調査レポート

2022年 次世代自動車に関する消費者意識調査

「環境にやさしい」PHEV・EVについて、魅力的な市場が形成される未来は近い

我が国消費者の「自家用車保有」に関する考え方と、購買行動に色濃く反映される「嗜好」を今一度振り返り、カーボンニュートラルの潮流下において「待ったなし」と言われるPHEV・EV開発・投入競争に対する、消費者の「向き合い方」と「望むこと」を探るべく、本調査を企画・実施した。当社の最新の調査分析結果が、我が国自動車業界のプレイヤーや関係者に示唆をもたらすことを願ってやまない。

消費者像:「保有」と「非保有」

全国平均で約半分、東京23区に限ると7割の消費者が自家用車を必要としないようだ。一方で、地方では7割の消費者が自家用車を必要としており、自家用車保有の「地方偏重」が改めて確認された。(そして、保有している消費者は、「引き続き、保有し続ける」)

地方における公共交通機関の利便性は相対的に限定され、「日常生活の足」となる自家用車は重宝される。一方で、いわゆる車の"シェアサービス"は、こういった「日常生活の足」としての存在には至っていない。

もちろん、"シェアサービス"は「維持費不要」であることは多くの消費者にとって魅力的であり、すでに出張や旅行といった場面で活用している消費者も一定数存在する。加えて、都市では多数の消費者が車を「持たない」ことも考えると、「確実に」、「どこでも」、「簡単に」使えるようにすることで、"シェアサービス"も新たな段階に進める可能性があるだろう。

消費者の嗜好

自家用車を購入する際に、最も重要なのはコスト(車両購入価格、燃費、維持費等含めたTCO)であり、地方において「日常生活の足」である自家用車という観点からも頷ける結果といえよう。この文脈から、小型車人気が根強く、特に軽自動車は不動の地位にあることも容易に想像できるだろう。

パワートレインの選択については、ガソリン車とハイブリッド車(HEV)が圧倒的な二強であり、PHEV・EVは消費者の約25%が検討している程度であった。

いわゆる「おカネ周り」については、「予算総額200-249万円。支払手段は現金」が典型的な消費者像であり、リースや残価設定クレジットは月々の支払額の安さを訴求するも、まだまだ苦戦しているといえそうだ。

消費者の属性とパワートレイン選択の関係

PHEV・EVの購入意向をもつ消費者の属性をみると、地方よりも都市在住、所得の増加に比例して意向が、若干ではあるものの強くなっている。また、賃貸の集合住宅に居住する消費者については意向が弱くなる傾向を考えると、充電器設置の難易度は重要な要因といえそうだ。

地方と都市の比較においては充電インフラの整備状況が重要な因子として、所得比例の因子としては補助金はあれども車両本体価格の割高感はまだまだ拭えないことが考えられるだろう。

興味深いことに、PHEV・EV選択の動機は「環境にやさしい」ことが第一位、「トータルコストが安い」ことがそれに続く結果となり、"環境"意識は、国家・政策ならびに企業・製品はもとより、消費者・行動レベルでも高まっているといえよう。

PHEV・EV普及に向けた示唆

消費者の40%超が、将来的にPHEV・EVを購入したいと考えており、潜在的な需要は十分と考えてよいだろう。これらの潜在的需要を顕在化させ、刈り取っていくためには、従前からも言われている、「車両購入価格(の高さ)」および「脆弱な充電インフラ」という2点を解決していくことが必要だろう。

消費者がPHEV・EVに関して「望むこと」を具体的に探ってみたところ、(1) 購入予算総額:250万円未満、 (2) 5年後のリセールバリュー:30%以上、(3) ボディタイプ:軽自動車・コンパクトカー・ミニバン、(4) 満充電時の航続距離:500km以上、(5) 自宅での充電、(6) 外出先での10分以内の急速充電、という結果となった。これらの、ひとつひとつについては、必ずしも夢物語ではなく、近い将来において、我が国においても魅力的な市場が形成される可能性が十分にあるといえよう。

2022年 次世代自動車に関する消費者意識調査(PDF)

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本レポートの問い合わせ先

菅野 弘孝 パートナー 
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

原 麻衣子 シニアアソシエイト 
デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社

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