせるって、速度を合わせなくちゃいけない、速度を合わせるための設備って何だろうと、そのためにいろいろな改善をしていくという活動してきたわけです。

それができると、在庫が少なくなるというのは、実は問題が起きたら問題が見えるということなのです。デジタルではない世界でも工場の問題点が見えた世界を作り上げたのです。これが圧倒的に欧米の企業と全然違うところで、そういう知恵を実はデジタルがない世界でも日本の製造業は持っていました。

ここを今度はデジタル化することによって、見えるからこそ自分たちは何かができると思っているのが多分欧米系の企業です。このスマートファクトリーの中でも、データが見えるのだからコマンドコントロールできると思っているのが、欧米系の企業の姿だと思います。それに対して、日本はそれぞれ自立的にいろいろな問題点を解決するような、改善するような組織を貯めていくような活動してきました。これを今度、サイバー空間上でやりましょう、グローバルのどこにいても、どこの工場で起こったことでも、そういった知見をお互い分かりながら、この品質問題が起こるのはどういう原因か、どんなトライアルをしてみましょう、どういうサプライチェーンの組み方をしたらいけるのではないか、というようなことが意見交換される場がサイバーの中で行われていく、それが結実するとこの集合知みたいな世界になっていると思っています。

そういった支援を、私たちデロイトは、伴走の形で支援しながら、お客様に成功体験を積んでいただいて気づきを持ってもらって、日本の製造業を次の一歩へと、欧米に負けない製造業にするためにご支援したいと思っています。

 

モデレーター:ありがとうございました。日本のものづくりのスマート化を支えるプレイヤーとして、我々お客様である製造業とどのような取り組みをしていきたいかというお話を、皆さんからお伺いできたと思います。最後によろしければ、皆様一言ずついただきたいと思っております。SAPの高橋さんから、お願いできますでしょうか。

 

高橋:本日ありがとうございました。非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。最後に鈴木さんがおっしゃっていただいたように、日本の現場と欧米の現場というお話があったかと思います。私はドイツの企業に所属しているため、ドイツの企業様の事例を訪問させて頂くケースが良くあります。

やっぱり、日本とドイツだからかもしれないのですが、すごく似通っているところはあります。いわゆる現場におけるサイロのお話や、現場の方々が非常に優秀というのも似通ったところがあると思っています。成功体験というお話を大崎さんからも鈴木さんからも頂きました。この成功体験に対する価値観がちょっと違っているのかなと感じたりすることがあります。

どちらかというと、ドイツの方々を見ていると、小さいことでも走りながら、考えながら失敗を繰り返してやっていくというところが、すごく優れているなと思っています。小さな成功体験みたいなものを積み重ねていくっていうのはすごく大事ですし、大崎さんのお話すごく共感しました。成功体験を積み重ねながら出来上がった仕組だったりとか、ルールだったりとか、それをどうやってうまく乗りこなして定着化させていくかっていうところが育ってくると、だいぶ変わってくるではないかと思っています。日本の現場はすごく優秀だと思います。

しかし一方で、GDPが伸びてないっていうところは1つの結果だと思っています。そういったところに対して、今日集まったデロイトさんとも、キカガクさんとも、シスコさんとも、タッグを組んだ形で日本の現場を強くしていきたいなと改めて感じました。どうもありがとうございます。

 

モデレーター:ありがとうございます。では、キカガクの大崎さん、お願いできますでしょうか。

 

大崎:はい、本日は貴重なお時間ありがとうございました。成功体験という話がありました。我々キカガクは、実データを活用したPBL研修をさせていただくと、現場の方々はドメイン知識があるため、どのような課題がありますか、とか、その課題を持ってAIを使ってどういうふうに解決したいですか、と聞くと、さまざまなアイデアが出てきます。なので、現場レベルではこういうふうに解決できるのではないかという思いがかなりあります。

それが研修前後でまた違って、研修でAIやITの知識を身につけた後には、さらに高度なレベルで出て来るようになってきます。そこで成功体験という形で実際にDXを進めていくと、その現場の人々がほかの人に伝えていこうというようなマインドになってきます。

そういった意味で組織全体が変わっていくというようになると思っています。企業様ごとに違うのは、そういった成功体験が出てきたときにそれを後押しするような文化が形成されているかどうかであったり、マネジメントがそのような責任を持てるような形でDXという取り組みに向き合っているかというところが非常に重要になってきます。まさに日本の製造業が欧米に打ち勝つために、ある意味覚悟を決めて一緒になって頑張っていければと思っております。

 

モデレーター:ありがとうございます。それではシスコシステムズの中川さん、お願いできますでしょうか。

 

中川:本日、貴重なお時間いただきましてありがとうございました。私も非常に皆様の意見聞けて勉強になる機会でした。IT企業のあんまり良くないところと言いますか、すごく良い世界があるとか、こんなに素晴らしいことができるとか、大上段に構えてよくお話しさせていただいたりすることがあると思います。しかし、やはり生産の現場はもっとシビアな環境で、少しでも生産原価を下げるために日々ちょっとした改善っていうのを繰り返している現場だと思っています。なので、大きな話をするだけではなく、現場に寄り添う形で、IT技術、デジタル技術が少しでも、本当の意味で現場の生産効率を上げるような形で、お役に立てるよう色々な業界の方々と連携して進めていければなと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

モデレーター:ありがとうございます。では最後に鈴木さんお願いできますでしょうか。

 

鈴木:今日は皆さん本当にありがとうございました。皆さんとのディスカッションを通じて、日本の製造業の現場を強くする、もしくは日本の製造業そのものを強くする、ひいては日本のGDPを上げることに貢献できるのではないかなと感じてまいりました。どうも今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

モデレーター:あっという間に、お時間となってしまいました。それでは、これにてLead the Way Forum「スマートファクトリーの未来」のセッションを終了いたします。このセッションではSAPジャパン株式会社 高橋さん、株式会社キカガク 大崎さん、シスコシステムズ合同会社 中川さん、そしてデロイト トーマツ
コンサルティングの鈴木さんと水野でお送りさせていただきました。ありがとうございました。

Lead the Way Forum「スマートファクトリーの未来」登壇者のご紹介(*2)

SAPジャパン株式会社 
エンタープライズクラウド事業本部 デジタルサプライチェーン事業部
事業部長
高橋 正直 様

株式会社キカガク
代表取締役社長
大崎 将寛 様

シスコシステムズ合同会社
IoT事業部
IoT ソリューションスペシャリスト
中川 貴博 様

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
産業機械・建設セクター
パートナー
鈴木 淳

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
産業機械・建設ユニット
ディレクター
水野 梨津子

 

(*1) 書き起こしにあたって整文・表現調整を実施しています

(*2) 登壇者の情報は、2023年5月23日時点のものです

 

お役に立ちましたか?